イジメ捜査 9
殆ど誰も出てきません。
台詞メインで書いています。
すでに山崎の取り調べは始まっており、山崎は中山と組自分が岡田を殺したと自供したのだった。だが山崎は、どうやって中山と繋がったとは話さなかった。しかし貴重な証言を聞けたためそれを持って安積は、中山の取り調べに向かった。
安積が来るまで結城が取り調べを行い中野が記録を採っていたが、中山は何も話さず黙秘していた。安積が取り調べ室に入ると、結城に声をかけた。
「ケイト、ここの取り調べは私がやるわ。ナカも記録はいいわ。」
安積が声をかけると結城も中野も何も言わず取り調べ室を出て行った。安積は山中の前に座るとすぐに取り調べを始めなかった。
「久しぶりね、山中マナミ。」
「こっちこそ久しぶり安積。」
「私はねあんたのせいで人生最悪の中学校生活を送ったの。その気持ちあんたにわかる。」
「そんなもんわかるわけ無いでしょ。」
「そうでしょうね。あんたのせいで人生台なしになったのよ。やっと私はイジメから解放されると思ったのにあんたのせいでまた同じ事を繰り返したの。本当にあんたって人間としてくずね。」
安積は絶対に暴言を吐かかなったが、ここにきて始めてはいた。しかし山中も黙っていなかった。
「あんた良く言ったわね。あんたなんてね他の校区からきた部外者なんだから。関わっ‥‥‥」
「中山、もう一回言いなさい。今なんて言った。」
安積は中山の話しているのを遮った。更に立ち上がり中山の胸ぐらを取った。
「あんたそれって差別なのよ。あんたはどんな童話教育を受けたきたわけ。あんた見たいな人間を造らないために勉強させたんでしょ。全員で受けた部落差別の話し忘れたの。」
「人間に好き嫌いあるでしょ。それと同じでしょ。」
「好き嫌いの問題だったらなんでも無いけど、イジメるのは問題なの。ていうか犯罪なの。」
安積は中山から手を話した。
「あんたのせいで何人の人が苦しんだと思う。あんたの命令で何人心に傷を作ったと思う。私に水を掛けた男子生徒、私の髪を切った女子生徒、私の鎖骨に傷を作った女子生徒。」
「何が言いたいのよ。」
「あんたは卑怯よ。自分の手を汚さず相手の手ばっかり汚して。それ見ててどう思ったの。指示されただけの男子生徒女子生徒が先生に怒られて、あんたは笑って見てただけ。本当にあんたの心って汚すぎるわよ。」
「そんなこと知らない。第一誰がそんなこと言ったの、証拠は。」
「私はね、鎖骨にカッターで傷を付けた女子生徒の声を聞いたの。とっても小さな声で何度も『ゴメンゴメン』そういてったの。」
「そんなこと私に関係無い。」
「関係無い、良くそんなこと言えるわね。あんたは私の中学校生活だけじゃ無い、部活動でもやったのよ。」
「何、私があんたの部活動生命を壊したって言うの。」
「そうに決まってるでしょ。部活でせっかく新しい友達できたのに、あんたは私から友達も番手も奪ったのよ。私気づいてたの、始めてできた友達とあんたが喋った後私に話しかけてくれなかった事。」
「その証拠何かあるの。」
「証拠なんか無いけど、現に今あんたは私から大事な恩師も奪ったの。私からどれだけ大切な物を奪えば気が済むの。あんたなんかオリオン座の神話の国王と一緒よ。」
「何のこと。」
「オリオンはね女の人に恋をしたの、でもねその女の人は国王も好きだったの。その罰としてオリオンは国王に目を潰されたのよ。それを助けたのが神々だったの。あんたは私の心を潰したの。それに先生だけじゃない私も殺そうとした。確かに私が死んでも哀しまない人泣かない人だっている。私が死んでも世界は何にも変わらない。でもねこんな私でも大事な部下がいるの。あの子達がなくかなんて判らない。それでも私が生きて無いとこの班は成立しないの。あんた見たいな凶悪犯がいるから私たちはいないといけないの。」
「こんなことになるならあの時あんたも殺せばよかったは。逆にあんたの大事な人を奪ってあんたを自殺にでも追い込めばよかった。」
安積は声のトーンを落とし言った。
「今の私と昔の私は違うの。昔みたいに弱くない。」
「それは、刑事としてでしょ。実際どうなの。」
「逆に聞くけど、あんた昔から何か変わったの。商談相手怒らせたそうじゃないの。」
「怒らせたって言っても、向こうが無理な要望言ったり、私に何にも言って来なかったから私はね強く言っただけ。」
