騎士団編のあらすじと登場人物
あらすじ:
グラント王国の象徴である騎士団は腐敗していた。騎士団長であるシックザイルは騎士としての才能はおろか軍団をまとめて戦闘などできる人物ではなく、もっぱらお金にしか興味のない人間だった。彼が、団長に就任後は賄賂や不正が騎士団にはびこり、私腹を肥やし続けいつしかまともな騎士はほとんどいなくなり騎士団は今ではシックザイルの金目当ての取り巻きのような連中が大半となっている。
治安維持の能力の失った騎士団…… 街はリック達兵士の奮闘によって表面上は秩序は保たれているが、王城では王女様は常に命を狙われるなど荒れていた…… 王国の威信を取り戻すため、ちょっと変わった王女様と新設騎士団の戦いがここに始まった。
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※騎士団編主な登場人物
・エルザ(本名:アナスタシア・フレイア・グラント):十六歳
グラント王国の王女様、普段は影武者のリーナを王女として、自身は女性騎士エルザとして行動する。
水色の長いストレートの髪で、青の色の瞳をもち、スラッと高い鼻が特徴的な、上品で綺麗な女性。騎士の白い鎧を颯爽と着こなして外側が黒く内側が赤いマントを付けている。本来は金髪の綺麗な髪をしているが変身魔法によって色を変えている。
影武者のリーナに任せてあまり王族として表にでることがなかったせいで、小さい頃から王族の公務がある時は部屋でじっとしていた。
そのため、幼いころから部屋で本を読んだりしていることが多く、趣味は読書である。色んな書物を読み込むうちに稀有なジャンルに手を出した。特に男と男がまじりあうジャンルが好きな、ちょっと腐…… 変わった王女様である。
愛読書は秘密、特に秘蔵の書物は世に出ると王国の歴史に汚点ができると自身で言っている。芯が強く多少の物事には動じない。また思いついたことはすぐに行動に移し、問題があっても強引に推し進めるところがある。
騎士として剣の腕前はなかなかであるがリックには勝てなかった。二度リックに決闘を申し込んだ際に、なぜか手袋と間違えて自身のパンツを投げつけてしまうちょっとドジなところもある。
自分が本物のアナスタシアであることはリックに伝えており。たびたび痛い言動をするエルザには段々とリックは幻滅しているが、何度か任務を一緒にするうちにリックはアナスタシアとしての憧れではなくエルザとして親しみを覚えていることも事実である。
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・ロバート・バローシュ:二十九歳
貴族出身で騎士団の副団長。金髪で茶色の目をした端正な顔立ちの背の大きな男性。代々一族が王族の護衛担当をしていた居たため、自身もアナスタシア王女が幼少のころから彼女の護衛を担当している。当然エルザがアナスタシア王女であることを知っている。
現在は騎士団とエルザ率いる女性騎士団の二つの副団長を兼務しているが、アナスタシア王女であるエルザがほとんどスノーウォール砦にいるため自身もスノーウォール砦に常駐している。
真面目な性格で思慮深くおとなしい性格である。エルザが強引に物事を推し進めることが多いので苦労が絶えない。最近の悩みはエルザ達が、スノーウォール砦を自達仕様に変更することである……
王女の護衛として戦闘能力は高く、また幼少の頃からの教育により内政能力にも長けている。スノーウォール砦が維持できるのも彼の能力よるところが大きい。若いころに宮廷魔術師として王城に勤務していたイーノフとは友人で、イーノフがジックザイルの策略に陥った時に自らの危険を顧みずに彼を助けた。
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・リーナ・アイゼン:十六歳
金髪でロングヘアの青い目をした美しい女性である。アナスタシア王女の影武者の女性。一部の関係者とリック、ソフィアといった人間を除いて王国民は彼女がアナスタシア王女と思っている。両親が没落した下級貴族でアナスタシア王女と同時期に生まれた、唯一の貴族の女児であり髪色が同じだったために王女の影武者として選定された。
彼女のおかげで両親は王から多額の報酬を受け取り幸せに暮らしているらしい。彼女は生まれてからすぐに王城に影武者として召し抱えられてたので両親にはあったことはない。
生まれた境遇を理解して幼いころから職務に忠実な人間である。エルザが彼女への配慮や感謝を絶やさず接していくれるために、エルザへの忠誠心は高く仲も良い。美しく立ち居振る舞い上品な美女で、実はリックがあこがれて守りたいと思った女性はこちらである。
リックは今でもリーナに会うと緊張するらしい、だが本物の王女であるエルザに会う時は緊張しないらしい。
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【ビーエルナイツ部隊長六人】
・シェリル:十六歳
ビーエルナイツ第一制圧部隊長。
ピンクマントを付けた女性騎士、ビーエルナイツの部隊長達のリーダーである。エルザと同じ年の寄宿学校時代の同級生で学生時代にある共通の趣味で意気投合して卒業後も文通しあう中であった。信用できる仲間がほしいというエルザの依頼に自分の四人の姉妹と従姉妹を連れて来てくれた。
