表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

03 ミドラ区会公園

 子どもたちの大きな声が響いている。

 今日はミドラ区の清掃活動の日だ。区内を回って一番ゴミをたくさん見つけた人が勝ち、というチーム戦だ。その際にゴミじゃないものをゴミとしたりしたら失格になる。

 清掃に参加できない小さな子は公園で一緒になって遊んでいる。子どもたちの指導は風の灯り亭の看板娘のサンだ。


「ちょっとそこ! 砂場で格闘しない! 山が潰れるでしょ」

 当人もまだ十二歳だというのに、子どもたちのあちこちに指導をする。

「ユン、あっちの子たちと遊んだげて。砂場から離してね」

 元気なちびっ子たちを見て、弟のユンに指令をだしている。

「キックはお花摘んでる子たちに花冠とか教えてあげてよ」

 下の弟のキックはややおとなしめな子だ。静かな遊びが好きな子たちとは気が合うだろう。

「はいはい。……おまえらー、あっちで遊ぶぞー」

「草笛とかも楽しいかなあ。ねえ、どっちがいい?」

 宿屋の孫たちは色んな人と関わるからか、なかなか子どもたちの相手もうまい。サンも小さい子たちの安全に気をつけながら相手をしている。

 やがて二時間も経つと子どもたちは日陰に集まってきた。清掃は午前の早い時間だったが、もう少し終わるまで時間がある。日が昇ってきて気温が上がったのだ。

「ちょっと暑くなってきたね」

 サンが額の汗を拭うと、霧のようなものが公園に降っている。服が濡れない程度、体の暑さが冷えるくらい。

 公園の入り口に目をやったサンは竜燈に向かって手を振った。

「水竜様、ありがとー! 涼しくなった!」

 皆も一緒にありがとう、と叫んだ。

 ワイヤーで組まれた竜燈の上にいる水竜はサンたちに翼をパタパタと広げてみせた。少しだけ顔も嬉しそうにみえる。

 子どもの声で賑やかな公園を水竜は楽しんでいる。



とりあえずここまで。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