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第159話 影響を受けやすい人

 昨日と同様にリック達は、早朝からシーサイドウォールの町にある、ノゾムーン本店で働いていた。ただ、今日は昨日と違い、開店から来るのは女性客が大半で満席となっていた。この客たちはエルザが率いる騎士団ビーエルナイツの面々だ。

 

「ゴーンライトさん。たこわさとししゃも焼きとつくね三種をお願いします」

「はい。かしこまりー!!」

「「キャーーー!!」」


 なぜか客達はゴーンライトとイーノフが、注文をつたえる会話をすると目を輝かしていた。昨日よりも盛況なせいでリックの近くでは主任も一緒に働いている。しばらくすると、出来た料理を置く、カウンター越しにメリッサがリックとゴーンライトに小声で話しかけてきた。


「リック、ゴーンライト。エルザさん達が来たよ」

「あっはい!」

「あと! リック! ポロンがあたしの格好を見て笑ったからあんた後で覚えときなよ!」

「えっ!? なんで?」

「あんたがちゃんと教育しないからでしょうが!」

「そんな……」


 メリッサはポロンに嫌われたくないため、直接ポロンに怒らず、リックに八つ当たりする。リックは月人で理不尽な扱いを受けているが、第四防衛隊も同じような時もある。


「はぁ……」


 カウンターから見え隙間からリックが店内を覗く、キッチンから見える位置にエルザとロバートとリーナとポロンの四人が座っていた。

 エルザ達はいつもの格好ではなく、以前のお忍びでバザー行った時と同じ格好だった。エルザは皮のズボンに帽子をかぶり、白いシャツ姿だ。彼女は長い髪を帽子に入れ男のような姿だ。ロバートは革鎧と革手袋にすね当の軽装の冒険者みたいな恰好だ。リーナは赤いロングスカートに白いシャツの上から茶色のコルセットをつけ、頭にはスカーフを巻いて髪を金色から薄い緑色にかえていた。

 ポロンは休日によく着ている、プッコマ隊長が買ってくれたという、お気に入りの緑色のワンピースを着ている。


「ポテトフライが食べたいのだ!!」

「わかったわ。リーナ。注文をしてちょうだい」

「はい。かしこまりました」


 席につくと大きな声でポロンが、ポテトフライが食べたいと叫ぶ。むかいに座ったエルザがポロンに答えている。その様子をリックは心配そうに見つめている。


「もう…… 違うでしょ!? 仕事でポロンはきたんだよ…… でも…… 待ってね。いま作ってあげるから……」


 文句を言いながらもフライヤーの前に行き、注文がまだ届いてないポロンのポテトフライを上げるリックだった。


「キャーキャー! イーノフさん! ここに少し座って!」

「いえ…… 勤務中ですから」

「えぇ。いいじゃんちょっとくらい」

「エルザさん!」


 リックの耳にエルザのはしゃぐ声が届く。エルザはロバートの隣にイーノフを座らせようとしてリーナに注意されている。身の危険を感じたイーノフは離れようとするがすぐにエルザに呼ばれる。メリッサとソフィアは忙しくてイーノフの相手までできない。


「なにを…… いや、あれは周りのビーエルナイツ達がわざとソフィア達を呼び止めてるのか!? こんなところでよく訓練された動きを見せないでくださいよ……」


 カウンター越しに店内を見たリックがあきれたようすでつぶやく。そうイーノフをロバートの側に、置こうと周りの客が協力していたのだ。


「ねぇねぇ! イーノフさん! 早くロバートの横に座ってよ!」

「おっお客様!? だから僕は勤務中なんで」

「えっ!? 大丈夫よ! 私達お金ならあるから! リス耳もつけて!」

「ひぃ! メッメリッサー! 助けてー!」


 エルザがテーブルの上に、ドンっと金貨袋を置き、イーノフさんに笑顔を向けていた。いい加減、度が過ぎたのかロバートがエルザを止める。


「こら! エルザ! もうやめなさい!」

「何よ!? いいじゃないちょっとくらい」

「ちょっとじゃないでしょうが!!!」


 エルザとロバートのやり取りを、リーナさんは困った顔で見ていた。ポロンはリーナ達とご飯を食べてて楽しそうだ。リックの視線がポロンの隣に座るリーナに向かう。彼はリーナが来るなんて思っていなかったので少しうれしかった。