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・リッカ:十九歳。
ビーエルナイツ第一魔法攻撃部隊長。
赤いマントを付けた女性騎士、シェリル四姉妹の長女である。
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・ラミ:十八歳。
ビーエルナイツ第一後方支援部隊長
青いマントを付けた女性騎士、シェリル四姉妹の次女である。
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・バネッサ:十四歳。
ビーエルナイツ第二魔法攻撃部隊長
緑のマントを付けた女性騎士、シェリル四姉妹の四女である。
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・ミーサ:十六歳。
ビーエルナイツ第二後方支援部隊長
紫のマントを付けた女性騎士、シェリルの従姉妹である。
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・ミシェル:十五歳。
ビーエルナイツ第二制圧部隊長
黄色のマントを付けた女性騎士、みーさの妹でシェリルの従姉妹である。
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・ヴァージニア:六十三歳
ロバートの母親で優しそうな老婆である。生まれた時からエルザ(王女アナスタシア)の面倒を見ていて、王宮で孤独を感じることが多かった、エルザの良き相談相手であった。そのためエルザからは実の母以上に慕われており、勇者カズユキの事件の際は、エルザは彼女を助ける為に自ら犠牲になることを選ぶほどである。エルザが読む小説などの趣味は彼女の影響であり、エルザからは師匠と呼ばれている。
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・クロノア・ジックザイル:六十歳
白髪で目が青くシワが多い全体的にたるんだいやらしい顔の老騎士。騎士団の団長であり、貴族によるコネと賄賂による出世制度によって騎士団を腐敗させて張本人である。かつては高名な魔法使いで伝統的な秘術や魔法を受け継ぎ守る優秀な男だった。第四防衛隊のイーノフ師匠であり彼を宮廷魔術師に推挙したのもジックザイルである。
七年前に孫が病気になり悪魔と契約するために王国では、禁止されている孫の魂を別の健康な肉体に移す人体転移術を行う。イーノフはその頃の狂信的な態度についていけず彼の元から去った。
関係者全員が死刑に処される可能性がある人体転移術のもみ消しの為に多額の借金をして賄賂を貴族にばら撒いて、治安維持のトップである騎士団長に就任する。彼が金に執着するのはその時の借金を返すためである。
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勇者カズユキ(本名:キハラ・カズユキ):二十六歳。
異世界から呼ばれた勇者。リック達の世界にやってくる前は地球でニートとして暮らしていた。性格は悪く怒りやすく欲におぼれている。異世界転生の際に神から、高度な魔法や高い身体能力を授かり、さらに訓練などをせずとも、自然に力や魔力が成長していくチート能力を持つ。
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レティーナ王妃:二十四歳。
ローザリア帝国出身の現グラント国王の正妻。アナスタシアの生母ではなく彼女は後妻である。国王との間に男子をもうけるが、グラント王国は長子相続の為、彼女の子供の継承順位はアナスタシアより低い。
自分の子供ができたことでアナスタシアのことが疎ましく感じて、隙あらば亡き者にしようかさくしているとのうわさが絶えない。グラント王国の北にあるローザリア帝国の皇帝の妹で、当時敵対関係にあったグラント王国とローザリア帝国の和睦の為に結婚させられた。
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アレク:五歳
レティーナ王妃と現国王の間に生まれた子供。銀髪の綺麗な顔をした王子。母は第一王位継承権を持つ、アナスタシアを疎んでいるが異母姉弟である彼はアナスタシアを慕っている。
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ヴィガン・ボルヘイレン:三十五歳。
グラント王国北部地域の一番大きい町のホワイトガーデンの町長で、奴隷商人を支援して北部の村を襲わせているとの疑惑がある。
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ヴィーセル・グラント:五十九歳。
王国東の中心都市シーサイドウォールの城主である。先代国王の弟で現国王が彼の甥にあたる。小さい頃から現国王を知ってるため国王の事を軽んじている。その為、反乱を企てているとの噂が絶えない。
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ノゾムラ・ミノル:五十三歳。
異世界から召喚された居酒屋チェーン”月人”の社長。奴隷のように従業員をこき使い、言葉巧みに相手を洗脳しようする人間。王族のヴィーセルを後ろ盾として、文化的侵略をグラント王国にしかけ、ゴーンライトを異世界流に洗脳をしたが、酒を飲まされたゴーンライトに絡まれてボコボコに殴られた。