「あんた本当に自分ができると思ってるの。」
「何よ、私になんにもできない女って思ってるの。」
「現にそうだったじゃない。」
「あんたも仲間がいたからここまで来れたんでしょ。私だって何人も信頼できる仲間がいたわ。あんたよりいっぱいね。」
「本当に信頼できる仲間だったの。自分の背中を護ってもらえる仲間だった。」
「そうに決まってるでしょ。私は選んで友達を作ったのよ。じぶ・・・・・・」
「自分を護ってくれる仲間を。」
安積は遮った。
「弱者や自分と同じ性格の友人を持てば自分は強いように見える。相手が弱く見えたその瞬間陥れる。それであんたは自分の手を汚さず相手の手ばっかり汚してきた。今回もそうだったんじゃ無い。山崎は岡田先生をめった刺しにして、あんたは東雲先生をひと突き。なら山崎は重罪、あんたは軽罪で済むもの。でもねここまできたらもう軽罪じゃあ済まないの。」
「なに、もう知人としてではなく、刑事として話しをするの。」
「そうね、そろそろ本題に入ろうか。」
「じゃあ最後に、なんで安積だけ愛されたの。」
中山は真剣に質問した。安積は少し考え答を言った。
「結局あんたも愛されてたのよ。じゃあ私も最後の質問。何が中山をそうしたの。」
中山は何も答えなかった。いや答えられなかったのだ。安積の答えもされた質問にも、自分の答えが判らなかった。結局頭を下げてしまい、本格的な取り調べに入った。
「中山、あなたはいくつも罪を犯しているから順に話しを聞いていくは。まず三日前の夜貴方は目黒の公園で殺された岡田寛子さんを私の警察署の管轄まで持って来た、それはどのようにして運んだの。貴方一人じゃ運べるとは思わないわ。」
「袋に死体を入れて元旦那に運んで貰った。その時中には人形が入ってるから代々木公園まで運んでってお願いした。」
「なんで人形って嘘ついたの。」
「変な疑いかけられたく無かったから。私たち再婚予定してたの。私の性格を直すことを約束して。」
「じゃあ旦那の名前と住所教えて。」
「有本トウヤ、住所は東京都新宿区○○○○○よ。」
「ありがとう。じゃあ次、貴方は私を殺そうとしたその理由は。」
「あんたを殺せば無差別殺人のように思われると思ったの。中高の先生と安積が殺されたら、安積の事を知ってる人物に絞られて罪を逃れられるそう思ったから、あんたを殺そうとした。でも、きっと迷いがあったんでしょうね。左胸を刺さなかったのは。」
「でも殺意はあったんでしょ。傷は真っ直ぐではなく斜め、下から上に刺さってたもの。じゃあ次、どうやって私がいる病院を知ったの。ニュースでは報道されないし、話し聞ける人もいないでしょ。」
「多分あの場所だったらあそこしかないなと思って、森川に匿名で連絡したの。」
「わたった。次は、なんでもう一度私を狙ったの。」
「わかんない、多分怖かったんだと思う。ここでやらなかったら直ぐに私が犯人ってばれるとおもった。」
「悪いけど、私は先生が殺されたり自分自身が狙われた時、犯人はあんたじゃないかって予想してた。」
「それって、私が犯罪起こすって思ってたの。」
「そうね、私にだけ起こすと思ってたは。あんた私のこと嫌いでしょ。」
「嫌いよ。」
「そう。じゃあ最後、私のこと新聞で知った。」
中山は驚いた。どうして知っていたのか。
「私のことは一ヶ月前東都新聞に載ったわ。それ以外にも小さな記事で何回か載った事がある。」
「そうね、知ったのは一ヶ月前、実行に出たのは二週間前ぐらいだと思う。」
「その頃から、山崎と連絡をとり始めたのは。」
「うん。たまたま知り合ってそのうちあんたと同じ高校言ったって聞いて、名前言ったら直ぐに反応したは。しかも、同じように先生に殺意があると言ってたの。」
山崎は須田水野黒木の取り調べを受けたとき話した。
「私は先生の事恨んでる。だって先生は安積の事イジメてた人がいっぱい居るのに私ばっかりに怒ったから。だから大人になった今先生に復讐しようと考えた。」
そう話している。しかしそれ以上話さなかったが、すでに岡田を殺しているのは、わかっていたいため、書類が揃い次第逮捕状を執行するとなっている。
中山の取り調べは全て終了した。結果、中山には東雲弘康を殺した殺人罪、安積を二回殺そうとした殺人未遂罪、岡田寛子の遺体遺棄罪、おそらく過去の事件も追加されるだろう。山崎は殺人罪、中山の旦那は何も知らなかったため、関与の厳重注意がかせられた。しかし安積はまた中山に話しかけた。
