第7話 偵察任務
うーーん。ブックマークも評価もつかないので、期待薄ですかね。
全82話を予定していましたが…どうしようかな
下の☆☆☆☆☆から評価いただけたら幸いです。
「ああ、貴官は准尉だ。だから、それなりのポジションってものがいる。しかしだ、戦闘能力は低い、それは治癒魔導士であり純粋な戦闘員では無いのだから仕方が無い。そう考えると戦闘能力のある曹長を副隊長にして、貴官を私の副官とした方が良いというわけだ。それに、新入りの割には私の戦闘機動に付いて来れたから副官としても何とかなるだろう」
な、なるほど? まあ戦闘能力の話は、納得だな。さっきの訓練中も全く撃つ余裕は無かったから、飛びながら戦うのも難しいというのもある。だが一番の問題は、そこでは無い。俺の心の中では、軍人である前に、やっぱり医師なんだよ。敵だからと言っても、健康な体に傷をつけることに躊躇いが出てしまう。戦闘機動中に戸惑いや躊躇いは駄目だ。
「小隊長殿、作戦行動中は副官として何か求めるものがありますか?」
まあ、地上勤務中に事務仕事を手伝えってのは分かるよ。こっちの世界の事務なんて簡単な物なのだが、おそらく昔の地球、デジタル化していない時代の事務仕事は、こんな感じだったのかも知れないが、とにかく書かないといけない書類が多そうだ。チラッと小隊長殿の机の上を見ると大量の書類が溢れている。
「そうだな、貴官は補助魔法の魔力供給は出来るか?」
「魔力供給ですか、治癒の一環で患者に魔力を供給することがあるので出来ますが?」
一応、使えるが治療として必要かと言われると微妙なところだ。魔力欠乏症になると、ふらつきや意識障害を起こすことがあるので、それを一時的に改善すると言う事で学んだが……本来の患者なら治癒魔導士を呼ぶ前に、手っ取り早く薬を飲むと思うんだ。実際、これを使ったのは患者と言うより、フライタスの練習や治癒魔法の使い過ぎた訓練生の同期に使うことが多かったんだ。
「私は魔力の出力が高い分、消費も激しくてな、すぐに空になってしまう。そこで定期的に魔力を供給してもらいたいのだ」
「ああ、なるほど。それなら自分が適しています。自分は魔量は多いし回復速度も早いので渡せますよ」
「ふむ、それでは、貴官には、先ほどの飛行訓練と同様に私の護衛と、魔力供給に期待する。これから頼むぞ!」
「はい! 了解いたしました! ……あの、念のために確認なのですが、自分が来る前、魔力供給は曹長がやっていたのですか?」
「いや、曹長も他のメンバーも魔力供給は出来ない。だから魔力回復薬を大量に持って飛んでいた」
いやー、それは持ち運びも面倒だけど、そもそも、しょっちゅう飲んでいると、お腹に堪えそうだな。
「それは、たい『小隊長殿、司令部より緊急入電です。通信室までお願いします』」
小隊長殿と俺は、通信室の向かいながらも話を続けていた。
「では、副官……呼び方は名で呼んでも良いか? そうか、ありがとう。では、フリードが良いか、それともレオナが良いか? どうも副官と呼ぶとエミール曹長を思い浮かべてしまってな」
別に役割で呼んでも構わないし、階級で呼んでも構わないが、出来れば名前の方が自分が呼ばれているって分かりやすいから良いかな
「はい。では、レオナでお願いします」
まあ、ファミリーネームも、実際は孤児院の名前だから、自分でもピンとこないことがあるんだよな。
「良し。ではレオナ、一緒に来てくれ」
通信室に向かうと通信機の前にアーネストさんが座って操作していた。司令部からの指示が来たらしい。
「小隊長殿、どうぞ!」
司令部から受け取った暗号電文を、復号したあと小隊長殿へ手渡した。
「はぁーー。どうやら仕事のようだ。ヘルシュタイン、総員を作戦室に集めてくれ。レオナ、魔力供給できるか、今のうちに補充しておきたい」
小隊長殿がアーネストさんと俺に指示を出しながら歩き始めた。俺もとりあえず小隊長殿の横を歩きながら補助魔法で魔力供給を行う。
