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ロリババア神様の力で異世界転移  作者:
第3章 日常
107/199

95話 表彰式 2





「ここに居並ぶ諸君等は先のベルガス反乱の際、攻撃を受けたペンドラゴにて反乱軍を退けた強者達だ。

孤立無縁の状況に置かれながらも、反乱軍の攻撃を防ぎきった者。

倍以上の反乱軍に奇襲されても尚、それを蹴散らし支える主人の元へ駆けつけた者。

この中の1人でも欠けておれば、この国の未来はなかったやも知れぬ。 今一度礼を言わせてくれ。

ペンドラゴを‥‥‥ ラルキア王国を救ってくれてありがとう」

「「「「「勿体なきお言葉!」」」」」

「「「「も、勿体なきお言葉!」」」」


薔薇の甘く、うっとりしてしまう優しい香りが俺達を包み込む。

そんな甘美な空間の中、ゼルベル陛下の感謝の言葉を聞いたラミラを始めラルキア王国軍の面々はザッ! っと、再度跪き声を張り上げた。


余りの迫力に俺やセシル、マリア達は面食らいワンテンポ遅れながらも軍の面々と同じ様に跪き、声を張り上げる。


「うむ。そしてミカド・サイオンジとその仲間の少女達よ。お主等のお陰で私やユリアナ、ギルバード‥‥‥ そしてローズは命を救われた。 感謝しても足りないくらいだ」

「い、いえ! 俺‥‥‥ じゃなかった‥‥‥私達は当然の事をしたまでです!」

「力と強き意思が無い者はその当然の事をしようと思っても出来ぬ物だ。

お主等が私達を助けてくれたあの時、並みの者ならば逆にベルガス等に打ち取られていた筈だ。

私はあの時あの場に来てくれたのがお主等で良かったと本当に感謝している。 さぁミカド・サイオンジ達よ、立つが良い」

「は、はっ!」

「「「「はい!」」」」


ゼルベル陛下に促され、勢い良く立ち上がり俺達はその場で直立不動の姿勢を取った。


「本来論功行賞式は軍の者を表彰する為に行う式典。 ギルドに登録しているとは言え、軍に籍を置かぬ民間人のお主達には、軍の勲章を授ける事は出来ない。だが、それではワシの気が治らぬ。ギルバード!」

「はい」


ゼルベル陛下に呼ばれた執事、ギルバードさんは静かに返事をしながら重厚で、黒い光沢を放つ手の中サイズの箱が5つ、チョコンと乗せられた豪華なワゴンを押してゼルベル陛下の隣に来た。


「これはミカド達への感謝の気持ちを込めて作らせた物だ。

この勲章の名は【栄誉黄金剣章えいよおうごんつるぎしょう】と名付けた」

栄誉黄金剣章えいよおうごんつるぎしょう‥‥‥ 」

「お主達はユリアナや私‥‥‥ ひいてはこの国に住む多くの者の命を救ってくれた。

お主達はこのラルキア王国に降りかかった悪をその意思で挫いた。さぁ、こちらに来るが良い。勇敢なる者達よ」

「はっ!」

「「「「は、はぃ!」」」」

「ミカド・サイオンジ。この国を救ってくれて本当にありがとう」

「ありがとうございますゼルベル陛下‥‥‥ 感激です」


ぎこちなくゼルベル陛下の前に歩み寄ると、陛下の隣に立つギルバードさんがワゴンに乗せられていた箱を1つを手に取り、カパッと開いた。


重厚な輝きを放つ箱の中には鍔の部分に濃い青色‥‥‥ レガッタ・ブルー色の宝石が嵌め込まれた金色に輝く剣の勲章が納められていた。


ゼルベル陛下の話を聞く限り、これは陛下が俺達の為に特別に作ってくれた勲章の様だ。 更に驚く事に、立ち上がった陛下はギルバードさんからこの剣の勲章を受け取り、なんと俺の右胸に付けてくれたのだ。


ヤバい、 感激だ。


「ユリアナ、彼女達にも勲章を」

「はい、父上。セシルさん、失礼しますね」

「は、はい!! あ、ありがとうございましゅ! ゼルベル陛下! ユリアナ姫殿下!」

「この勲章‥‥‥ 一生の誇りです!」

「あ、あありがとうございます!!」

「感謝します‥‥‥ 」

「私達の命を救ってくれたこの者等に7龍の祝福があらん事を」

ワォォオーン!!


