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放課後×パーティー ~ サークル活動から始める異世界生活 ~  作者: 油布 浩明
第11話 一度きりの女の子
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いざ、戦闘へ

   ※ ※ ※


 僕らは新海先輩のマンションにちょっとだけ立ち寄った。そこではサークル顧問の桝谷先生が、勝手に上がり込んでマンガを読んでいた。


 鍵は持っていないはずだけど、先生には関係なかった。


 先生は勇者ラフロイの生まれ変わりだ。世界最高の魔法使いで、戦士、勇者、賢者。レベルマックス。つまり、ほとんど無敵だった。先生の魔法なら、どこにでも侵入できる。

 新海先輩も、そんなことはぜんぜん気にしない人だった。ある意味、先生よりも大物だ。先生はマンガを置いて、ソファーから体を起こした。


「やあ、お帰り。楽しんできたかい」


「そんなことより、急にドラゴン退治をすることになったんや。お酒と料理を置いとくから、一人で大人しくしとるんやで」


 ドラゴンと聞いて、先生はぴくりと反応した。

「何か、手伝おうか」


「隠密行動に先生を連れて行くくらいなら、戦車で空き巣に入った方がマシや。まあ一応、見守っててや。間違ってもパンツ姿で乱入するんやないで」


「失礼だな。僕がそんなこと、するはずないじゃないか」


 僕は思わず、うげっという声を漏らしてしまった。


 忘れたんですか。ほんの一週間前にブリーフ姿で王宮に乱入したじゃないですか。その面の皮は鋼鉄ですか。それとも新開発の超合金か何かですか。


「まあまあ。女の子の姿で、そんなに汚い言葉を吐くもんじゃないよ。綺麗な顔が台無しだ」

 先生はすくっと立ち上がり近づくと、いきなり僕のお尻をさわった。


「うわっ、わわ。何するんです」


「御子神くんがあんまり綺麗だから、確かめてみたんだ。良かった。お尻まで女の子になってたら、どうしようかと思ったよ」


 そんなこと、さわる理由になってません。それ以前に、意味がわかりません。


「胸の方はどうかな」


「アホたれ、何しとんのや」

 会長がスリッパで、先生の頭を殴った。びっくりするくらい、いい音がする。


「時間がもったいないから、さっさと行くで。真凛、御子神くんのメイクを落として男の子に戻してやるんや。うちが貸したドレスは、そのままたたんでおけばええ。手入れは、王宮に出入りしとる職人がやってくれる」


 僕の女装体験は、それでおしまいだった。

 なんだか名残惜しい気がしたのは内緒だ。絶対に気づかれないようにしよう。僕は強く心に誓った。


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