第二話
「こんにちは。白の少女さん。今日は会議ですが....覚えていらっしゃいます?」
執事のような格好をした人物は淡々と喋る。
その人物が話しかけているのは扉の奥にいる小さな少女だ。
その少女は扉の前にいる、その人物を真っ直ぐ見上げながら言った。
「......会議....?もう前回から数年経った....?」
「経ちましたよ。」
小さな声でボソッとしゃべるその少女は目の前にいるその人物を自らの部屋へと招き入れた。白と黒のアンティークな家具で統一された部屋は、その少女がどこにいるか分からなくなるほど同化している。その少女は部屋に招き入れると自らはどこかに行き、数分後ティーカップを持って戻ってきた。
「案内人さん、そこ....座って...。」
案内人と呼ばれたその人物はその少女が指さしていた黒基調として作られたであろう椅子に座った。椅子に座るとその少女は持っていたティーカップを机に置いて、ワゴンで運んできたお菓子とティーポットを並べた。
「白の少女さん?今から会議何ですが…」
白の少女と呼ばれているその少女は、目の前にいるその人物からの言葉にはなにも反応せずに静かに椅子に座った。その所作はとても美しく、貴族を連想させる姿だった。言葉には何も返さずに淡々とお茶をティーカップに注いでいる。
少し経つと注ぎ終わったのか、その少女はお菓子を手に取り食べていた。
「白の少女さん…?何度も言いますが会議ですよ。*&時#$分には会議室に来ていてくださいね。私は他の方を呼びに行かなければ…」
その人物は椅子から立ち上がろうとすると後ろに引っ張られている感覚がし、前に進めなくなった。その人物はすぐさま背後を向く。
そこにはお菓子とお茶を指さしたその少女がこっちをじっと見ていた。
「白の少女さん、困りますね。お茶を嗜むことが先だと…?」
「どうせ…誰も来てないはず…そうでしょ…?これから呼び行くんだったら…まだ…時間ある…それに…時間なんて無限…少しぐらい遅れたって…誰も覚えてないし気にしない…。」
「…。」
そうだ。目の前にいる少女こそ正しいことを言っている。色館での時間は無限だ。永遠に刻まれる時間の中、会議がある日を覚えている者は案内人以外誰もいない。そして誰も気にしない。ここでお茶を嗜むことがあったとしても、対して変わらないのだ。引き留められたその人物はお茶を嗜むと、部屋を出て他の者を呼びに行った。
その人物が出て行ったとたん、その少女は言葉をこぼした。普段のボソッとした口調と違ってはっきりと喋っていて、それが本来の姿に見えた。
「案内人…。あの人も苦労人だね。この色館の調整役をして。会議か…。数年に一回しかないのに…。お客様も増えてるし…。そろそろかな…。」
その少女は机の上を片付けると1つの古いオルゴールを奏でていた。




