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ARCADIA ver2.00  作者: Wiz Craft
73/169

 S3 PLAYER'S AREA

 町は深い闇に覆われていた。巻き上げられる赤土は暗闇に紛れて冒険者の身体を赤く染めて行く。赤野に吹く風は生温かく、冒険者にとっては心地良さとは対岸に存在する感覚だろう。

 その生温かい夜風の中をマイキーは一人駅前へと向って歩いていた。すれ違う冒険者と云えば、指で数える程の僅かな冒険者。そのほとんどがあの寂れたホテルへと帰るところであった。

 小規模なこの町を見歩くのに時間は要さない。まずは駅前のギルドにて情報を集める。それから軽く町を一周して宿へと戻るつもりだった。

 ギルドの周りは駅前だというにも関わらずシンと静まり返っていた。建物には飾り気も何も無い。赤土の壁には、ペンキの白文字で乱雑に落書きが施されていた。それがこの町の在り方を象徴している。無秩序に建てられた建物には、冒険者を支える機能性など微塵も考えられていない。ただ最低限のルールと生活を保障する掘建て小屋のようなものだ。

 煉瓦造りの枠に囲まれた開き扉の無い入口を潜る。中に入ってマイキーは閉ざしていた口に鍵を掛けるかの如く、完全に閉口する。そこには通常のギルドで見られる寛ぎのスペースなど存在しない。入口の中にはただ乱雑にクエストカウンターが並んでいるだけだった。

 人気ひとけの無いカウンターに腰掛けたマイキーは、壁の窪みに埋め込まれた草臥れた端末コードにPBを接続し表示されるクエストの内容を確認する。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ▼探索クエスト

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 【GR2】風見鶏を追え New!!


 バスティア荒原の各地で白青鳥コカトリスとは異なる赤い鶏冠が特徴的な白鶏が目撃されている。風向きに順じて飛行すると云われるこの鳥を解析する事で、現在開発中の風向計測器のヒントなる可能性がある。風向を知る事は狩りにおいて重要な意味を持つだろう。何故なら風下か風上か。その情報の有無だけで戦局は大きく変わるのだから。捕獲の成功報酬として、現在開発途中の風向計試作機を付与する。


 報酬:風向計試作機


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 ▼納品クエスト

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 【GR2】ワイルドファングの毛皮×3---◆GP2,51ELK

 【GR2】コカトリスの羽毛×3---◆GP2,60ELK

 【GR2】メルボルの毛皮×2---◆GP3,64ELK

 【GR2】ボマードの毛皮×2---◆GP3,72ELK

 

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 ▼戦闘クエスト

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【GR2】Wild Fung

 ○ワイルドファング討伐×10到達時点---◆GP2,WFブーツ

 ○ワイルドファング討伐×25到達時点---◆GP4,WFキャップ

 ○ワイルドファング討伐×50到達時点---◆GP6,WFトラウザ

 ○ワイルドファング討伐×100到達時点---◆GP10,WFベスト


【GR2】Cocatris

 ○コカトリス討伐×10到達時点---◆GP2,白青鳥の羽靴

 ○コカトリス討伐×25到達時点---◆GP4,白青鳥の羽帽子

 ○コカトリス討伐×50到達時点---◆GP6,白青鳥の羽当て

 ○コカトリス討伐×100到達時点---◆GP10,白青鳥の羽織物


【GR2】Melbol

 ○メルボル討伐×10到達時点---◆GP3,白麒麟の革靴

 ○メルボル討伐×25到達時点---◆GP6,白麒麟の皮帽子

 ○メルボル討伐×50到達時点---◆GP9,白麒麟の膝当て

 ○メルボル討伐×100到達時点---◆GP15,白麒麟の胴着


【GR2】Bomard

 ○ボマード討伐×10到達時点---◆GP3,ボマードレーゲル

 ○ボマード討伐×25到達時点---◆GP6,ボマードヘルム

 ○ボマード討伐×50到達時点---◆GP9,ボマードギア

 ○ボマード討伐×100到達時点---◆GP15,ボマードメイル


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 ▼期間限定クエスト

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 ○紅野の奇兵隊


 スティアルーフの街からセント・クロフォード号にて北北東へ73km、赤々と広がるバスティア荒原にて。調査隊の数組がこの地で突如、得体の知れない何者かに襲撃を受けて命を落とした。彼らの証言に依ると連中は人の形に酷似した未知の生命体であるとの事。交されていた言語は、開拓言語の響きとは異なる異種の言語であると云う。突然の襲撃を受けた事から意志の疎通が取れるとは思えない。惑星の開拓において彼らの存在は脅威となるだろう。君達の任務はこの荒原に存在する彼らの野営地の在処を突き止め、指導者を打ち倒す事にある。頭を失った蜘蛛は息絶える。それは組織とて同じ事だ。任務成功の暁には、スティノフ鉱山の発掘権利を与えるものとする。


