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01 風の灯り亭


 汗が滲む季節は風が気持ちいい。

 人通りの多い道を一つ中に入れば、風の灯り亭はある。屋根のあたりから人の姿を眺めていれば、見覚えのある男が歩いてくる。この宿屋のドラ息子、ヒューイだ。


「ただいま。お客さん連れてきたよ」

「こんにちは。お邪魔します」

 宿の外には受付で騒がしくしている声がする。このヒューイは宿屋の者の癖に外に出てしまった子だ。普段は見当たらず、月に数度訪れてはやらかしている。今回は珍しく客を連れてきたらしい。

 感心だ、などと思っているとまた外に出てきた。

 宿から出て何処に行くのかと思っていると、段々近づいてくる。そして斜め下にやってきた。睨めつけてやれば、へらっと笑うヒューイだ。

「あちらが風竜様です。まだ明るいですから、灯りはついていませんが」

 言いながら客に示してくる。感動したような表情にやりにくさを感じるが、どうやら自分を目当ての客だと理解した。拝む仕草の客に少しだけ風を寄せてやる。ふわっと浮かぶ前髪に客の男は目を丸くする。キョトキョトと燈に視線をやったり外したり。

「暗くなったらまた見てみてくださいね」

「うん。そうさせてもらうよ。なんとも優雅な姿だね」

 満足そうな客を伴って去って行く。その背中に風を吹かせてやれば、手をひらひらと振るドラ息子はニコニコと笑顔で振り返った。



サイトを改めて作ったので、そちらの連載分を載っけてます。

途中で止まってる話もまた考えようと思っているので、気長にお待ちください。

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