「でも、やっぱりリーナさんは上品だな。特にキャーキャー騒いでる隣の人と比べると…… エルザさんの方が本物の王女なのになぁ…… あっ!!」


 リーナとリックの目があった。リーナは優しく微笑みリックに向かって手を振った。リックもリーナに手を振り返す。


「うーん。やっぱり、リーナさんは何を着てもかわいいな」

「聞こえてますよ!」

「うわ! ソフィア!? ちっ違うよ!」


 料理を持って行こうとしていた、ソフィアにリックは独り言を聞かれたのだった。


「やっぱり私じゃなくてリーナさんの方がいいんですね?!」

「違うって……」


 料理を置いたカウンターの端から、目だけ出してソフィアはリックをジッと見てる。


「本当に違うって!」


 身をかがめリックは、必死に手を伸ばして、スッとソフィアの頭を撫でた。


「俺はソフィアが一番だよ」

「リック?」


 目を見開いて驚いた表情をするソフィア、リックはそのままずっと頭を撫で続けた。やがてソフィアは気持ちよさそうに目を閉じた。ソフィアの機嫌が直ったようだ。リックはホッと安堵するのだった。


「こらーー! ちげーよ! そうじゃねえよ!」

「ちげーのだ!」

「そうですわ! 違います! リック様! なんてことをしてるんですか! ポロンちゃんの前で!」

「ポロン? エルザさん? なんでリーナさんまで!」


 エルザさん達が立ち上がり、キッチンにまで入り込みリック達を睨みつけてる。


「動くな! 我々はグラント王国のビーエルナイツだ! この店に奴隷使役の疑いがかかってる。これから調査させてもらう」


 ロバートが叫ぶと同時に座っていた客が一斉に立ち上がった。彼女らは、手荷物のバスケットや鞄に隠していた、短剣や縄を持って店内に散っていく。階段を上がる音が響き、三階へも素早くビーエルナイツは展開した。

 さっきまでキャーキャー騒いでた、彼女らが号令一つで動き出した。リックは素早さと練度の高さに感心するのだった。


「なっなんですか? 僕たちは働かないと……」


 主任がロバートに食って掛かってる。文句を言いながらも、手は動かしているのはさすがだ。


「話は後で聞くからね。手を止めなさい!」


 両脇をビーエルナイツ達に掴まれ、諭されながら主任は連行されていく。リックとゴーンライトも、キッチンを出て、メリッサ達と合流した。集合した第四防衛隊に、ビーエルナイツが何やら相談していたエルザが近づいて来た。


「第四防衛隊の皆さんも私と一緒に来てもらえませんか?」

「どうしたんだい?」

「三階の部屋にノゾムラが立てこまったですの」

「わかったよ。みんな準備しな!」

「はい!」


 リック達は魔法道具箱にしまっていた、武器を取り出して三階のノゾムラの部屋に向かうのだった。

 ノゾムラの部屋の前ではビーエルナイツが扉を叩いて中へ呼びかけいた。


「後はあたしらにまかせな」


 メリッサがビーエルナイツの肩に手をかけ、下がるように指示し、ドアの前に立った。彼女の近くでリック達は武器を構える。


「さぁ! みんな、準備はいいかい?」

「大丈夫だよ。メリッサ!」

「あたしが、扉を開けたらゴーンライトが先頭で飛び込んでイーノフとソフィアは左右に展開。あたしとポロンで飛びかかって一気にノゾムラを逮捕する。リックは後ろにいて反撃があったら前にでな」

