勇者編のあらすじと登場人物
あらすじ:
王国民は十歳になると、教会から派遣された神官により、勇者の適性を調べられる。勇者の才能を見出されたものは、勇者村と言われる村に強制移住させられ、勇者としての訓練をする。訓練が完了したら魔王討伐の旅へ出され。旅に出た勇者達は、かつて王国一と言われた勇者アレックスの旅をなぞり、才能を磨きながら過酷な魔王を討伐の旅をする。
アイリスはアレックスをはるかに超えるS1級の才能を持つ勇者。魔王討伐を目指して今日も奮闘する。
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※勇者と仲間達
アイリス・ノーム:十六歳
主人公リックの幼馴染で、最高レベルのS1級の才能を持つ勇者。
緑の長く先端が巻かれた、少し特徴的な髪とプニっとしたほっぺたに黒い瞳をした、女性のような男性で、かぎりなく女性に近い男勇者という存在である。服装は丈夫そうな布の青い上着と、同じ色の短いスカートに黒のタイツに腰にはチャクラムつけている。本来の性別は男だが、本人は自分の本当の性別は女性だと思っている。リックは幼馴染で気にしていないが、女性としてみてもかなりかわいい部類に入る見た目をしている。
意思が強く人助けが好きな優しい性格であるが、男女関係についてはわがままなことを言うことがある。また、幼馴染のリックのことが大好きで魔王を倒す理由が世界平和ではなく、倒して神様にお願いしてリックと結婚することが魔王討伐をする理由である。
その為、魔物を倒すことを重要視せず、敵であっても本人が反省すれば受け入れて見逃すという少々甘い面がある。旅を始めたころは、装飾用の短剣で王都までやってきたが、現在は金属の輪を投げて攻撃するチャクラムを使う。
リックにとっては同じ村にいたころに、一緒に遊んだ幼馴染の友達でそれ以上の感情はないが、アイリスは昔からリックのことが大好き。
その為リックに近づく女の子は嫌い。ソフィアのことを化け乳と言って目の敵にしていたが、仲間の命を助けられてたり、徐々に打ち解けてきている。
小さい頃から勇者の才能があったためリックとの戦いごっこのルールを負けた方の言うことを聞くことに変えて、リックにキスとか服を脱げとか段々と過酷な要求をしていた。リックにキスと服脱げからは逃げられたが、結婚式ごっこをさせることに成功し、愛を誓わせた今でもあれはリックの本気の告白だと勝手に信じている。
なお、彼の仲間は王様に男だらけのパーティを希望したが却下されて、王様があてがった子種目当ての女ばかりにパーティはギスギスするからと自ら拒否をした。その後に行った冒険者ギルドでは育成目的で少年(冒険者編の主人公タンタン)を無理矢理仲間にしようとして追い出されため人間の仲間はまだいない。
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・スラムン:三十歳
アイリスの最初の旅の仲間で、かつては魔王軍に所属していたスライム。(魔王軍リンドブル洋攻略大隊第二スライム兵団の二等兵)しかし、人間との戦いに疑問を持ち人間と友達になりたくて魔王軍を抜け出した。以後、野良の魔物の生存競争を生き抜いた強力なスライムである。
王都から次の町に行く途中にアイリスと戦闘になり、強力な魔法でアイリスを倒して立ち上がった彼が、仲間になりたそうだったので仲間にする心の広さを持つ。アイリスを仲間にした後は彼の頭の上によく乗っている。
魔法を使える上に、柔らかい自分の体の形状を変える、トリッキーな攻撃をしたりする。さらに、知識や経験が豊富なパーティの頼りになるリーダーである。
スラムンはアイリスの才能を認めており、彼の優しい心にも惹かれているため魔王討伐という彼の目標にも協力している。人間の言葉を理解して語尾にズラを付ける。
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・キラ君:年齢不明、死後十年程度。
アイリスが旅の途中でよった、屋敷のお墓にたたずんでいた、キラーデッドマンという魔物。死後時間が経っているためところどころ腐っている。犬のように早く恐ろしく身体能力が高い魔物で、怪力を生かして素手で敵を殴って攻撃する。歯でのかみつき攻撃もできるが顎の部分の腐敗が激しく噛む力はあまりない。
近くに落ちていた肖像画がイケメンだったという理由で無理矢理アイリスが連れて回している仲間である。おそらくイケメンであるため魔王を倒して呪いを解いて、生き返らせていうことを聞かせようというアイリスの野望の犠牲者である。スラムン曰く魔王様をも超える下衆な考えらしい。以前は賢さが低く定期的にスラムンの魔法で賢さ上げないとスラムンやアイリスを捕食しようとしていたが、現在は賢さをあげる知恵のピアスというアイテムをてに入れて装備しているため大丈夫である。
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・タカクラ君。養殖されて三年目
ザパパン村で養殖されていたクラーケン。本来なら初戦闘儀式にてアイリスに倒されるはずだったが、情が湧いたアイリスに助けられて一緒に旅をすることになった。彼のパーティでの役目は船を引っ張ること。戦闘は可能だが、養殖されていたクラーケンのため闘争心に欠けあまり得意ではない。触腕を振り回して攻撃するが、たまに間違えて自分の手を叩いてしまう不器用なところがある。
ただし、大きな体をしているためそれだけで魔物よけになってアイリス達が船上で魔物に襲われることは少ない。
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・ロン君・ファン君
牙の生えたウサギの魔物ロングファングラビットの親子。王都で男に虐待されているところをアイリスが購入した。
