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少女サクラの刀剣日記  作者: 小脇 進(こわき すすむ)
第一部【少女サクラ編】
5/5

第4話「とまどった少女」

「えっ?これ?」


サクラは女の子に存在を気づかれた。

じっと見ていたから感づかれたのだろうか。

女の子がサクラの方を見て、目を大きくしている。

ハードカバーの本を閉じていた。



「あなたも読んでるのね」



女の子はサクラの手元の本を見て仲間だと思ったのだろうか。

まゆげは少し垂れて、やさしい表情だった。

うれしそうに、頰を赤らめている。


サクラが話しかけられた瞬間、緊張が走って思考が守りの体勢に入った。

ちょっと考えてからサクラは黙ってうなずく。


少し警戒した。

ぼろが出ないように気をつけて。



「うれしいな」



女の子は自分の仲間を見つけたみたいにうれしくなったのだろう。

心が満たされたような穏やかな表情だった。

サクラは作り笑顔はせずに、ただ素顔でいるようにした。



「私、ハルって言うの。あなたの目ってきれいね」



突然の言葉にサクラは驚いた。

言われたことが無かったからだった。


心が跳ねるような感覚になる。

体は感電してしまったような気になった。


(私の事をそんな風に?)


普段初対面で気にされることでは無い。

目のことを言われたのは初めてだった。


ハルの目がこちらを見ている。

キラキラしてきれい。

その目がサクラの目をきれいと言っていた。


午前の最後の授業は既に始まっていた。


※※※


ハルの話しを聞いている。

サクラはなぜか落ち着いていた。


ハルの目を改めて見ると、本当にキラキラした瞳だった。

心の重りがどいたのか、軽くなった気がする。

清涼感の気持ちになって、癒やしてくれているような気がした。



「あっ、いけない、こんなに話してたら、仮病がバレる」



ハルの一言におもわず笑う。

サクラは口が開いて、歯を見せてしまった。

ハハハと。



「ちょっと、笑わないでよ、マジで焦ってるんだから」


ハルに怒られる。

痛い所を突いてしまったようだった。

ハルはムッとして頰を膨らませる。

まゆもグッと上がって強がっているようだった。


※※※


目線を斜め上に向けた。


壁にかけられた丸い時計を見ると、お昼休みの時間だった。

話に夢中になるとここまで経つのが早いのか。

サクラは思った。


ハルは「帰るね」と言って、手を振った。

友達の証なのか、親しみが込められている気がした。顔の右手の方で、バイバイのサインをしていた。


ハルはドアを開けて振り返った。

バイバイするのがさみしいのか?


ドアの向こうで右手を見せる。

もう一度、サクラに手を振った。


サクラはちょっと私の反応が薄かったのかな?と思ってそのサインを気にした。


※※※


・・・・・・。

ふぅ。


息を吐く。

ため息だった。

楽しかった時間が終わり、疲れた。

また、ふぅと息を吐く。


サクラはカバンから本を取り出し、表紙をめくる。

はさんでいたしおりを始めのページに挿す。

もう一回、最初から読み出した。



【続く】

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