「はい!」


 リックは指示通り下がって、皆の後ろにまわり突撃を待った。目でメリッサがリック達に合図をし、足を大きく前にだしドアを蹴りあげた。蹴られたドアは音を立て勢いよく開いた。


「さぁ! 行くよ!」


 蹴りだした足を上げたまま、リック達に指示を出すメリッサ。彼女の足の横をすり抜けて、ゴーンライトが最初に部屋に飛び込む。続いてソフィアとイーノフが飛び込み、メリッサとポロンも部屋に相次いで突入していった。


「くっ! なんだねあなた達は…… そうかやはりあなた達は…… クソおおお!!」


 部屋に皆が突入した直後に、廊下にノゾムラの大きな声が響く。


「観念しな! なっ!? あんた」

「何してるのだ!」


 メリッサとポロンが何かに驚いているようだ。リックは慌てて最後に部屋に飛び込む。


「えぇ!? ちょっと!? 何やってるんですか!?


 リックが部屋に入ってみた光景は、両手に盾を持った何者かがノゾムラの前に立って、ポロンのハンマーとメリッサの槍を受け止めている光景だった。


「ゴーンライト! あんた! 何を?」

「そうなのだ! 邪魔しちゃダメなのだ! ポーンライトさん!」

「……」


 二人の攻撃を受け止めたのはゴーンライトだった。下を向きゴーンライトは黙っている。ポロンとメリッサの二人は、攻撃をやめて少し距離を取る。


「はっはっは! よくやりました。ゴーンライトさん」

「なっ!? ノゾムラ! お前はゴーンライトさんに何をしたんだ!?」


 ノゾムラが手を叩きながら、嬉しそうにゴーンライトを褒めている。


「いいですか。ゴーンライトさん! すべてはお客様の為にですよ」

「はい! 僕は身を粉にして…… 月人の為に尽くしたいと思います!」

「そうですよ。あなたの本当の価値がわかっているのは月人だけですよ」


 うつろな目でゆっくりフラフラと動きながら、ノゾムラをかばうようにしてゴーンライトが立つ。ゴーンライトはリック達と対峙し両手に盾を構える。


「ゴーンライトさんが私達に向かってきます」

「ソフィア。違うよ。あれはノゾムラに操られているんだ。幻惑魔法にかかった人と同じ症状だ」


 イーノフがゴーンライトを見ながら叫ぶ。リックはゴーンライトを見つめイーノフの言葉にうなずく、見たことあるゴーンライトのうつろな目は、幻惑魔法にかかった人と同じだった。メリッサはゴーンライトを見て首を横に振った。


「もう…… リック! あんた一緒に働いていてゴーンライトに変なことなかったかい?」

「そういえば…… 昨日から何回かノゾムラに連れて行かれて二人で会話してましたけど……」

「それだ! きっとその時に何かをされたんだ」

「まったく…… 影響されやすいんだから! よーし、目を覚ましてやる」


 何かを思いついたメリッサが、ソフィアに耳打ちをし、ポロンを連れて部屋を出ていった。


「さぁいけ! ゴーンライトさん」

「はい! すべては月人の為に!」


 ノゾムラがリックを指し、ゴーンライトに号令をかける。リックに向かってゴーンライトが、右手に持った盾を前に出し、突っ込んでくる。


「おっ! ちょうどいいや! リック! あんた少しゴーンライトの相手してなよ」

「えっ!? はっ?! ちょっと!」


 メリッサが扉から顔をだしリックに指示を出した。


「もう……」


 リックは前に出て剣先を下にして構えた。とりあえず、リックは殴りかかって来た、ゴーンライトにタイミングを合わせ、剣を振り上げる。大きな音がノゾムラの部屋に響きリックの右腕に重い感触が伝わりしびれる。