 報酬:スティノフ鉱山発掘権利


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 ▼システムクエスト

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 【GR2】シーフ認定試験

 Class:シーフの解放には下記の納品アイテムが必要となる。

 ▽納品アイテム

  狂狼の牙:1枚

 以上のアイテムの納品確認後、シーフへの転職権利を授与する。


 【GR2】ダンサー認定試験

 Class:ダンサーの解放には下記の納品アイテムが必要となる。

 ▽納品アイテム

  コカトリスの碧眼:1枚

 以上のアイテムの納品確認後、ダンサーへの転職権利を授与する。


 【GR2】モンク認定試験

 Class:モンクの解放には下記の納品アイテムが必要となる。

 ▽納品アイテム

  白麒麟の鬣:1枚

 以上のアイテムの納品確認後、モンクへの転職権利を授与する。


 【GR2】ヘヴィウォーリア認定試験

 Class:ヘヴィウォーリアの解放には下記の納品アイテムが必要となる。

 ▽納品アイテム

  ボマードの巨蹄:1枚

 以上のアイテムの納品確認後、ヘヴィウォーリアへの転職権利を授与する。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 クエストの内容はスティアルーフで確認したものと大差は無かった。

 唯一の相違点と云えば、風見鶏の探索クエスト。風向計試作機とやらがどれ程の性能かは知るところでは無いが、然程の魅力は感じられない。大体風向きなど実際に身体で風を受ければ窺がい知れそうなものだ。


「もう一つ、メニューがあるな」


 ギルドのメニューにはもう一項目、他の町では見られない項目が存在した。


――PLAYER'S AREA――


 この世界では見慣れないその英字に、徐にページを捲るマイキー。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ■PLAYER'S AREA


 プレーヤーズエリアとはプレーヤーによって開拓可能な土地の領域を示します。このエリアにおいてはプレーヤーは建設区分から自由な建造物の建設が可能となります。その用途はマイホームから各種ショップ、町の発展に伴いコレクションハウスやレストランと多岐に渡ります。開発市街においてこのプレイヤーズエリアは重要な役割を持ち、土地を購入されたプレイヤーの皆様からは毎刻に定められた地税、及びショップやレストラン等の場合は営業税として収益の5%をギルドに収めて頂く事になります。ギルドに収められた額によってプレイヤーズエリアとなる開発可能な土地は拡大し、町は発展します。


 ■プレイヤーズエリアの販売について


 プレイヤーズエリアのご購入はギルドにて承っております。開発市街においてはギルドで地価をご確認頂く事が出来ます。また各開発市街においてプレーヤーの皆様が購入出来る最大面積は1haヘクタール<10000平方メートル>と制限させて頂いております。また各建造物のご購入は1aアール<100平方メートル>単位での購入を原則とさせて頂き、各種建造物に必要な最低保有面積もこれに順ずる形となっております。


 ⇒デトリック・プレイヤーズエリア販売はこちら


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 ▼デトリック

  開発可能領域 568723(/835723)平方m

  地価 313.2ELK/平方m

  建設可能区分 マイハウス、ショップ

  建設タイプ 赤煉瓦


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 内容に目を通したマイキーは驚きを隠せなかった。


「この世界の土地を販売してるのか。しかもユーザーカスタマイズが可能なんて」


 魅惑的なその内容だが、残念ながらマイキーの想いはその価格に突き帰される事になる。表示されている地価は一平方メートルにつき313.2ELK。百平方メートル単位での購入が義務付けられている以上、その最低購入価格は31320ELK。とてもではないが手が出せる価格ではない。


「開発可能領域が835700平方m。そのうち残ってるのは568700平方mか。価格的に新規参入組はとてもじゃないけど手が出せないよ。購入してるのは先発調査隊の中でも一部の連中か」


 与えられた情報からマイキーは冷静にこのシステムを分析していた。


「一人が100平方mずつ買ったとしても、現状の開発可能領域から考えると8357人しか土地を持てない計算になる。現状は金持ちの余興と化してるとは云え、手を付けるなら早めに土地売買に参加しないと手遅れになるな」


 百万人というプレイ人口から考えると、現状土地を持てるその絶対数は10%にも満たない。

 だが、この町で既に土地を購入した冒険者が少なからず存在する事は確かなのだ。その中にはもしかしたら、この世界のトッププレーヤー達も含まれているかもしれない。彼らが購入した土地をこの地でどんな利用の仕方をしているのか、気になるところではある。


「後で見回ってみるか。もしかしたらショップを経営している冒険者もいるかもしれないな」

 

 PBを閉じたマイキーの表情には、好奇心以外の何色も映っていなかった。


 ■作者より


 明日の早朝より、急遽日帰りの旅行に出る事になったので先に更新させて頂きます。富士山の五合目まで行って来ます。たまには新鮮な空気吸わないと(笑)

 次回更新は三日後の8/22を予定しています。

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