パチパチパチ!!


俺の胸に勲章を付け終えた陛下はユリアナを呼び、呼ばれたユリアナはゼルベル陛下と同じ様にセシルやドラル達の右胸に勲章を付けてくれた。


そしてゼルベル陛下がこの世界を作ったと言われる伝説の7匹の龍の加護があらん事を‥‥‥ と締めくくると同時にロルフが雄叫びを上げる。


ロルフの遠吠えとユリアナやローズ、カリーナさん達を始めとした皆の拍手。 そして舞い散る美しい花びらに包まれながら、俺の心にはこれまで経験した事の無い高揚感が満ち溢れていた。



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼



その後も表彰は恙無く進んだ。

表彰された各部隊の代表には俺と同じく勲章を賜った者や、階級が上がった者、または褒美として金一封等が与えられた。


ちなみに第7駐屯地の部隊を率いラルキア城前での戦闘に貢献したカリーナさんには【優秀指揮官章】と呼ばれる、菱形の勲章が与えられた。

後日知る事になるのだが、この優秀指揮官章とは部隊を率いる者が戦で功績を挙げた際に授与される物なんだとか。


カリーナさん達はベルガス反乱際本来与えられた貧民街の警備を放棄し、ラルキア城の戦闘に参加した。


その事を快く思っていない人達がこの場に少なからず居たらしく、カリーナさんが表彰される時に少し騒ついたが、この勲章を授ける時にゼルベル陛下が言った


「彼女達第7駐屯地の部隊は本来の任務を放棄しラルキア城の戦闘に参加した‥‥‥ 任務を放棄した彼女等に、此度の表彰は相応しく無いと言う者が少なからず居ると言う噂は耳にしておる。

だが‥‥‥ 彼女等第7駐屯地部隊の尽力で、劣勢だった近衛兵団が態勢を立て直す切っ掛けとなったのもまた事実。

彼女等の部隊のお陰でラルキア城前での戦闘は勝利したと言っても過言では無い! 表彰を受ける資格は充分にある!」


との言葉で、カリーナさんに対する異議の空気は払拭された。

最も、表彰後のカリーナさんはバツが悪そうに微笑んでいたが、俺としてはカリーナさんを始めとした第7駐屯地の皆が罰せられる事がなくて良かったと安堵した。


次に戦乙女騎士団ワルキューレ・リッターオルゲンの代表、ラミラと副官のニクルは反乱軍数百人の攻撃を受けてもこれを退き、ユリアナの救援に駆け付けた。

その事を評価され団長のラミラにはカリーナさんと同じ優秀指揮官章と同時に、【奮戦章】と呼ばれるメダルの様な丸い勲章を授けられた。

ニクルはこの奮戦章のみ授けられた。


この【奮戦章】とは戦闘時、圧倒的劣勢を覆した猛者に与えられる勲章らしく、この奮戦章は後程、ユリアナの警護に付いている他の戦乙女騎士団員全員にも与えられるみたいだ。


「では、これにて表彰式は終いとする。 皆の者、此度は大儀であった。今後とも皆の活躍に期待しておるぞ」

「「「「「はっ!」」」」」


中庭に集まった全員の表彰が終わったのは日が傾き始めた16:30分程だ。

最後に集まった面々の顔を1人1人確かめる様に眺めたゼルベル陛下が表彰式の終了を宣言し、陛下はユリアナとローズを引き連れてラルキア城内へ戻っていかれた。


ふぅ。これで今日の日程は全部終了か。

ちょっと予定外の事が起きたけど、特に大きな問題もなく終われて良かった。いや、本当に良かった‥‥‥


まさかロルフが来るなんて考えもしなかったからな。

でも今思い返せば、魔獣と並んでペンドラゴをパーレドした俺達が市民に与えたインパクトは凄かっただろう。



少なくとも、顔か名前は覚えてもらった筈だ。 それにパレード開始直前、紋章官が俺達がギルドに籍を置いている事を声高らかに宣言していたから、今日のパレードを見た人達が俺達に興味を持ち、ギルドで指名依頼をしてくれるかも知れない。