うーーん。たしかに、先ほどの訓練だけで小隊長殿の魔量はずいぶん減っているようだ。自分の状態と比べると消費量は俺の倍以上で、回復速度は二割程度じゃあないかな。なるほど、俺が歩きながら行った魔力供給ですぐに満タンまで溜まったので、そもそも蓄えられる量も決して多くはなさそうだ。
アーネストさんが非常招集のベルを鳴らしたので、作戦室に隊員たちが集まって来た。
隊員たちが作戦室に集まると、小隊長殿の鋭い声が響いた。
「司令部からの命令だ。オステリカ公国との国境付近で不穏な動きがあるとの情報が入った。我々は即座に出発し、現地の状況を偵察する」
隊員たちの間に緊張が走る。国境付近の情勢は最近急速に悪化しており、敵勢力が越境してくる可能性も示唆されていた。特に第八魔導遊撃小隊のような少数精鋭の部隊にとって、偵察任務は危険度が高い。敵に発見されれば、即座に戦闘に発展する恐れがあるからだ。
「偵察なので少人数で向かう。出動メンバーは、私とレオナ、そしてヴォルフとトレンスナーだ。他の者は待機だが、場合よっては防衛戦に移行する可能性があるので、出動準備は整えておくように」
小隊長殿の指示に、頷いたものの、内心では不安を隠しきれない。訓練とは違い、今回は実戦が避けられないかもしれないよな。
はぁーー、ツイてないなぁーー。
偵察隊は、小隊長殿を先頭に、偵察に特化したルーカス・ヴォルフさんと狙撃手で目の良いソフィア・トレンスナーさんと治癒担当の俺で行くことになった。
俺たちはフライタスで一刻程飛び、オステリカ公国との国境近くに到着した。地表は鬱蒼とした木々が生い茂り、ジャングルと化した地帯が広がっていた。時折かつての戦争の爪痕と思われる残骸や廃墟と化した村や焦げた木々が点在している。
「敵は地上部隊の可能性もある。我々も地上を進みながら、上空も警戒しつつ、国境に向かう。何か動きがあればすぐに報告を」
小隊長殿が短く命じ、ヴォルフさんとトレンスナーさんは広範囲に散った。ヴォルフさんは遠方を監視するために索敵魔法を展開し、トレンスナーさんは狙撃用の魔導銃を構えながら進行し始めたようだ。
俺は小隊長殿の護衛として常に傍に居なければならない。少しでも異変があればシールドを展開出来るように心がけながら歩いた。
夕暮れが近づく中、俺たちは国境地点に向けて、ジャングルの奥深くへと進んでいく。
インカム越しにヴォルフさんが一瞬息を呑んだのが分かった。
「小隊長殿、魔力反応があります。数は……六、いや七体だ。かなり近い」
「敵か」
「はい、魔物の気配と共に、明らかに訓練を受けた兵の魔力です。」
魔力を纏った敵兵が近くにいると知り、一同の表情が一気に引き締まった。小隊長殿は索敵魔法の位置情報を再確認し、敵が越境している事を確認して、すぐさま司令部と連絡を開始した。
「第八魔導遊撃小隊より司令部へ」
「司令部だ。第八魔導遊撃小隊どうぞ」
「第八魔導遊撃小隊より司令部へ、国境を越えて我が帝国領土に侵入している七体を確認した。交戦許可を」
「司令部より第八魔導遊撃小隊へ、駄目だ。まだ交戦は許可出来ない。相手が何者か確認されたし、オステリカ軍と判明すれは交戦許可を出す」
「第八魔導遊撃小隊より司令部へ、了解した。これより確認してみる」
はぁーー、司令部は簡単に相手が誰か確認しろって言うが、確認する方は大変なんだけどな。大体、こんなとこに、人里離れた場所に善良な住民は居ないって、絶対、隠れている盗賊団か敵だよ。
「このまま敵に気付かれるわけにはいかない。トレンスナー、狙撃位置を取れ。ヴォルフ、敵の位置を正確に把握してトレンスナーに伝えろ。レオナは、全員をサポートする準備をしておけ」
ほどなくして、明らかにオステリカ公国の先遣隊と思われる者がこちらに向かっていることが目視出来た。
ほら、やっぱり敵じゃないか!
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