観察トレーニング中にピンチが発生!?
私の生き甲斐は、『秋桜コンビ』の恋愛を妄想して小説を書くこと。そのため常に学校では彼女達の観察を行い、素晴らしい作品を書けるようトレーニングの日々は欠かせない。今日も相変わらず観察を行っていた。
しかし、ここで事件が起きてしまう。なんと、私の帽子が強風により高い木の上に引っかかってしまったのだ。あの帽子は2人の観察する上で必須の相棒。私の大事な大事な相棒よ、どうして私を置いてゆく〜。
ただ、私の低身長では取れる距離になく、泣き暮れそうになった時、思いも寄らぬ救世主が現れたのだ。
「帽子が引っかかってる!」
そうあの『秋桜コンビ』の桜様だ。憧れの人に私の帽子を見つけて貰えるなんて、なんと幸せなことだろう。もうあの帽子は諦めても良いかもしれない。
「桜、木なんか登らないでこれで取りなよ」
「凄い良い枝! 秋、ありがとう」
きゃあ〜素晴らしい秋様のアシスト!! あれ如きで懸命に取ってくれるなんて、今日が私の命日だろうか? もう神様にそう言われたら素直に受け入れそう。
これは私から話しかけて良いのか? だけどこんな機会を逃してなるものか!! もし今日が命日だと言うのであれば行くしかない。信者は度胸だ、え〜い!!
「あの……その帽子、私のなんです」
「あぁ〜森さんのなのね。良かったわ、持ち主が見つかって。はいどうぞ」
桜様、神様、仏様、ありがとうございます!! 私、森夢は一生このご恩を忘れやしません。
あ、私はこの神聖な場所を汚してしまったのでは? これは不味い。謝って済む問題じゃないけど、謝らなければ。
「それにしても2人が折角楽しそうに会話していたのに、邪魔してすみません」
「「え? 楽しそうに会話しているように見えたの?」」
嘘!? どう見たって2人は楽しそうに話しているようしか見えない。2人とも常に目も笑っているもの。
「え? だって2人は親友でしょう」
「「そんなことないない」」
成る程、2人は親友を超えた特別な関係なのね。
「私、いつも2人のことコスモスのような関係だなと思って見ていたのですが……」
「「コスモス?」」
2人はどのように認知されているのか知らないのか。
「2人は性格や好みも真逆ですが、調和されているので。コスモスの花言葉は調和で、2人の名前を合わせると秋桜ですし」
あ、2人が見つめ合って笑われているわ!!
「「そうね、私達はコスモスのような関係なの」」
あぁ、なんという幸せ。2人とも永遠にコスモスの関係でいて欲しい。