‥‥‥今回のロルフの件は終わり良ければすべて良しって事にして、大目にみてやるか。


「はひぃ‥‥‥ 緊張したぁぁ‥‥‥」

「あはは、お疲セシル。ドラル達もお疲れさん」

「はい。とても貴重な体験でした」

「あぁ、天界のアルトンも見てくれたかな‥‥‥ 」

「きっと見てくれた筈‥‥‥ 」

「そうだな、きっとアルトンも見守ってくれたよ」

「お話中のところ失礼いたしますミカド様。 少々よろしいでしょうか?」


勲章を賜り、改めてラルキア王国全体を巻き込んだ大事件が終わったと言う達成感と、同時に爆弾を強要され犠牲になったアルトンの冥福を祈りしんみりした雰囲気の中、先程中庭に案内してくれた近衛兵が遠慮がちに話しかけてきた。


なんだ? まだ何か予定があるのか?


「はい。なんですか?」

「はっ、急で申し訳ないのですが、ゼルベル陛下がミカド様方と話がしたいとの事でお声掛けさせていただきました。

本日はヴァイスヴォルフがご一緒ですので、人払いを済ませたラルキア城の裏庭にヴァイスヴォルフと一緒に来て欲しいと」

「ゼルベル陛下が? わかりました。案内をお願い出来ますか?」

「えぇ、此方です」

「ありがとうございます。よし! 皆行くぞ!」

「「「「はーい!」」」」

ヴァウ!


どうもゼルベル陛下は俺達に何か用があるみたいだ。 この近衛兵は詳しい事を聞かされていないみたいだ。兎も角急いでゼルベル陛下の下に向かおう。


俺達は近衛兵に案内され、ゼルベル陛下が待っている裏庭に向け歩き出した。



▼▼▼▼▼▼▼▼



「ゼルベル陛下。 ミカド様方をお連れ致しました」

「うむ、ご苦労。用があれば呼ぶのでお主は下がっておれ」

「はっ!」


近衛兵に案内されて着いた裏庭は先程まで表彰式を行なっていた中庭よりふた回り程小さかったが、色取り取りの花が咲き乱れていてとても幻想的な雰囲気に包まれていた。

そんな裏庭に置かれた簡素なベンチにゼルベル陛下が座っていた。


それと‥‥‥


「ゼルベル陛下、ユリアナ様、ローズ様お待たせして申し訳ありません」

「いえいえ、全然待っていませんから気にしないでください」

「そうだよ〜 変に緊張しなくても良いんだよ? ミカド兄様!」


ベンチに座るゼルベル陛下の左右には、陛下と同じ様に一緒のベンチに腰掛けるユリアナとローズが居た。

ゼルベル陛下だけしか居ないと思っていたけど、この2人が居て少し気が楽になった。


「ろ、ローズ様!?」


だが、ローズが爆弾発言した事でリラックスした心は一気に騒ついた。


兄様と呼んで良いのは他の人が居ない時との約束だった筈だからだ。


しかもゼルベル陛下の目の前と言う事もあり、冷や汗が滝の様に流れ出た。


「お主等とユリアナ達の関係は既にローズから聞いておる。気にするでない」

「そ。そうだったのですか」

「あぁ。今後ともユリアナとローズ2人と仲良くしてやってくれ」

「え、えっと‥‥‥ はい! 今後とも仲良くさせていただきます!」


驚いた。 ゼルベル陛下は俺達とユリアナ達の関係の事を既にローズから聞かされている様だ。


それでもゼルベル陛下は怒る事なく、暖かく微笑みユリアナ達と仲良くしてくれとまで言ってくれた。


そんな事言われるとは思っても見なかったから少し狼狽えてしまったが、例えゼルベル陛下に頼まれなくても俺はユリアナとローズ‥‥‥ この孤独だった2人と仲良くすると決めていたから、ハッキリと大きな声で返事をした。