「ここから貴方に先生を殺した事を後悔させてあげる。」
安積は机の上に卒業アルバムや卒業文集、手紙を出した。
「貴方に嫌いって聞いたけど、私も貴方の事嫌いよ。あんたは私から何もかも奪った。でも、先生はあんたのこと捨てて無かったの。まず卒業アルバムを見て。」
卒業アルバムを開くとまずクラス写真のページを開いた。
「ここにあんたの写真ないわよね。あんたも四組の一員だったのになんで。」
「どうせろくに学校行ってない生徒が写真撮っても陰口言われると思ったから。」
「あんたが今までやって来たことはそれよ。まあそれだけじゃ私の気持ちなんてわかんないでしょけど。陰口言われるのがどれだけ怖いか体験できたんじゃない。」
「そうね。」
安積はページをめくり、最後の寄せ書きページを開いた。
「ここには先生が思っていた事が書かれてるの。貴方のところ良く見てご覧なさい。」
『中山さん、貴方は中々学校に来れませんでしたね。心配でした。これから高校へ駒を進め更にいろんな進路へ進んでください。』
「先生はあんたの事心配してた。それにこの卒業文集覚えてる。先生が紙を届けてくれたから、ここには書いてあるんでしょ。見捨ててたら、きっとここにあんたの文集無かったののよ。」
中山は何も話さずただアルバムを見つめていた。
「それに先生の日記には貴方の事がいくつも書かれてるの。さすがに持って来れなかったから、覚えてるとこだけで言うと、『中山さんはクラスになじめなかったのかな。もっと私が良いクラスにしないと』って自分を責めてたのよ。」
「なんで、そこまで・・・・・。」
「貴方もクラスの一員だったからでしょ。最後はこの手紙、これはクラス全員に配る予定だったみたい。何人かはすでに文通してたみたい。」
『中山マナミ様。お元気ですか。卒業してからかなり月日は流れたけど、どうお過ごしですか。私は教師生活を楽しんでいます。もうすぐ定年だけど最後まで楽しもうと思っています。私はカウンセリングの資格を取り今はボランティアで子供を主にいろんな人の話しを聞いています。もし、貴方にも悩みが、あれば相談してください。いつでも話しを聞きます。ここにメールアドレスと電話番号を書いておくので、文通でも電話でも良いので話してください。梶野寛子改め岡田寛子。』
「私の文通はすでにあんたも呼んだでしょ。あんたは折角の先生の手紙を汚したの、その代償はしっかり罪を償って反省すること。良い、二度とこんなことするんじゃないわよ。それと、私が刑務所に会いに行ったときあんたは私の中学時代の話しをしっかり聞くこと。わかった。」
中山は涙を流しながら頷き、手紙を握り締めた。
取り調べを終えると、安積は中山と山崎の逮捕状と家宅捜査礼状を取りに行った。送検は安積の仕事のため、家宅捜索には他のメンバーが出た。衣服や刃物類は全て押収されルミノール反応を調べた。結果反応はあり、血液鑑定の結果、中山マナミの包丁、衣服から東雲弘康岡田寛子の血液が検出された。
それから数日後、安積は中山の刑務所に向かい話していた。
「知ってるか知らないけど、中山て休んでる間結構悪口言われてたのよ。それにあんた体育大会の練習のとき泣いてるあんたにわざわざ靴渡したのにお礼無かったのね。それは社会じゃあ絶対に通じないから、覚えておきなさい。」
「安積どんだけあるの。」
「そんなのわかる訳無いでしょ。私は中山貴方の事嫌いなんだから。散々言った分私にも言わせなさい。」
「わかった。まあ私もあんたの事嫌いだから。」
「まあ一つだけお礼を言うなら、私が水筒忘れたとき届けてくれてありがとう。じゃあそろそろ時間だから帰るわね。また会いましょう。」
そう言って安積は面会室を出て行った。中山も部屋に戻って言った。
事件解決してからのこと、安積の身体中にあった傷や痣等は直っていき、気づけは髪の毛を束ねたり、首元の開いた服を着るようになっていた。更に班の功績を残しイジメ捜査班は安積班以外に生活安全課に増えていった。
安積はーー署の屋上で事件解決後見えなくなったオリオン座を今日も探しているのだった。
今年は受験生なので、これで一旦終了しようと思います。
時間があれば一人のずつの過去を書こうかと思います。
感想や改善点を書いてくれれば嬉しいです