第八話
コツコツコツ
靴の音が鳴り響く。
その音を鳴らしている方を見れば、
そこには仮面をつけ執事のような服装をした人物が立っている。
その人物は緑のアロストロメリアが飾られている扉の前に近づいていく。
やがて扉の前に立つと静かにその扉を叩いた。
とある一室。
その部屋の中で、静かに歌っている女性がいた。
その女性は淡い緑色の髪をしていて瞳は青色。
服装は神に仕える者のような恰好をしていた。
その女性は、扉をたたく音がすると静かに立ち上がり扉を開いた。
そこにいたのは、仮面をつけた人物。
その人物は扉が開いたのを確認すると、いつものように言葉を並べた…
「こんにちは。緑の聖女さん。会議の時間がやって参りました。早急に会議室に来ていただくことは可能でしょうか?」
その人物は聞き取りやすい速さで喋る。
その声はどこか、暗い雰囲気ではない、明るい声だった。
その人物の目の前にいるその女性はそっと自らの手を握ると言った。
「分かりました。会議室ですね。すぐに向かいますわ。ところで案内人さん、今は何年でしょうか?案内人さんであればわかると思うのですが...。」
その人物は仮面の上からでも分かる、動じない顔で不気味に笑うと口を開く。
「年…ですか?どうでしょう。私には分かりませんね。****年程ではないですか?」
その人物は答える。相変わらず仮面をつけていて表情がわからないまま。
その人物の答えに対し、その女性はそれ以上は何も追及もせずに「わかりました。すぐに向かいます。」とだけ言葉を残し、扉を閉じてしまった。
扉を閉じられた後、
その人物は何を思ったのか。
近くにあった大きな扉の奥に入って行った。
その大きな扉の奥は沢山の大きな本棚があり、数えきれないほどの本があった。
その人物はその中でも一冊の本を手に取る。
『 滅亡した国 ~ 魔法大国ラ・ファン ~ 』
時は9世紀頃…
遥か昔からその地を統一してきた魔法大国ラ・ファン。
資源が豊富な豊かな国で、魔法文化が主流とされたその国。
しかし、何十年にも及ぶ諸外国との戦争により、
魔法文化は廃れ果て次第に魔法が使える者も減っていった。
いつの日か、その国は自然と滅亡しかつて世界を震わせていた魔法も消えた。
そんなラ・ファンの跡地では今でも様々なものが見つかっている。
例えばだが、無限の時間を刻む館などだ。
パタンッ
その人物は本を開いていたが、途中のところで本を閉じてしまった。
その人物は閉じた本を元の場所へと戻す。
すると直ぐに、その本ばかりの部屋から出て扉に触れた。
すると扉の前に不思議な魔方陣が現れる。
その様子をしっかり見るとその人物はその場から離れ、また廊下を歩いてった。