心の底から嬉しそうな笑みを向けてくれたユリアナとローズを見て、俺はこの2人とずっと友達でいようと改めて思った。


「ありがとう。それとローズ、もっとお淑やかにせんか」

「はーいお父様」

「やれやれ。だが、 娘達の言う通りだ。ここには私達しか居らぬ。気を楽にせい」

「はっ‥‥‥ してゼルベル陛下。自分達に話があるとは?」

「いや何、お主は以前ユリアナを救ってくれた。そして今回は私とユリアナ、そしてローズを救い出してくれた。

以前ユリアナを助けた際に褒美を与えてやれなかったが、今回こそは褒美を受け取ってもらおうと思ってな」


意識して肩の力を抜きつつ、呼び出された経緯をゼルベル陛下に聞いてみた。

どうやら前回ユリアナを助けた事と、今回ゼルベル陛下達を助けた事に対する褒美の事だった様だ。


さて参ったな。 以前はなぁなぁに済ませたが、陛下の口調からは今回は何としても褒美を与えると言う意思がはっきり伝わってくる。

正直、この剣の勲章を頂けただけで充分過ぎるのだが。


「わ、私達はこの勲章だけで充分です!」

「そうです! この勲章はどんな褒美よりも何よりも価値があります」


悪戯っ子の様な笑みを浮かべるゼルベル陛下に、恐縮したままのセシルとドラルが言葉を発する。

俺のこの2人の意見と同じで、勲章まで貰ったのにこれ以上何を望むのかと言う気持ちがあった。


「では、この国の王としてでは無く、1人の父親としてお主らに感謝の気持ちを伝えたい。 頼む。余の気持ちを汲んでくれぬか?」

「わかりました‥‥‥」


本当に困った。 国の頂点‥‥‥ 国王の陛下に頼むと言われてしまった。

これ以上褒美の受け取りを断ると逆にゼルベル陛下に対して失礼になる。


なら何とかして欲しい物を考えないと‥‥‥


あ、そうだ!


「でしたら陛下。 陛下にお願いが‥‥‥ 」


俺はある事を思い付き、思い切ってゼルベル陛下にその事を話してみた。


「ふはははは! そんな物でいいのか? やはりお主は若いのに欲が無いな!」

「全くです。 ですが欲がない事は人として立派だと私は思いますよ」

「うん! さすがミカド兄様だね〜 こう言う時って、人間が出来てるって言うんだっけ」


俺の言葉を聞いたゼルベル陛下は面白そうに腹を抱えて笑った。隣に座るユリアナとローズも可笑しそうにクスクスと小さく笑い声を上げている。


「ふふふっ。 では直ぐに用意させよう。ギル!」

「お呼びですかゼルベル陛下」

「ミカドに与える褒美を用意せよ」

「 はっ。して、その褒美とは?」

「それはな‥‥‥ 」


ゼルベル陛下に呼ばれ、音も無く現れた執事ギルバードさんがゼルベル陛下の前で跪いた。

そんなギルバードさんに陛下は楽しそうに耳打ちした。


「それはそれは。ミカド様は欲が有りませんね」

「あはっ! ギルバードもお父様と同じ事言ってる〜」

「ゴホン! 兎に角、そう言う事だ。頼むぞギル」

「かしこまりました。では、用意してまいります」


ギルバードさんはニコッと爽やかに微笑み、一礼すると颯爽とラルキア城内へ俺の頼んだ物を用意しに行ってくれた。


「となれば、この後の会食にミカドを招待出来ぬな 」

「残念ですが先約があるなら仕方ありませんね」

「会食ですか‥‥‥」


ギルバードさんが去った後、快く俺の願いを聞き届けてくれたゼルベル陛下、そしてユリアナ達から会食と言う単語が出てきた。

ゼルベル陛下達はこの後、論功行賞式に参加した部隊の代表達と一緒に食事をするらしい。


正直な所、会食に興味は有る。有るのだが‥‥‥


ワウ?


