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#16 恋のキューピッド咲良

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「グループ恋愛がやばすぎる!!」をどうぞ!

咲良の一押しがあってからというもの、杏は積極的に自分から

唯人に話に行くようになった。

杏と唯人の気持ちを知っている俺たちはニヤニヤがとまらなかった。


杏「唯人、教科書を忘れちゃったから見せてくれない?」

杏は基本的には消極的でが、唯一唯人にだけは心を開いてるのか

言葉がつっかえることはない。長期間、一緒に過ごしているからだろうか。


唯人「いいよ。でも杏が忘れ物をするのは珍しいな。

   いつもは真面目で忘れ物しないのに」

やっぱり唯人は唯人で、周りをしっかり見ていることがよくわかる。


杏「あっ、朝慌てていたから忘れた……」

慌てて、違和感がないように答える杏。大丈夫なのかな……?


放課後、咲良が俺たちを集めた。これからの会議だそう。

咲良「んん、ただいまから杏と唯人恋人計画の会議を行います」

俺「今日はこんな感じでやるのか?」

咲良「……ごめん、今のは気にしないで。恋人計画を進めるに

   あたって何か重大なイベントはあるかな?」


俺「……少し前に合宿があったばかりだから特にないけど……

  しいて言えば、テストがあるくらいかな」

咲良「……でも大和がやっていたあのところはやっぱり二人には

   必要ないと思うからテスト関係は無理だよね」


俺「そうだな……そうすると、夏休みになんか計画するか?」

咲良「確かに!多分、みんな夏休み暇だと思うからそこで

   どこかへ出かけるっていうのもありだね!」

完全に杏本人を置いてけぼりにして話を進める俺たち。


俺「……あっ!夏休みに行われる夏祭りなんかどう?」

咲良「いいね!花火が上がっている途中とかの告白、青春だね~」

杏「はっ……花火中の告白!めちゃくちゃロマンチック!!」

杏の恋愛スイッチが入ったのかいきなり会話に混ざってくる。


咲良「でも、これは杏のために考えていることだから杏が実行

   しないと意味がないからね?」

若干、圧をかけながら杏に言う咲良。それを教えられて杏は

杏「わっ……私が!?!?無理無理無理、絶対に無理」


俺「……でも告白をしないと何も進まないぞ」

杏「そっ、それはそうだけど今の関係が壊れるのが嫌……」

少しばかりの沈黙が流れる。そして沈黙を破ったのは咲良だった。

咲良「朔、ちょっと二人で話をしたいんだけどいいかな?」

何か秘策があるような目で俺に集合をかけた。


杏から少しだけ距離を空けて俺は咲良の方へ向かう。

咲良「もう、お互いが好きってことをバラして一気に進展を狙うのは?」

俺「確かにそれもありかもしれないけど、二人とも恥ずかしさで

  どうかなっちゃう気がするのは俺だけか?」

咲良「……唯人はわからないけど、杏の今の様子だとそうだよね~……」


俺「今のことを作戦に盛り込むのならば、唯人にだけ"杏が唯人のことを

  好き"だということを内緒で伝えて夏祭りの日に告白させるって

  いうのはどうかな?もちろん、杏には内緒で」

咲良「……杏が嫌がるかもしれないけど、今の私たちにできることは

   これくらいしかないよね……もう少しだけ杏と話してどうしても

   進展がなければ実行する最終兵器ってことで」


そう言って会話を切り上げて俺たちは杏のところへ戻る。

杏「ふっ、二人って付き合っているのか?」

俺「二人って誰のことだ?」

杏「だから、私の前にいる伊庭さんと宮里さん」


俺「いやいや、さすがに誤解だよ」

咲良「そうだよ、私だってもともと好きな人がいたから」

杏「えっ!?宮里さんって好きな人いたの!?誰!?教えて!」

人の恋愛にかなり食いつく杏。咲良は観念したように言う。


咲良「……実は大和のことが好きだったの……」

少しだけ恥ずかしそうに話す彼女。杏は目を丸くさせ

杏「えっ、でも宮里さんは水野原さんの恋愛に協力していたよね?」

咲良「……うん、そうだよ。だって、好きな人には幸せになってほしいって

   いう私の願いがあったから協力したんだよ!

   まあ……結果は残念だったけど……」


杏「もともと好きな人がいたって言っていたけど今は好きじゃないの?」

咲良「うん、恋愛に協力しようと思ったときに告白をしてきりを付けたの」

杏「……本当にきりをつけれたの?」

咲良「えっ?」

杏「日中、宮里さんを見ているとずっと水野原さんに目線が行っている

  から実はまだあきらめきれていないんじゃないの?」


杏が冷静に分析したことを淡々と言うと、咲良は驚く表情をしていた。

咲良「……そう、なのかな?私ってまだ諦めきれていなかったのかな……?」

杏「うん、私の予想だと未練がまだ残っているんじゃない?

  水野原さんが振られちゃったなら付き合える未来はあるんじゃない?」

咲良「……ダメだよ、彼に告白して振られたら付き合えるなんてことないよ……」


涙を含ませるような声でそうはっきりという咲良。

杏「でも、諦めきれてないでしょ!だったら付き合うまでもっていけば!」

俺「杏、それ以上はやめた方がいい」

杏「でっ……でも、もしかしたら宮里さんにも……」

俺「咲良は自分で自分の運命を決めたんだ。好きな人の恋愛を助けるって」

読んでいただきありがとうございました!

ブックマークや評価を付けてくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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