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妹の私がギャルゲーの主人公(男)になりました  作者: 空乃智春
宗介ルート:共通部分(★部分は大きい違いがあります)
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【12】ナンパと壁ドンと

 秋晴れの日曜日、ショッピングモールは人でにぎわっていた。

「今日はナンパをしようと思う」

 良太がそう宣言して、聞き間違いかと思った。


「なんでいきなりナンパ? ボクそんな事聞いてないんだけど!?」

「言ってないからな。言ったらお前こないだろ」

 当たり前だ。何が悲しくて私が、女の子をナンパしなくちゃいけないんだ。

 男ということになっていても、中身は女の子だというのに。


「ボクたち中学生だよ? ナンパなんてまだ早いというか、やりたくないよ! そもそも何でナンパしようなんて考えになったのさ!」

「それには深いワケがあるんだ……」

 良太は重みのある声で、私にそうなった経緯を聞かせてくれた。


 それは一週間前のこと。

 良太はある女の子に告白したが、振られてしまったらしい。


「オレがお前なんかを本気で好きなわけねーだろ。勘違いすんな。それにオレには年上の彼女がいるんだからな」

「へぇ、そうなの。じゃあ連れてきなさいよ。そうね、再来週の日曜なんてどうかしら?」

「あぁ望むところだ!」


 売り言葉に買い言葉。

 強がったら何故かそんな話になってしまい、今に至るとのことだった。

 はっきりいって、全く深い理由でもなんでもない。ぶっちゃけ浅すぎた。


「可哀想なオレのために、手を貸してくれ。アユム、頼む!」

「素直に嘘つきましたって謝っておいでよ」

「そんなの男のプライドにかけてできるわけねぇだろ! それに、オレに彼女がいるところを見せ付けて、逃した魚は大きかったんだと後悔させたいんだ!」


 つまりは見得のためという事らしい。

 そんなんだから、良太はモテないんだと思う。見た目はそう悪くないのに。


「それで、ナンパって具体的にはどうするの?」

「おっ、やっとやる気になったか」

 尋ねた私に、良太が嬉しそうな顔になる。


 一度言い出すと、良太は突っ走るタイプだ。

 人の話をあまり聞かず、暴走して後で冷静になるのがパターン。

 最初の出会いからしてそうだった。単純でわかりやすくもあるので、私は良太との付き合い方をすっかり身につけていた。


 とりあえず成功するとも思えない。

 二・三人に声をかけて失敗し、ナンパは難しいなと諦めてもらう方向へ持っていこう。

 そう思ったのに、何故かばったりとナンパが大得意な宗介の義兄・クロエに出くわして声をかけられてしまった。


 こんなところで何してるのか尋ねられ、良太が素直にナンパと言ってしまって。

 何故かクロエから、ナンパの手ほどきを受けることになってしまった。


 うまくお姉さんたちと仲良くなることには成功したのだけれど、用事があるからとクロエが抜けてしまって解散になった。

 結局彼女になってもらう約束は取り付けられず、ナンパは気疲れしただけで失敗に終わった。


 途中から反省会ということになり、良太とゲームセンターで遊び、それから家に帰るため駅に向かう。

 やっぱり遊ぶなら気心の知れた友達に限ると、そんなことを思う。

 知らないお姉さんたちと遊んだところで、疲れるだけだ。


 良太と遊ぶ時は体力使うけど、ぱーっと楽しい。

 理留とお茶するときは、まったりと癒される。

 宗介と遊ぶ時は、安心感があるというか、一緒にいて楽だ。


 そういえば、長い間宗介と遊んでないなぁと、ふと思う。

 前に遊んだのは、六年の修学旅行の時だから約一年になる。


 宗介といると、会話がなくても意思が伝わるというか、側にいるだけで落ち着けるというか。

 気を使って喋らなくてもいい、心地よい沈黙が宗介との間にはあった。

 他の子と、あの感覚を共有できることはなくて。

 それが特別な事だったんだなと今になって分かる。

 