肉食獣に対抗するために牙を生やしただけの魔物の為、一緒に寝るとふかふかして気持ちいい。
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・アレックス・グーズマノフ:享年十八歳
メリッサの亡くなった夫であり、王国歴代最強の勇者といわれる。魔王との闘いで命を落とした。彼の死によって、絶望を味わった王国は勇者を徴収して才能のあるものには手厚いサポートを行うようになった。王国の勇者は彼の旅の模倣をして魔王討伐を目指している。
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・ブッシャー:千五十五歳
先々代の魔王で、八百年前に退位した。退位後は魔界南部にある田舎に帰って農場や牧場などの経営をしていた。
現役の頃は魔王軍を率いてエルフの里を攻撃したり、世界中の人間や種族に喧嘩をうった。いかれた魔界南部出身の魔王と言われる偉大な魔王だった。
三百年ほど前に人間の子供を拾い、魔界から人間界にやってきたその子を育てて、初代リブルランドの国王にするなど子育てはうまい。ジオールの罠にはまり魔王としての力を封じられて、アイリスに協力を依頼した。
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※魔王軍
・ジェーン・グーズマノフ:二十二歳
アレックスの妹で、アレックスと共に魔王に戦いを挑んだ女性。メリッサとは義妹という関係である。高い身長が大きくスレンダーな体形の真っ青な髪をしている化粧でタレ目を強制してメリッサに似せた顔をしている。黒い皮素材の腹が出た露出の多い恰好にマントをつけている。
勇者アレックスの妹だが、魔王との王都に援助を依頼したが騎士団と防衛隊が援助をできずに兄を魔王に殺された。その為、王国に恨みを持ち特に当時すでに防衛隊にいたメリッサに対しての恨みは激しい。
現在はアレックスや自分たちを見殺しにした王国を裏切り魔王軍、四邪神将軍の一人で混沌女神となってアイリスに襲い掛かってくる。魔王軍グラント王国侵攻担当、
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・エミリオ:十六歳
金の力で勇者となった青年。アイリスに強烈な嫉妬心を持っている。王家の墓にてデッドマンキングと融合し、リックとスラムンに倒されとどめをさす直前にジェーンによって連れ去れ以後はジェーンの配下となりアイリスの前に立ちはだかる。
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・ジオール:五百二十五歳
魔王軍四邪神将軍の一人。世界の海を支配するために派遣されている。疾病魔人の異名を持つ。体内で毒素を含む雨雲を生成し人間を病魔へと誘う。
体は緑色で上半身が盛り上がり足も太く、二階建ての建物とかわらない大きさを人型の魔物。顔は二本の角を生やし、口は耳までさけて牙が、上下に二本ずつでて目が鋭く細い醜い。
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・モンドクス:三百四十二歳
魔王軍四邪神将軍の一人。ドレリア大陸侵攻担当。背信侯爵の異名を持つ。知略にたけた青い大剣を振るう剣士。
長い白髪に高い鼻の下に大きな三日月のような白い髭を生やし、目が大きく粗暴な雰囲気を持つ人型の魔物。襟の大きい黒い裾が地面に着きそうな長いコートを羽織り、コートの中は動きやすそうな。ズボンに黒の綺麗な上等な貴族が着るような服を身に着けている。
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・クロコアイバーソン:千二百三十九歳
四邪神将軍の一人で魔王警護担当。騒乱大王の異名を持つ。赤色の鱗に覆われたワニ型人間。身長は二メートルで、筋骨隆々のがっしりとした体格の、巨大な斧を振るう戦士。
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※勇者編基礎知識
・勇者格付け制度
伝説の勇者アレックスが魔王との戦いによって、命を落とした原因を自分たちのサポートが不足していたと感じたグラント王国が生み出した制度である。グラント王国民は十歳になったら必ず勇者の才能があるかどうか神官から判定を受けなければならない。
判定によって勇者となったものは、勇者村に行って訓練を受けて勇者として魔王討伐に向かわねばならない。
勇者はその秘めたる才能によって格付けを決める。才能はランクは上から、S1、S2、S3、A1、A2、A3の6段階。ランクが高く才能の豊富なものがより魔王討伐をスムーズに進むように王国からのサポートがある。
サポートが違いは主なのは以下の通り。
・初期に王様からもらうお金がA3が100だとするとS1は10000と言った具合に差がつけられる。
・S級以上の勇者は初期の仲間が最初から中級クラスの強さの者が派遣される。A級は自己調達である。
・船のランクがA格付けの場合は小舟でS以降は豪華な帆船になる。
・同じ店売りの物でも値段が割引の比率が変わる。もちろんS1級の勇者の方が安く買える。
・カジノでの当たる確率がA3よりS1級の方が当たる確率が高い。
なお、A1~A3は人数は多いが、勇者としての才能や能力は低く、彼らが魔王討伐に成功する可能性はほぼない。A級勇者の役割は主に未知の遺跡やダンジョンの探索や、レベルの高い魔物が勇者を出せと、脅してきた場合に派遣される人柱である。
S3以降は人数が極端に減り、S3で各町に毎年1人いるかいないかくらいである。なかでも、S1の才能保持者が現れる確率は低く、現れるのは百年に一人現れるか現れないかの確率と言われる。