3.愛ではなく奪う為
「っ、ち、違いますっ! それにお姉様の事は、わ、私はそんなつもりじゃありませんでした! ただ、ローガン様を好きになった気持ちを抑えきれなかっただけで…。」
ローガンの言葉にエレナは涙ぐむ。アリアーナとローガンが婚約者であった時にエレナはローガンに沢山話しかけてきた。気がつくとローガンはエレナを好きになってしまっていた。そしてローガンとエレナはお互いを好きだと告白しあった。家同士の繋がりが持てれば良いと判断した両家はアリアーナの想いを無視してローガンとエレナの婚約を認めたのだった。
「その事に関してはエレナだけを非難する資格は俺にはない。アリアーナはエレナより地味だし、よく笑うエレナの方が愛嬌もあって素敵だと思った。俺はエレナ、君を愛したからアリアーナとの婚約を解消した。そして君も同じように俺を愛しているんだと思っていたよ。」
「も、勿論同じです! 私はお姉様に申し訳ないと思いながらも、ローガン様を愛してしまったから…だから!」
「うふふっ、もぅエレナ様ったらぁ〜、演技、下、手、く、そ、ですねぇ〜!」
「っ!」
涙ぐみながらも必死で話すエレナに、リリーナは言葉を区切って強調しながら演技だと指摘した。エレナはリリーナの言葉にピタッ、と動きを止めてリリーナを睨み付けた。
「やだぁ~、怖い〜!!」
リリーナがそう言ってローガンに強く抱きつくと、ローガンはリリーナを安心させるように頭を撫でた。それを見たエレナは益々怒りを募らせていく。
「もう一度言うが、俺は心から君を愛したからアリアーナとの婚約を解消した。アリアーナを傷付ける為じゃない。でもエレナ、君は俺を好きになった訳じゃない。君はただ姉の婚約者である俺をを奪いたかっただけなんだろう。」
「な、何を馬鹿な事を!? そ、そんな訳ありません! わ、私は本当にローガン様を愛していますっ!!」
エレナは必死に否定するが、ローガンは信じようとしない。
「…実は少し前にパウダー令息にエレナと今まで何を話したのか聞いたんだ。最初の頃はにこやかに挨拶だけをしていたそうだが、最近はアリアーナの悪口を言っているみたいだな?」
「な、…っ、う、嘘です!! 私はそんな事言ってませんっ!!」
「あらっ、エレナ様ってぇ、分かりやすいですねぇ〜。」
エレナは顔色を悪くして否定するが、そのエレナの態度はその通りなんだろう、と言うかのようにリリーナが笑いながら指摘してきた。
「君がアリアーナに対して何を思っているのか知らないが、アリアーナが結婚するのが気に食わないみたいだな。」
「だ、だから違いますってばっ!!」
「だが君のその行動で傷付くのはアリアーナだけではない…俺も傷付けられた。君は俺の気持ちを踏み躙ったんだ。」
「ほんと〜に、エレナ様は最低ですよねぇ〜?」
「か、勝手な事を言わないでっ!!」
ローガンに怒りを向けられ、リリーナには嘲笑いながら批難される。エレナは2人に怒鳴り返すが、ローガンの表情は変わらず冷たいまま、リリーナは嘲笑うだけだった。
「リリーナはね。君との事で悩んでいた俺に寄り添ってくれたんだ。アリアーナと婚約解消した事を話しても、笑って受け入れてくれた。君は俺がリリーナと関わりを持っている事に今まで気が付かなかったんだろう? それだけ俺に関心がなかったという事だ。」
「っ…。」
「えへへっ♪」
ローガンはリリーナを愛おしそうに見て、リリーナは嬉しそうにローガンに甘えた。ローガンの言葉に言い返す事が出来ず、2人が寄り添う姿をエレナは見ている事しか出来ない。
「アリアーナと婚約解消してすぐにエレナと破棄だなんて、俺の評判は下がるだろうな。でもそれはエレナの本性を見抜けず、アリアーナと婚約解消した事への罰だと思って受け入れるさ。家同士の政略結婚を断る以上、俺の侯爵家の地位がなくなるかもしれないが覚悟の上だ。」
「…そ、そんな待って下さいっ!! 私は納得出来ません!!」
「もぉ~、エレナ様ぁ、見苦しいですよぉ〜!」
口を挟んできたリリーナをエレナは睨み付けた。
家同士の結婚をそんなに簡単に解消できるのか? と思う方もいると思いますが見逃して下さい 笑
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