 そんな事を考えていたからだろうか。

 ふと見た喫茶店の店内に、宗介の姿を見つけた。


「えっ?」

 一瞬目を疑った。

 宗介がとろけるばかりの幸せそうな顔で、微笑んでいた。

 その表情を見て、思わず足が止まる。


 一緒に座っている人は、窓の反射のせいで顔が見えない。

 けど、服装からして女の子のようだった。

 その光景を見て、ドクンと心臓が痛くなる。

 

 ――あんな顔を、私以外にも見せるんだ。

 ショックを受けている自分がいた。


 まさか、あの女の子は宗介の恋人だったりするんだろうか。

 そんな事を思ったら、周りから人ごみの喧騒が消えていった。


 宗介もお年頃だし、そんな人がいたっておかしくない。

 山吹やまぶきのおじさんたちの死から、宗介が早く立ち直れたのもこの女の子のお陰なんじゃないだろうか。

 めまぐるしくそんな考えが頭を巡る。


 血が氷になったように、体が冷えていく気がした。

 どうしてか胸が苦しくて、無性にここじゃないどこかへ行きたくなった。

 ふいに女の子が顔をあげ、私を笑った気がして。


「アユム、どうしたんだ?」

「ボクちょっと用事思い出した。ごめん、先帰るね!」

 良太に謝って、私はその場を後にした。



●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


 家に帰って部屋に閉じこもる。

 なんでこんなに私は動揺してるんだろう。


 ただ、宗介が女の子と笑って食事していただけなのに。

 そうだそれだけのこと。

 なのに、なんでこんなに心臓が痛いのか。


 わけがわからない。幼馴染に対する、子供っぽい独占欲ってやつなんだろうか。

 しばらく布団の上でゴロゴロしながら考えてみたけれど、答えはでなかった。


 悩むのは柄じゃない。あの子とどんな関係なのか、直接宗介に聞いてしまおう。

 何で気になるのかもよくわかんないけど、そうすればきっとすっきりするはず。

 ちょうど家のドアが開く音がしたので、玄関へと走った。


「ただいまアユム。お出迎えなんてどうしたの?」

 勢いよく出迎えたら、宗介は戸惑ったように目をぱちくりとさせる。

「たまにはいいかなって思って。今日はどこへ行ってきたの?」

「今日はバスケの練習試合の日だったんだ。負けちゃったけどね」

 靴を脱ぐ宗介から、着替えの入ったバッグを受け取る。


「それにしては帰りが遅かったね」

「そう? 皆と喋りすぎたかな。アユムは何してたの?」

 遠まわしに尋ねてみたけれど、さらりとかわされ、逆に聞かれる。


「えっ、あぁ今日は前の学校の良太と一緒に遊んだんだ」

「前に言ってたちょっとガキ大将っぽい子だね。また二人で仲良くゲーセンにでも行ったの?」

 すっと宗介の目が細まる。

 その言葉には、私だけがわかるくらいの微かな不機嫌さが滲んでいた。


「……美空坂みそらざかショッピングモールまで行ってきた」

 ちょっと迷ってからそう答える。

 宗介の反応を見ようとしたけれど、特に動揺は見られなかった。


「へぇ、何か買い物でもしに行ったの?」

「いやそれが、なぜかナンパすることになって」

「ナンパ? ナンパってあのナンパ?」

 宗介が困惑したような顔つきになった。

 そりゃそうだ。私だってこの人生でナンパをすることになるとは思ってもいなかったし。


「それがさ、年上のお姉さんをナンパしようってことになって」

「ナンパって、アユムは恋人が欲しかったの?」

 苦労話をちょっと聞いてもらおうかなと思ったら、話を遮った宗介の声が冷たすぎて戸惑う。


「えっ? いやそうじゃなくて。年上の女の人なら誰でもいいからってりょ」

 良太がと言おうとしたら、宗介の顔が間近に近づいていた。

「そ、宗介?」

