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強行犯特別捜査班 Final  作者: 村雨海香
3/9

イジメ捜査 3

中学時代は実体験です。

高校時代は殆どが実体験ですが、クラスの人数や出来事は変えています

 二十九年前安積は中学に入学した。安積の通う中学少し特殊である一校区の生徒は付属の中学に行かず、別の近郊の中学に通う事になるのだった。元々あるマンモス小学校にごく数人の生徒が新たに入るのだった。それは良いことであり、悪いことでもあった。安積的には少し嬉しかった。今まで自分をイジメていた人たちと離れることができたから。入学当初は楽しかった。いろんな部活動体験に行き、ぎりぎりまで悩んだ。最終的に安積はソフトテニス部に入った。しかしソフトテニス部はいろんな噂が流れていた。

「あの部活の先生は人を贔屓する人。」「その校区の人は入っても馴染めない。」

 等と言われていた。しかし自分で決めたからもう後戻りはしないと心に決めたのだった。入って見ると案の定安積しかその校区のこはいなかった。とても心細かった。初めは何人かが話しかけてくれた。友達もできた。でもある日突然話しかけて来なくなった。自分から話しかけても「そう」とか「えっ。」といった薄い反応しかされなかった。そのうち安積は一人になっていた。とても苦しくてとても寂しかった。部活がある二時間誰とも話さず終わってしまうのだった。そのうち部活に行くのが億劫になってしまった。そしてそれに留めをしたのは当時ボス的存在だった中山マナミだった。あいつは安積と目が合うと「なに」と言って睨んで来るのだった。私が一年のサーブ練習をしているときみんなボールを打ちっぱなしだからボールを送っていたら「なに一人でボール送っとん。お前も打てよ」と言ってきた。安積は『お前達のためにボールを送ってんのになんなんその態度』と思った。何日か一緒にしゃべってくれた友達が話さなくなった理由がわかったとき、安積は正直胸が苦しかった。安積と喋った友達が、中山と話した次の日から喋らなくなったのだった。それ以来安積はずっと苦しんだ。しかし中山は夏休みに入ると部活に来なくなった。全く分からず部活から姿を消したのだった。中山は先輩から嫌われていた。先輩方がわからくて考えているときあいつは「何々じゃないんですか。」と言ったのだった。笑っていた先輩の顔は一瞬にして替わった。あいつは自分が一番偉いと思っていたに違いない。

 安積は先輩が行った夏の総体インドア大会で体調を崩した。夏の総体ではバスと外の気温差で熱中症になり熱を出した。インドア大会では軽いバス酔いを起こした。その時看病してくれたのは先輩だった。目を開けても横にいるのは先輩で、同級生の姿は無かった。しかし看病をしてくれた先輩も裏では安積の悪口を言っていた。時には大きな声で聞こえるか聞こえない位の声で言っていた事もあった。

 部活では散々だが、クラスでは楽しかった。新しい友達森川アヤノとずっと話していた。小早川ハルナという歴女の女の子も友達になった。アヤノとは何度も遊んだ。家にも行ったし家にも呼んだ。塩田ナナミとも仲良くなり安積にとって最高の時間を過ごしていた。好きなものも似ていて、何度も大きな街に足を運んだ。

 二年に上がると私は部活に参加しなかった。自己紹介では「今は休んでいますが、ソフトテニス部です」と紹介した。部員に呼ばれてまた行くことになった。先生から話しがあったらしい。しかし話してくれるのは一日二日程度だった。その時職業体験実行委員が始まった。私は実行委員に立候補しクラス代表になった。部活に行く時間が減り私には嬉しかった。しかし番手は下位まで下げられた。その時の顧問は上手い子しか見ない人だった。安積はその先生の事が嫌いだった。安積は下位で新一年と一緒に練習した。その中には昔一緒に町のバドミントン大会に出た子もいた。安積は毎日死のう死のうと考えていた。死んでも悲しんでくれる人はいない、ただ私を笑うだけ、と思っていた。

 職業体験が終わった後、私は誰かに噂を流された。

「安積ミツキは部活でも、クラスでも一人。」「友達がいないんだって」

 何時何処で誰が見ているか分からなくなった安積は不登校になってしまった。一ヶ月近く学校を休んだ。その間何度も担任の先生が会いに来てプリントを渡してくれた。おそらく初めて安積が心を開いた先生だっただろう。安積の友達も何度も家に来てくれた。立石リノ坂口アコは得に安積の気持ちを聞いてくれた。安積は先生と友人のおかげで学校に行くことができた。二年の冬今度は校外学習の実行委員が始まった。それに私はまた参加した。時期が悪く学級閉鎖、学年閉鎖と立て続けに起きた。そのおかげで実行委員会は部活終了まで長引いた。でも校外学習は楽しかった。

