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1日目 伝説の始まり



「あ〜、もう朝の11時か〜。」

インフルエンサーになろうと決意したのも束の間、俺は堕落した日々を過ごしていた。

「こんな日常を続けてはいけない。」と度々思うのだが、その都度「尊敬していた社長に

あんな振られ方をされたのだからしょうがない。」と自分に言い訳をつけていた。

しかし、1ヵ月を過ぎたある日、通帳を見たところものすごい勢いで減っていく貯金を見て、

いよいよ俺はデビューを決意した。

「よし、まずは●witter でも開設するか!ユーザー名か、名前何にしよっかな?」

名前というのはある程度考えなければならない。なぜなら、由来を決めておくことでそれだけで

話のネタになり、配信で話すことがなかったら定期的に武器として使うことができるからだ。

5分悩んだ末、結局名前は太閤引水(たいこう いんすい)とした。

名前も決めて、プロフィールも決めた俺はモチベが上がってそのままy●utube上で行うことにした。

「何やろっかな〜、編集したくないしな〜、よしっライブ配信で今流行りの豚おじをしよう!」

豚おじとは豚の上に乗ったおじさんを障害物を避けながら上に進むいわゆる鬼畜ゲーの一種である。

早速その日のうちに取り掛かり、配信の準備もし、サムネも適当に作り、生配信を行った。

しかし、同接最大3人、ゲームは結局振り出しに戻され、初配信はおじさんがおじさんに対してひとりで

文句を言ったり発狂したりする見どころのない実に寂しい配信だった。また、配信に全く慣れておらず、この3時間の配信のなかで自分の名前の話題も10回も出してしまう始末。俺の初配信の結果は散々なものに終わった。

「はぁ、こんなんじゃ社長を見返すどころか生活もできないよ。」

俺はそう考えると悪寒がした。しかしもう引き返せない。なぜなら、会社をクビになった低学歴の俺を雇ってくれる会社はそう多くないからだ。

俺は、配信の事前計画の少なさに原因があると考え、ネタ帳に話のネタをまとめようとした。しかし無職で一ヵ月ほぼ外に出ていないのでネタがなかなか思いつかない。

「社会人生活で何かネタがあったかな?」

そう考えたが何も思いつかなかった。それもそのはず俺は社内では明るく盛り上げるタイプではなく、

仕事に没頭し続けたからである。そうしなければ俺はいくらでも代わりの効く人間になってしまうからだ。

だからこそ社長のあの言葉は嬉しかったし、会社での俺に生きがいを与えてくれた。

「社長尊敬してたのに、、、」と、ぽとりと声が出た。その瞬間俺は一つ恐ろしいアイデアを閃いてしまった。

しかしそれは現在の俺には社長に裏切られたという事実をより強固に体に植え付ける諸刃の剣のようなものであった。しかし、それほど長い時間迷わなかった。社長と戦うと決めたのだ。

「クビになったことをネタにしよう。」俺は一つ深呼吸をし、翌日配信を行った。

最大同接はふえなかったが、配信時間の3時間間が空くことなく喋り続けて終えることができた。

しかしあるもう一つの大きな問題が露呈した。

「俺の豚おじ見どころなさすぎる!」

そう、昨今社会の近代化が進んでいるが、ゲームも例外ではない。グラフィックが綺麗になり、操作方法も

複雑になった今のゲームを仕事に一途だった俺は知るはずもなかった。

「くっそ、俺の強みを活かせるゲームないのかな?」

「俺の強み?あるのかそんなもの?」俺はふと社長の言葉を思い出した。

「そうか!俺の強みって、、、」








〜活動記録〜

チャンネル登録者1人(自分)

最大同接5人

収益0円

配信回数2回

貯金 1200000円

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