 後ずさっていくと、壁まで追い詰められる。

 宗介の顔は無表情だったけれど、放たれる空気が怒っていた。


「へぇ、アユムってやっぱり年上好みなんだ。年上なら、男だろうと、女だろうと誰でもいいんだね」

 ドンと私の顔の横の壁に、宗介が手をつく。

 なんでそんな話になるんだといいたかったけれど、その迫力に飲まれて私は何も言えなかった。


「アユムがマシロ先輩によく会いにいくのも、年上が好きだから? いつも楽しそうに遊びにいくよね。しかもお泊りまでして、眠そうな顔で帰ってくるし。寝不足になるまで、二人でどんな遊びをしてるの?」

「……なんでそこでマシロの話が出てくるの」

 含みのある言い方に、私は宗介を睨みつけた。


 寝不足なのは徹夜でゲームをしてるからだ。

 そんな事をしてるとバレたら宗介に止められそうだと思って、言ってはいないけれど。

 こんな風な言われ方をする筋合いはないはずだ。


「そのミサンガも、マシロ先輩から貰ったもの? それを見て溜息ばかりついてるけど、誰の事を考えてるの?」

 痛いほどに、宗介に左の手首を掴まれる。

 そこにはマシロから貰ったミサンガがあった。


 確かにミサンガを見ては、いなくなってしまったマシロの事を思い出していたけれど。

 宗介の言い方には、棘がある気がした。


「……宗介、中学になってから変だよ。昔と変わった」

「変? 俺は何も変わってないよ」

 私の言葉に、宗介はわからないというように首を傾げる。

 いつもの宗介と変わらない動作に見えるけど、違う。


 その瞳には攻撃的な熱が宿っていて、私を絡めとろうとしてるみたいだ。

 強い視線に目を逸らしたいと思うのに、それもできない。

 知らない宗介がそこにいるみたいだった。


「ボクの事避けたかと思えば、色々注意してくるし。だいたい、ナンパだって良太がやりたいっていうから着いていっただけだ。それになんだよ誰でもいいって。そんな風に宗介からは見えてたの?」

 わけがわからなくて、悲しくて。

 それに知らない宗介が怖かった。


 気がつけば声が震えていて、私は泣いていた。

 それを見て、宗介ははっとした顔になり、私から離れる。


「ごめんアユム、そんなつもりじゃなかったんだ。ただ、俺は……」

 今度は宗介の方が泣きそうな顔をしていた。

 切ないとも思えるような目で、私のことを見つめてくる。

 その手がこちらにむかって伸ばされて、私はびくっと体をすくめた。


 宗介はたぶん、私の頬の涙を拭おうとしたんだろう。

 私の反応に傷ついたような顔をして、手を引っ込めようとする。

 そんな顔を見たくなくて、私は宗介の手を握った。


「私は誰だっていいわけじゃないよ。付き合うなら、好きな人がいい」

 胸からせりあがってくるように、言葉が勝手に口から出てきた。

 宗介にだけは誤解されたくなくて、必死だった。

 宗介は驚いたように私の顔を見ていたけれど、やがて何かを決断するように息を吐いて、姿勢を正した。


「ゴメン。アユムが言うとおり、俺ちょっと変だった。だから泣かないで。それで……アユムにもしも好きな人が出来たら、言ってよ。全力で力になるから!」

 宗介は、明るく私にそう言った。

 そこにいるのは、もういつもの宗介だった。


「あとアユムのこと、避けて悪かったと思ってる。アユムと同じ家だから、つい世話を焼きたくなっちゃって。それじゃいけないって距離を取ってたんだけど、だんだん、適切な距離がわからなくなってきてたんだよ」

 冗談めかした態度で、宗介は肩をすくめる。

 さっきまでのあれが、まるで嘘だったみたいだ。


「もうアユムを避けないし、前と同じように振舞うよう心がける。ただ加減がわからないから、構いすぎちゃうかもしれない。それでもアユムが嫌じゃなかったら、元の俺に戻ってもいい?」