 三年生に上がる前、修学旅行実行委員というのがあったが、クラスにいた、良いとこしか取らない女が約を取って行った。その女は生徒会執行部を二回委員長を複数回やって先生から贔屓されていた。その女はクラス中に「私今度実行委員やるから」と良い回った。結局私は最後の実行委員ができなかった。その日部活に行くと修学旅行実行委員の事をみんなに聞かれた。安積は今回降りたと話すと、

「何で、あんな子より断然良い」「あの子良いとこしか取らないから嫌い」

 と言ってくれた。その時は正直嬉しかった。

 月日は流れ三年生に上がった。三年生に上がると部活の引退はまじかだった。休みがちだった安積は試合に出られなかった。なら最後の最後までみんなの応援をしようそう考えた。最後まで応援し安積は誰とも友達を作らず引退した。

 三年生の担任の先生が今回の被害者岡田寛子だった。当時は岡田ではなく梶野だった。とっても優しいが怒ったら怖い。よくも悪くも安積の事を見てくれたいた。何度も相談に乗ってくれたし、話しもよく聞いてくれた。理科の先生で、地学が大好きだった。他の授業では普通に淡々と授業が進んで行ったが、地学には凄く熱が入っていた。安積はその時いっぱい星座の知識を得たのだった。一番思い出深いのがオリオン座だった。初めて先生に教えもらった星座で、冬になると絶対見える。冬に空を見上げると何時もオリオンはいた。だから安積は何時でも何処でも繋がっていると思えていたのだった。

 休みがちだった安積は成績がかなり悪かった。公立、私立の境目に立っていたのだった。しかし先生は相談に乗ってくれて、安積は公立のずっと行きたかった工業高校に、進学することができたのだった。優しい先生で、好きだった。誰にも贔屓せず、平等に見ていた。


 高校に進学すると、安積と同じ中学の生徒はいなかった。安積の専攻した科は化学だった。化学分野のクラスに女子は四人いた。他に電気クラスに一人、いた

 やっとイジメから解放されると思った。しかし、誰かが安積の過去を言い触らしたのだった。安積と同じクラスの山崎ユラはその噂を全て信じ、ついには言ったと思われる人物と連絡を取り合ったのだった。結局噂を信じることを選んだクラスの大半は安積を敬遠したのだった。しかしその噂を信じなかった生徒もいた。同じクラスの小川フウカと竹中ナナネはその噂を信じず、ずっと一緒にいた。高校は専門の文化部に入った。いろんな行事に参加した。しんどい事もあったけど、とっても楽しかった。部活に入るということは先輩がいるということ。安積は心配になりながら入ったが、その心配は無かった。むしろ安積の事を溺愛したのだった。何度も遊びに行ったし、制服で遊んだ事もあった。それは二年間続いた。とっても楽しい先輩後輩関係だった。当時入部した同級生は六人だった。化学クラスから四人電気クラスから二人だった。同級生は男子生徒しかいなかった。二年に上がると先輩達の引退が近かった。二年から新たな部長を選ぶのだが、安積と電気クラスの渡瀬ユウしか殆ど部活に参加していなかったため、強制で安積が部長になった。前部長からも指名されたのだった。それから化学クラスの四人と戦いながら二年半の部活を終えたのだった。

 クラスの方では、多少浮いた存在だった。浮いているといっても中学が替わっているという事が有名でよく話しかけられていたのだった。その時担任だったのは、東雲弘康だった。先生は三年間化学クラスの担任を請け負ったのだった。東雲先生は安積によく頼みごとをした。野外活動のカッター訓練で使うテイキのイラストや、パンフレットの表紙を頼まれた。文化祭ではなにか良い案がないかと何度も尋ねられた。

 安積は悩みを抱え込むタイプだったため、よく先生に相談した。優しく話しを聞いてくれた。三年間優しくしてくれて、安心できる先生だった。


 大学に進学すると、一人暮しを始めた。高校時代に付き合った渡瀬ユウと結婚し、安積の仕事の都合で離婚した。しかし今でも連絡を取り合い月に何度かは会っている。大学卒業後には警察学校に入学し今の安積ミツキとなった。

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