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#4 咲良の想い

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「グループ恋愛がやばすぎる!!」をどうぞ!

数日後、昼の休み時間にみんなと話をしていると

咲良「後でちょっと来てくれないかな?前に依頼のやつについて……」

と深刻そうな顔で咲良が言う。俺はそれを察して"ああ"と返事をした。


数分後、話のきりがついた俺たちはいったん席を外す。

咲良「大和の恋愛の件だけど…………私、協力するよ」

俺「……そうか」

咲良「その様子だと、朔はもう気づいているのね……

   その通りで私は大和のことが好きだわ。だからこそこのグループで

   いられるのがうれしかった」


俺「じゃあ、なんで協力するんだ?」

咲良「なんでなんだろうね……私にもわからない……

   でも一つだけ言えることは、私が彼の恋愛を応援したいってこと」


俺「そうか……もう一度、聞くけど本当にいいのか?」

咲良「うん、もちろんだよ!」

彼女はそう笑ってみんなのところへ戻っていった。


もし、咲良以外にもこうやってグループ内恋愛があるのなら

それはかなり複雑なものになってしまうだろう。

実際、咲良の状況ですら三角関係……

この後の展開が少し楽しみで少し不安だ。


そして放課後、俺は大和に"咲良が手伝ってくれる"という旨を伝える。

大和「まじか!ありがたい!よく二人一緒にいるから

   サポートもさせてくれやすいだろうし!」

大和はそう喜んでいた。その姿を見て俺はどう返せばよいか

わからなかった……いかん、いかん。見破られないようにしないと……


数日後、とうとうテスト週間まで一週間を切ったある日のことだ。

大和から咲良とも直接、打ち合わせをしたいと言われたので

放課後この三人で集まることになった。


咲良「にしても大和が琴葉のこと好きなんてね~」

彼女は彼女自身の好意が悟られないようにしながら話す。

大和「まっ……まあ、小さいときから一緒に過ごしているからね」

それに対して彼は少しだけ恥ずかしがっている様子だ。


確かにこのグループで恋愛の話なんかしてこなかったからな……

咲良「それで、決行日はテスト週間一日目でいい?」

大和「ああ、それとできればもう少し日数がほしいけど……」

俺「欲張るな。まあ咲良と俺の都合が付けばいいぞ」

彼の欲張りに笑いながら提案する。


そして話し合いの結果、一日目と三日目それから最終日に四人で

放課後に集まることになった。

そもそもで二人は距離が近いからそこまで失敗するとは思わないが……


それより心配なのは、咲良だ……

最初こそ、平常心を保てていたが好きな人に好きな人がいたショック

なのか口数が減った気がした。大和は気が付いていなかったらしいが

事情を知っているこちら側からしたら申し訳なくなっていた。


もちろん、大和が悪いと言うつもりもなく咲良が悪いと言うつもりもなく

誰にせいにもできない。そのもどかしさゆえにこういう状態になって

しまっているのではないだろうか……


大和「俺、塾があるから先に変えるわ!」

そう言って先に帰っていく大和。そして気まずい空気が流れる。

何をしゃべろうかと考えているとぽつりと咲良が話し出す。


咲良「大和に恋をしたのはさ、転校してきてすぐのときでさ」

咲良が俺たちのグループに入ったのは小学校三年生のころ。

俺たちが通う小学校に転校してきたのだ。

咲良「一番最初に琴葉と仲良くなって、いつも四人で遊んでいたよね」


彼女はこれまでの思い出に浸っているのかどこか遠くを見つめていた。

咲良「遊んでいるうちに、いつの間にか大和を目で追っちゃって……

   気が付けば大和のことを好きになっていたの……」

今の彼女からの説明だと、すでに六年も彼に想いを寄せている。


咲良「あまり恋バナとかしてなかったから大和に好きな人が

   いるなんて一ミリも知らなかった……だからこの前、聞いたときに

   少しだけ、ほんの少しだけショックを受けて」

俺はうなずきながら彼女の話を聞く。


咲良「そりゃあ六年も好きだったからきつかったよ。

   でもさ、たぶん大和って一途でしょ。六年も一緒にいたのに

   異性として意識されないってことはそれまでだから……

   だから、私は大和の恋愛に協力することにしたの!」

そう話彼女はどこか迷いが吹っ切れていた様子だ。


俺「………一番恋愛とは無縁の俺が言うのもあれだけど、しっかり

  吹っ切れているなら大丈夫だと思うぞ!」

咲良を元気づける意味も込めて俺はそう言った。


咲良「ありがとう……朔も恋してみれば?今の私の気持ちが

   わかるかもしれないよ」

いたずらっぽく笑いながらそういう。俺は苦笑いをしながら

俺「まあ、いずれな。とりあえず今は、大和の恋愛に集中しないといけないし」

咲良「確かに、そうだよね。よしっ!絶対に二人をくっつけるぞ!」


俺「ちなみに聞くが、咲良は琴葉の好きな人とか知らないのか?」

咲良「……確かに言われてみれば聞いたことがなかったかも!

   今度、聞いてみようかな」

"迷い"が吹っ切れたとは言っていたが少し寂しそうな声で言う彼女。

咲良「ダメダメ!私は大和を応援するって決めたんだから!

   じゃあまた明日ね~」

俺「ああ、無理をするんじゃないぞ!」

読んでいただきありがとうございました!

ブックマークや評価を付けてくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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