 許しを請うように、宗介が私を見つめてきた。


「当たり前だろ。避けられるくらいなら、べったりされてる方がいい! それに今更すぎるよ!」

 優しい声。いつもの宗介。

 仲直りできると思ったら嬉しくて、力強く私は肯定した。

「うん、今更だよね」

 宗介はそう言って笑うと、前触れ無く私に抱きついてきた。


「なっ、いきなり何!」

「いや最近アユムに触れてなかったから」

 全く宗介の行動が予想つかなくて、私は戸惑う。


「……何それ。それに、この前更衣室で、ほらあれだったじゃん」

「あれは事故だし、アユムからだったしね」

 照れて言葉を濁せば、宗介はよくわからない理屈を口にした。


 宗介が変だ。最近の変とはまた違った意味で。

 いやでも、小学生の時の宗介だったら、ふざけてこれくらいはしてきたかもしれない。


 だとすると、変なのは私だ。よく一緒の部屋で寝たりもしていたのに、こんなに近くに宗介を感じてドキドキしている。

 きっと宗介が子供の時と体つきが違うせいだ。

 そう思うけど、それだけじゃない気もした。


「あのさ、アユム」

「なに宗介」

 もう中学生なのに、仮とはいえ男同士で抱き合うなんて変だ。

 そう思うのに、離れがたくて私はじっとしていた。


「さっきの話なんだけど。アユムに好きな人が出来たら、一番に俺に教えるって約束してほしいんだ。その時には例えそれが誰でも……俺はアユムを応援するから」

 宗介の声には、押し殺したような響きがあって。

 何でそんな事をいうんだろうって思ってしまう。


 宗介は私が誰かと遊ぶことに口を出したりはしないけれど、嫌だなとは思っていたはずだ。

 どうして心変わりしたんだろう。

 もしかして、宗介がこのギャルゲーののサポートキャラであることと、何か関係があるんだろうか。


 そんな事を考えていたら、玄関のチャイムが鳴った。

「お、お客さんかな? ボク出るね!」

 はっとして、宗介の腕の中から抜け出す。

 ドアを開けると、そこにはクロエが立っていた。


「ちーっす、宗介。着いてきちゃったっす!」

 なんでここにと私がいう前に、クロエは私の後ろから来た宗介に対して、手を上げて声をかけた。

「なんでここに来たんだ」

 苛立ち隠すことなく、宗介がそう言い放つ。


「いやー喫茶店にいる時に、アユムが一人で走っていくのが見えたんすよ。ナンパはあの後どうなったのかも聞きたかったし、家にいるかなと思って来てみたっす!」

 宗介の質問に対して軽い調子で答えながら、クロエが私を見た。

「あの喫茶店に、クロエさんもいたんですか?」

「いたっすよ。宗介の前に座ってたじゃないすか。目が合ったのに、覚えてないっすか?」

 薄情だなぁというようにクロエが言う。


「宗介の前には、女の子が座ってたと思うんですけど」

「あれはクロエの妹だよ」

 私の疑問に対して、宗介がそう言った。


「そんなことより、クロエ。ナンパって何の事?」

「宗介と会う前に、アユムたちに頼まれてナンパの方法を伝授してたっす」

 不機嫌な顔をして尋ねる宗介に対し、クロエが私の代わりに答えた。

 にひひと独特な笑い方をするクロエは、まるで宗介をからかって楽しんでるかのようだ。


「全てお前が元凶か、クロエ」

「やだなぁ宗介。ナンパの手ほどきするよう頼まれたから、手伝っただけっすよ?」

 怒っている宗介は口調が荒い。

 そんな宗介を相手に、クロエは楽しそうだ。

 私なら身を縮こませてしまう冷気を受けて、にやにやと笑みを浮かべていた。


「本当にロクな事しないよね、クロエって。アユムに悪影響だから帰ってくれるかな」

 宗介は乱暴とも言える動作で、クロエを外へ追いやろうとする。

 こんなに誰かに対して容赦ない宗介を、私は初めて見た。


「宗介が過保護だから、アユムに恋人ができないんすよ? 自分から離れて行くのが寂しいからって、それはどうかと思うっす」