ちなみに、彼らは異世界でもルールを守らない黒い組織のトップとして有名。ロバートからの執拗な尋問で少し丸くなったとかならないとか……
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アダチ:四十歳
ノゾムラと一緒に異世界からやってきた人間で、リック達の新人研修を担当した。新人研修で過激な言葉を使って、相手を泣かすことで有名社畜製造の専門家。適当な難癖をつけてリック達を洗脳しようとしたが、怒ったメリッサに椅子をぶつけられて気絶し逆にイーノフに虚偽の記録を植え付けられた。ちなみに、彼自身はロバートの尋問に耐え切れず、泣き出し漏らしたらしい。粗相を掃除したヴァージニアに、ママと言ってひっぱたかれさらに泣いたという。
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タナカ:二十八歳
居酒屋チェーン月人本店の店長。リック達に初日から過酷な労働を強いた。
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主任:三十五歳
居酒屋チェーン月人本店のキッチン担当の主任。キッチンを担当していたリックの上司である。
常に疲れた表情で元気なく働く。部下に休憩をとらせず。仕事はお客様が帰るまでが当たり前の人間。彼はノゾムラからの過酷な扱いから奴隷だと勘違いされビーエルナイツから保護されそうになった。また、あまりの疲れた表情にロバートでさえ尋問をためらったという。
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・クロサキ・ヤスオ:二十歳
自らをクロヤスと呼んでくれという異世界人。身長がイーノフくらいに低く、眼鏡をかけた鼻の低いどこか冴えない男。青い布のフード付きパーカーに、七分丈のズボンを履いて、派手なスニーカーを履いている。異世界から水や食料を呼び寄せることで魔物を手名付けている。
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騎士のたしなみ(ビーエルナイツ用)
※ビーイングエルザ騎士団:通称ビーエルナイツ
エルザが団長になり作った王国新設の騎士団である。女性中心であるが条件があえば男性も騎士になれる。現在はスノーウォール砦に常駐している。六つの部隊がありそれぞれに部隊長がおり、彼女たちは南地方のレッドマウンドという町の一族である。また、部隊長の六人はそれぞれの特性によってリック達から訓練を受けた。容姿は同族であるためそっくりで、みんな褐色の肌で目が黄色で白く長い髪を後ろで結んでいる。また、胸も全員巨乳である。
六人はエルザと同じ趣味の持ち主…… ビーエルナイツにより王国の歴史が少しずつ動きだすのであった。
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スノーウォール砦(ビーエルナイツの本拠地)
王国の北にある雪原の、小さい山の山頂に立つ砦。雪原にオークが住んでいてた時代にオークの侵攻を止めるために建てられた砦である。十年前にオークが内乱によって滅びた後はの予算削減の為に放棄されて以降は使用されていなかった。金脈の独占を企むジックザイルの策略により、生み出されたオークの出現によって再建されることになった。
ジックザイルが作り出したオークの襲撃を受けて占領直前までいったが、リック達と北の町ホワイトガーデン防衛隊とビーエルナイツ連合軍がオークの撃退に成功。以後はビーエルナイツが拠点として使用している。
石造りの荘厳な砦であったが、ビーエルナイツが常駐後は壁はほんのりとピンクに塗装されて大人気小説の聖魔騎士大戦の絵が城壁に書かれた。また、内部も謁見の間に絵が飾られたり大量の書物が運び込まれたりしているらしい。
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・聖魔騎士大戦カードゲーム
聖剣エックスと魔剣ブラディが対決する小説の中の戦いをモチーフにしたカードゲームである。
少し前に流行ったカードゲームであり、王都でこのカードを、売っている店はもうほとんどない。田舎の道具屋でたまにみかけるくらいである。なぜか、ポロンがいたウッドランド村では子供たちに流行っている。カード一枚は安く子供のお小遣いで買えるくらいの値段である。エルザはポロンを使って大量に購入していたが、だいたいの人は道具屋や雑貨屋でカードを一枚ずつ購入している。
ルール:集めたカードで聖剣軍、もしくは魔剣軍を結成して戦う。カードはお互いに四十枚で始まる前にはシャッフルする。聖剣軍対聖剣軍なども可能である。なお、作中でリックとポロンが魔剣軍と聖剣軍に分かれて対決してるのは、ポロンがプッコマ隊長と暮らしていたころに、魔剣軍カードと聖剣軍カードの両方をねだって勝ってもらっているからである。ほとんどの人は魔剣軍か聖剣軍どちらかのカードしか購入していない。ちなみに、エルザ達ビーエルナイツは魔剣派と聖剣派で別れているらしく、普段は仲いいがいったんどっちが好みか議論が始まると白熱し時には口をきかないくらいの喧嘩に発展する。カードは人物カードと魔法やアイテムなどの特殊カードに別れている。