「さすがに硬いか。倒れてくれると思ったんだけど……」


 ゴーンライトは盾でリックの剣を受け止めた。突っ込んでくる動きは止まるが、彼はほとんどダメージは受けていなかった。


「もう! 面倒だな!」


 盾を前にだしたまま、ゴーンライトは前に出て、リックを押し込んで来た。リックは両手で剣を持つと盾を押し返した。ゴーンライトとリックが押し合いをしてると入り口にポロンが来るのが見えた。


「うん?」


 ポロンが手に何かを持って、部屋に戻って来てイーノフに渡していた。液体が入った茶色の瓶のようだ。イーノフは瓶の蓋を素早く開ける。


「ちょっと! メリッサさん! 何してるんですか!」

「待ってなよ! ほら! ポロン! ゴーンライトをドカーンだよ!」

「わかったのだ!」


 今度はポロンがハンマーを構え、リックの逆側からゴーンライトに殴りかかった。左手に持った盾を、ポロンに向けたゴーンライトは、彼女の攻撃を受け止めた。さすがに両手盾使いだけあって、ゴーンライトはリックやポロンの攻撃を難なく受け止める。


「かかったね! イーノフ。行くよ」


 両手を広げたゴーンライトの、後ろに素早くメリッサが、回り込み羽交い絞めにした。慌てた顔をするゴーンライトの前に、イーノフが瓶の口の辺りと尻を持って立つ。


「でも、本当にいいのかい? メリッサ……」

「大丈夫だよ! ほらやっちゃいな!」

「何するんだ! やめろー!」


 少し躊躇したが、イーノフはメリッサに言われ、ゴーンライトの口に瓶を突っ込む。


「グゴォ! ゴボォ! くっくそ! 月人の繁栄とお客様のため! 私は…… この身を捧げるんだーーーー!!!」


 口から瓶を吐き出し、今度はゴーンライトが叫んで口を閉じてしまった。


「リック! ゴーンライトの鼻を閉じて口を開かせろ!」

「えっ!? はい! ごめんなさい。ゴーンライトさん!」


 リックはゴーンライトの鼻をつまんで口を押え無理矢理あけさせた。開いた口にイーノフがまた瓶を突っ込んだ。ごぼごぼとして瓶の液体がゴーンライトに注がれていく。周囲に漂う匂いからリックは瓶の中にある液体が酒だと確信する。酒を一瓶飲み干したゴーンライトはボーっと立つのだった。


「ほら! みんなすぐに部屋から出るよ」

「えっ!? だって? ノゾムラが…… まだ!」

「大丈夫、二人っきりの方が面白いよ!」


 にやりと笑ってリックに指示を出すメリッサ。何が面白いのかわからないが、リックはメリッサの指示に従う。リック達はノゾムラとゴーンライトさんを残して部屋から出ていった。外に出るとエルザがリックとイーノフさんを見て悔しそうな顔をしていた。


「あーん! イーノフさんとリックがゴーンライトさんを責めるところもっと見たかったのに!」

「何ですか!? また、何を訳のわからないことを」


 悔しそうに叫びながら、リックとイーノフを交互に見る、エルザに嫌そうな顔をするリックだった。


「ほら、リック! あんたも手伝いな!」

「えっ!? はい!」


 メリッサは自身が蹴り破った、ノゾムラの部屋の扉を戻し、必死に押さえていた。中から誰かが扉を開けようと必死に引っ張っているようだ。ドアはさっきメリッサが蹴った衝撃で、引っ張ると少しゆがんでいてガタガタと揺れている。リックは慌ててメリッサと一緒にドアを押さえる。


「たっ頼む! 開けてくれーー! ぎゃーーー!」

「にげんなー! てめー! ふぎゃーーー! ばきゃやらう! ばばばーーー!」


 ノゾムラの悲鳴とゴーンライトさんの罵声がリックの耳に届く。罵声が終わり、次にガンガンと盾が打ち付けられる音が響く。ゴーンライトはメリッサとは別の意味で酒癖が悪いようだ。