そう、今回はロルフと一緒なのだ。

陛下達のお誘いは大変ありがたいけど、今回はロルフが一緒だから断るしかない。

それにこの後あの約束もあるし‥‥‥


「大変光栄なのですが今回はロルフも一緒ですし、それにこの後第7駐屯地に借りていた馬を返しに行かないといけないので‥‥‥ 申し訳ありません‥‥‥」

「いや、こちらこそ急にすまなかったな」

「本当に申し訳ございません‥‥‥」

「いえ、気にしないでくださいセシルさん。 いくらロルフさんが大人しくても目を離す訳にはいきませんし、先約があるならそちらを優先するのは当たり前です」

「そうそう。ミカド兄様は悪くないよ!

ん~‥‥‥ それなら今度はロルフが一緒でも問題ない位広い場所でお食事したいね!」

「うむ。ローズの言う通りだな。今度機会があればそこのヴァイスヴォルフが一緒でも問題ないくらい飛び切り大きな会場を用意させるとしよう。

となれば、お主達とはここで一旦お別れか」

「はっ‥‥‥ 会食は機会がありましたら是非とも」

「うむ。楽しみにしておるぞ」

「はい! 私も楽しみです」

「今度は絶対一緒に食事しようねミカド兄様! セシル姉様達!」

「ユリアナ‥‥‥ ローズ‥‥‥ あぁ、勿論!」

「うん! 約束だね!」


もうゼルベル陛下には、俺達の関係がローズによって暴露されてしまっていたから俺は深く考えるのを辞め、以前ユリアナやローズから普通の友達に接する時の様なフランクな口調で語りかけた。

セシルも、ようやく落ち着いたのか、普段通りの朗らかな表情でユリアナ達に微笑みかけた。


「は、はい!」

「わ、わかりました!」

「了解‥‥‥」

「ドラルさん達も変に気負わず、ミカドさん達みたいに接してくれて構わないのですよ?」


温かい空気に包まれた裏庭に、今度はユリアナが爆弾を投下した。


「ふぇえ!? で、ですが‥‥‥」

「ん、わかったユリアナ‥‥‥ローズ‥‥‥ よろしく」

「ま、マリア!?」

「はい! マリアさんは素直ですね〜」

「な、なら僕も‥‥‥ え、えっと、 よろしく頼む。ゆ、ユリアナ‥‥‥ さん。ローズさん‥‥‥」

「レーヴェお姉様、『さん』なんて付けなくても良いのに」

「で、でもそれは恐れ多いと言うかなんと言うか! あ、あぅ」

「ふふ‥‥‥ 其方は確かドラルと申したな。 お主もどうかユリアナ達と親しくしてやってくれぬか」

「ぜ、ゼルベル陛下まで!? わ、わかりました! よろしくお願いします‥‥‥ユリアナさん、ローズさん」

「はい! よろしくお願いしますドラルさん! レーヴェさんも仲良くして下さいね!」

「よろしくねドラル姉様!」

「これでドラルさんもマリアさんもレーヴェさんも私達と友達ですね!」

「うん! ユリアナ姉様! 私、凄く嬉しい!」

「ん。私も嬉しい‥‥‥ 」

「ぼ、僕も嬉しいぜ!」

「わ、私もです!」

「「「「「あはは!」」」」


ユリアナの発言に目を見開くドラルとマイペースにちゃっかり順応するマリア。 そして表彰式の時以上に緊張し、テンパっているレーヴェを見守りながら、俺とセシル‥‥‥ そしてゼルベル陛下も楽しそうに笑いあうユリアナ達を見て笑みをこぼした。


「ふふ。この若い世代に7龍の加護があらん事を」


裏庭にはゼルベル陛下の祈りの言葉が静かに広がり、ユリアナとローズ、そしてドラルにレーヴェ、マリアの楽しそうな話し声が木霊する。 傾いてきた太陽が優しい光を惜しみなく降り注いだ。


その光は、まるで俺達の今後の行く末に幸福が溢れる事を祈っている様な。

俺達を清めてくれているかの様な。


そんな温かく力強い光だった。






ここまでご覧いただきありがとうございます。


この話の前後で、帝達が着ている制服やラルキア王国軍の制服等のイラストを挿絵として載せたかったのですが、いかんせん画力が無く、イメージ図通りに描けなかったので諦めました。



機会がありましたら、これらのイメージ図を載せられる様にしたいと思っています。


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