「変なこと言うな。いいからさっさと帰れ」

「まぁ今日は帰るっすけど。またねアユム!」

 クロエを無理やり外に追い出し、バタンとドアを閉じて、宗介が一息つく。

 とても疲れた様子だった。


「今日クロエに会ってたの?」

「うん。色々話すことがあってさ」

 尋ねると、あっさり宗介は認めた。


 戸籍上の家だ。色々話し合うこともあるんだろう

 つまり、喫茶店で一緒にいたのはクロエと宗介の妹であって、彼女じゃない。

 そう確信した瞬間、ふっと肩の力が抜けた。

 なんだ、つまりは私の勘違いだったんだ。

 そのことに思いのほか、安心してる自分がいた。


「別に隠す必要なかったのに。言ってくれればボクも挨拶したよ?」

「それだよ。俺はクロエとアユムを会わせたくなかったんだ」

 額に手を当てて、深く宗介は溜息をついた。


「クロエはアユムのことが気に入ってる。色々話した俺も悪いけど、何かやらかすんじゃないかって気が気じゃない。まぁそれは置いておくとして、今日はなんでクロエとナンパなんてことになったの?」

 宗介に尋ねられて、私は今日の出来事を全部話した。

 話を聞き終わった宗介は、ありえないと額を押さえた。


「何を考えてるんだあいつは。とにかく、クロエには関わらないで。絶対面倒くさいことになるから」

「宗介ってクロエさんには珍しく遠慮がないよね。仁科の家の人とも、仲良くしてるんだ」

「別に仲良くなんてないよ。遠慮なんて無駄だって学んだだけ。大人しくしてたら付け上がるんだあいつ」

 フォローした私に、うんざりだと言うように宗介は口にする。


「でもさ、喫茶店で妹さんと話をしてる時楽しそうだったよね。宗介笑ってた」

 ちょっと意地悪な気持ちが出てきて、ついそんな事をいうと宗介が目を見開いた。

「見てたの?」

「うん、偶然だけど」

 私が頷くと、宗介はバツの悪そうな顔になる。


「あーそれ、宗介がアユムのこと話してる時だと思うっす。宗介って、アユムのこと話す時だけ、すっごく優しい顔になるっすから」

 沈黙の中、がちゃっとドアが開いて再登場したクロエが、私の疑問に答えてくれた。


「……なんで帰ってないんだ、クロエ」

「さっきまで修羅場っぽかったじゃないすか。続きが見られるかなって思って」

 怒りを抑えるように呟いた宗介に、クロエが悪びれもせずに答えた。


「……見てたのか」

「鍵開いてたんで入ったら、夢中でこっちに気づいてないみたいだったんで、邪魔するのも悪いかなって。まぁ用件もあったから、途中で邪魔させてもらったっすけど」

 宗介の声が低くなって、クロエはにやにやしていた。


「いやー青春っすね! 友情っていいなと思ったっす」

「……クロエは本当に性格悪いな」

「宗介ほどじゃないっすよ?」

 殺気ともいえる敵意を宗介はむき出しにしてるのに、クロエの対応はおちょくるようだ。

 完全にこの状況を楽しんでいる。


「しかし、宗介がそこまで執着してると、こっちもアユムのことが気になってきちゃうっすね?」

「うるさい、さっさと帰れ」

 私に視線を向けたクロエを、宗介が外まで無理やり押し出した。

 そして、今度は間違いなくドアに鍵をかけた。



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★中等部1年 秋


●原作ギャルゲーとの違い

1)特になし


●ルートA(マシロ編)との違い(43話―44話)

1)宗介に問い詰められたときの、アユムの反応が違う。

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「本編前に殺されている乙女ゲームの悪役に転生しました」
ショタコン末期悪役令嬢に転生して苦労する話。
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