第十一話
黒髪の、仮面をつけ執事のような恰好をした人物は会議室を出て、ホールを抜け、大きな大きな扉がある館の入り口に来ていた。
その人物の目の前には、二人の子供が手をつないで立っている。
その2人の子供はその人物の仮面の奥にあるであろう目をじっと、見つめていた。
その人物はその二人の子供の全身を見ると、何かを確かめるような雰囲気で、いつものマニュアル通りの言葉で話しかける。ただ、少しだけ違っていた。
「ようこそ。色館へ。お客様改め、仲間のお二人さん。」
その人物は、二人の子供をお客様ではなく、仲間と言った。仮面を付けているため、その顔は見えない。その人物は二人の子供からの返答を静かに待った。
その二人の子供は、その人物から話しかけられたことに驚きながらも、二人のうち一人がその言葉に返答した。
「色館…?ここは色館って言うの?お客様じゃなくて…仲間?貴方は誰?僕たちのことを知っているの?」
子供ならではの、質問だらけな言葉でその子供は答える。その言葉を聞いているその人物の仮面からは懐かしいものを見ているかのような雰囲気だった。
その人物たちがいるホールには、窓がたくさんある。その窓はステンドグラスで出来ていて、様々な色で溢れていた。窓には、大粒の雫がたくさん流れている。
「ええ。色館ですよ。お二人はお客様、ではなく仲間ですね。私たちと同族のはずですから。貴方方は見ただけで分かります。その銀髪に金の瞳をしていたら。すぐに。、、、、申し遅れました。色館の管理人改めまして、
案内人と申します。以後、お見知りおきを。」
その人物の言った通り、二人の子供は銀髪に金の瞳。一人の子供は髪が短く、一人の子供は髪が少し長かった。その人物が返事をすると、もう一人の子供が口を開いた。
「よろしくお願いします、、。ところで僕たちはどうなるんですか?案内人さん、、?」
その子供は辺りを見回しながら、小さな声で言った。館の外では雨が強くなり、窓には大粒の雫が次々と叩きつけられている。
その人物は窓の外を見ると、仮面の上で懐かしさと虚しさと悔しさで溢れていた。その様子を見ていたのはその人物のちょうど目の前にいた二人の子供だけ。その二人の子供は静かに手を繋ぎ、その人物の仮面をじっくりと見つめていた。
しばらく経って、その人物は口を開く。それは、雨が窓に叩きつけられる音がホールに響くようになってからのことだった。
「別に、◯しもなにもしませんよ。私たちの仲間としてこの館に住んでもらうだけです。外はあの天気ですし、お二人も帰る家はないでしょう?」
その人物は二人の子供の返答を待ち、帰る家はない。と言ったところで、二人の子供を連れ、ホールの奥の奥の場所へと案内しに行った。
その人物は道中で二人の子供に話しかける。そこは、シルバーブルニアと青いカーネーションが飾られた部屋の前だった。
「お二人の過ごす部屋はこの場所になります。部屋の中は自由に変えてください。貴方方は魔法が使えるはずですから。そして、ここでは、髪が少し長い貴方は銀の記載者と。髪が短い貴方は銀の調査者と名乗ってください。それ以外は、他の人の前で名乗ってはいけません。それでは。」
そう言い残して、その人物はその場から去って行った。
部屋の中に取り残された二人の子供は手を取り合うと、その二人の子供の周りは直ぐに銀と青の光で埋め尽くされた。




