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それから約三百年後の勇者と魔王  作者: 夏瀬
第零章―昔々のお話
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序章―勇者伝説概要

 これは、後世に残す現実に起こった史実である。


 王国歴702年、聖王国アルシュバランを中心として繁栄を誇るこの世界に一片の闇が生まれた。

 魔王。

 自らをそう名乗った奴は、光差すこの世界に闇を落とし、全ての種族に対して宣戦を布告した。

 時を同じくして自身の領土を出ることが無かった魔物共の動きは活発化。世界は混乱の時代を進むこととなった。


 無尽蔵に湧き出る魔物に、疲弊と少なくない骸が溜まっていく。聖王国当代国王、グランベル=アルシュバランは魔王討伐を決意。

 王国軍の精鋭と各国から集まった腕に覚えのある義勇軍。総勢万を超える部隊を率い魔の統べる地、世界地図にただ空白のみが書き記された唯一の場所……魔の穴へと向かった。


 だがこの行軍は、魔王軍の圧勝で幕を閉じる。


 命からがら戻ってきたのは、王を含めて百にも満たなかった。

 勇ましき軍隊が門をくぐっていく雄々しき姿とはかけ離れた、浮浪者に近しいボロボロのその姿は人類に絶望を刻み込むには十分であった。

 ああ、人は負けたのだと。この脅威を止める術は無いのだと。

 世界最大の国家敗北の報は瞬く間に広がり、その絶望は魔王の落とした闇をさらに深く、広く、輝かしい世界を覆い包んでいった。


 しかし、彼が居た。


 力を失った聖王国を落とさんと集結した十万を超える魔物の群れを光の剣で薙ぎ払ったたった一人の人物。

 国を救う偉業に一切の驕りも持たず単身魔の穴を目指す彼の背中を見て、聖王国に住まう者はただ一人の例外も無く思っただろう。彼こそが、と……。

 その神々しき力で振り払ったのは世界を覆う闇そのものだったのだ。


 それから、二つの月が巡り、世界は遂に光を取り戻した。

 勇者クリアラント。闇を払うために神が生み出したと言われる英雄。

 世界を救い戻ってきた彼の残したすべての種族が手を取り生きていかねばならないという宣言、『クリアラント聖文』は今なお人々の心に深く根付いている。


 かくして、人族、獣人族、エルフ族だけでなく、魔王に迎合することなかった人が魔族と一括りにしていたリザード族やオーガ族までもが手を取り合い生きる道を選んだ、英勇歴が幕を開けたのだ。


――アルバラオー著『勇者クリアラント伝記』より抜粋。

初投稿に付き色々と至らない点も多いとは思いますが日進月歩の思いで頑張っていきますのでよろしくお願いします。

書き溜めはそう多く無い為、基本は早くて隔日更新になると思われます。

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