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???
危なかった。彼があのまま自由に動いていたら、全てが台無しになってしまう所だった。
だが、これでも安心は出来ない。もしかしたら彼が死ぬのを先延ばしにしただけなのかもしれない。
……何を言っているんだ。そうさせない為に僕がいるんじゃないか。
彼女達と出会ったように、きっと彼はまた出会う。
それが宿命なのだ、と考えるのは楽観視しすぎだろうか。
しかし忌々しいのはこの世界。よく出来ているようで、不完全だ。だからあんなリンクが出来てしまう。
今回はこんな手段に出るかしかなかったが……こんな事、何度もやってはいけない。彼が壊れてしまう。
とにかく今は、きっとこの世界に居るあの子達と彼が新たに出会うのを……そして彼女達と再会できる時を待とう。
僕の出来ることは少ない。
博士――アナタは今、どこにいるのですか……?
第一部、完ッ!
待て第二部!!