「えっ!? なに? この声、まさかゴーンライトさんが攻めてるの!? ちょっと!? 何してるのよ! リックどいて! 中を見せて!」


 ゴーンライトの罵声を聞いた、エルザが興奮気味にリックの元へやって来る。扉を押さえながらリックは、彼女の提案を願いを拒否する。


「ダメですよ! 外に出てきたらめんどくさいじゃないですか」

「何よ。その時はリックかイーノフさんが受け止めてあげればいいじゃない」

「いやいや意味がわからないですよ! とにかく邪魔だから向こうに行っててください」

「ぶぅぅぅぅ」


 エルザは不服そうに頬を膨らませて引き下がる。さすがに任務と趣味を天秤にかけ、趣味を優先するほど落ちぶれてはないようだ。

 しばらくノゾムラの悲鳴と、ゴーンライトの盾が何かを叩く音と彼の罵声が響き。メリッサは笑いながら扉を押さえている。少し離れた場所でビーエルナイツと、エルザはなぜかワクワクした顔をしている。


「終わったみたいだね。イーノフ! 桶に水を汲んできな」

「わかったよ」


 音が静かになった。メリッサはイーノフに桶に水を汲んでくるように指示し、て彼がもどってくるとゆっくりと扉を開けた。中には肩で息をしてるゴーンライトとスーツが破れ頭にたんこぶがいくつもできているノゾムラが倒れていた。ゴーンライトはかなり暴れたのだろう、部屋は書類が散乱して机も窓も壊され壁にはヒビが入っている。


「あぁ!? お前ら! なんだぁ!?」


 入り口に顔を向けたゴーンライトが怒りだした。メリッサは冷静に笑って、両手に持った桶を彼に向けた。


「はい、お疲れさん!」

「ひぇぇぇ!」


 メリッサが桶の水をゴーンライトにかけた。急に水をかけられたゴーンライトは悲鳴をあげる座り込んだ。ビショビショになって彼は座ってうつむいている。リック達はゴーンライトの様子を黙って見つめている。


「はっ! メリッサさん? ぼっ僕は!? なんか頭が痛いです」


 すぐに急に顔を上げて辺りを、キョロキョロと見渡し、ゴーンライトは頭を押さえていた。


「よくやったね。あんた! ノゾムラを逮捕したよ!」

「えっ!? はっはい!」


 ゴーンライトの肩をだき、軽く胸を拳でついたメリッサ。ゴーンライトは頭を痛そうに押さえながら笑っている。彼女はゴーンライトの酒癖の悪さを利用し、ノゾムラを倒してついでに洗脳も解いたのだ。


「チっ! 惜しいわ。ゴーンライトさん! これ美味しいわよ」

「美味しいですよ」

「こら! やめてください」


 エルザ達が元に戻った、ゴーンライトを残念がり、また酒をすすめリックに止められていた。見かねたロバートにエルザは注意される。


「こら。エルザ! 早くノゾムラの部屋の捜索をしないか!」

「えぇ!? ちょっとくらい良いじゃない」

「ダメです」

「はいはい…… 仕事すればいいんでしょ。はぁ…… ほらみんなこの部屋でシーサイドウォール城主ヴィーセルとの関係をしめす証拠を探すのよ」


 エルザ達はゴーンライトから渋々離れ、ノゾムラの部屋の捜索を開始した。捕まえたノゾムラと異世界人達はロバートさんが連行していた。異世界人はどれくらい耐えられるのかな、尋問するのが楽しみだという不穏な言葉を残して……

 

「あれ!? もしかしてビーエルナイツにはリーナさん以外はまともな人いないのか……」


 リックはノゾムラを連れて行くロバートの背中を見てつぶやくのだった。エルザ達の捜索が終わるまで、店舗で待機するリック達、彼らはその間に服を兵士の軽装に変える。任務はまだ終わりではなく、エルザがヴィーセルとノゾムラとの関係の証拠を押さえたら、シーサイドウォールの城へと攻め込むのだ。

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