【Q&A】ARCADIA 質問箱 IV
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第三章に引き続き、第四章までの読者様からのご質問、またご意見についての回答をまとめさせて頂きましたQ&Aです。本作を楽しむ上での助長と為れば幸いです。なお物語の進行の核心に触れる内容については返答を控えさせて頂く、又は言葉を濁させて頂く場合が御座いますので予めご了承下さい。もし下記以外にもご質問があれば感想欄、又はメッセージフォームからご一報下さい。お手数をお掛けしますが宜しくお願い致します。
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【システムに関するご質問、及び、ご意見】
●Q:船を自作したらこの世界では航海に出られるのでしょうか? まだ進行上ルート設定されていない未開のエリアに踏み込む事も可能ですか?
A:結論から言って船の自作は可能です。ただシステムに頼らず自作で船を作るというのは非常に難しいと思います。また航行中海上に発生する自然オラクルの回避や海獣の生息ポイントを把握していなければ当然襲撃されますし、非常に危険な要素が付き纏います。というお答えをしようと当初の構想に基づくならば思っていたのですが、最近船の自作については考えを改めています。つまり船の自作をシステム的に取り入れて認可する何らかの形を考えています。冒険者が自らの手で造った船で航海に出るなんてロマンに溢れていますよね。ある程度、物語が進んだ段階で生産の木工カテゴリーに組み込もうかと一案を練っています。結論については今暫くお時間を頂ければと思います。
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●Q:パーティーのバトルメンバーは何人まで組めるのでしょうか?
A:バトルメンバーについてですが、実は本作でのパーティー可能な上限数は一般的なRPGに比べるとやや多いんです。その数、16名となっております。
元より経験値入手の基本が『2』の乗数倍なので『4』『8』『16』『32』辺りで考えていたのですが。『4』だとちょっと少ない。『8』だと何か中途半端。『32』だと多過ぎる。という事で16人制を採用させて頂きました。
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●Q:納品クエストの報酬であるGPとELKは、アイテムを納品するたびに貰えるのでしょうか? それとも一度きりですか?
A:納品クエストについてですが、ギルドランクの指定と相応している場合においては何度でもGPとELKを入手する事が出来ます。指定のGRを超えた場合はELKのみの入手となります。例を挙げると、納品クエストの指定がGR1で、プレーヤーのギルドランクがGR2だった場合は、納品してもお金しか入手出来ません。
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●Q:戦闘クエストについて。クエストを受注する前に倒したモンスターは、倒した数にカウントされますか? またこのカウントはパーティーを組んでる場合は討伐数は共有されるのでしょうか?
A:戦闘クエストについては以前に討伐されたモンスターもカウントされ、ここで基準となるのは今までに討伐した指定種の総数となっています。その為、戦闘クエストに関しては各指定数において段階的に報酬を貰えるのは一度キリとなっています。なので、売却しない限りは各プレーヤーがフル装備を集められる仕様になっています。カウントについてはご察し頂いた通り、これは共有する方針を現状採っています。なので、最大パーティー人数である十六人パーティーを組んだら効率が良いと思います。と言っても百匹を討伐するとなるとそれなりに時間と労力は掛かるとは思いますが、レベルの高い人とパーティー組んで討伐に出たらさらに楽になるかもしれませんね。
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●Q:この世界の中には銀行、またはそれに類する施設などは存在しないのでしょうか? 戦闘には適正が無かったけど生産職で頑張りたい、ショップ運営してみたいって人に運転資金を融資する事により敷居を下げるってのも有りなんじゃないかと思ったのですが、どうでしょうか?
A:銀行の融資ですが、思ってもみない発想でした。貴重なアイデアの源泉、有難うございます。残念ながらARCADIAには現状銀行という機関は存在しないんです。確かに現状だと新規参加組には土地の購入は敷居が高いので緩和策は必要なんですよね。銀行の融資というアイデアは非常に魅力的です。ただ借金は確かに問題ですよね。一度、負債を背負ったプレーヤーは間違いなくゲーム放棄に走るでしょうし。自己破産みたいなシステムがあればいいのですが、それだとあまりにも生々しいですし(笑)負債の重圧からプレーヤーを守る何か柔らかいシステムがあればいいんですが。銀行が出来れば為替など他にも面白そうなシステムが実現出来そうです。将来的にはいただきストリートみたいな軽いノリで株式も導入したいんですけどね。なかなかシステムが上手く纏まりません。
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●Q:プレイヤーズショップについてですが、品揃えが悪いうちは、休憩スペースを作り、水や飲み物を無料か安く提供するのはどうでしょうか? 品揃えが悪くて興味のない人や、上級者にも何度も足を運んでもらえるようにです。
A:このご意見については目から鱗でした。商品を売る事ばかりに捉われて完全にお客様をもてなす精神を忘れていました。第四章ではハウルとの商談後、商品を引き渡すシーンで導入させて頂きました。貴重なアイデア本当にありがとうございました。
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●Q:これは提案なのですが資金に余裕があるであろう先発隊主導による商人コミュニティの立ち上げなんてどうでしょうか? 土地をコミュが買い、新規ユーザーに営業を一任する。更に独自に流通ルートまで確保出来ればデトリックのような僻地であろうと武器屋は勿論、レストラン等の出店も夢では無いかと。まぁ唯の妄想なのでそんなやり方もあるんじゃないか程度に見て貰えれば助かります。
A:商人コミュニティ、素敵です。確かにあったら面白そうです。独自の売買ルートを確立したいわゆる組織が存在したらこの世界の流通事情も大きく変化するかもしれません。土地の活用方法として他者への委任という行為もこの世界では不可能では無いので非常に面白そうな演出が出来そうです。これを演出するに当たっての問題として、私がどこまでそんな世界を魅力的に演出できるか、ですね(笑)自信はないですが、精一杯当たらせて頂きたいと思います。これは私の本作における将来的な夢なんですが、商人コミュニティに関わらず生産要素と絡めて様々な非戦闘要素を主としたコミュニティを確立させたいと思ってます。今念頭に浮かび上がっているのは、Black Smith<ブラックスミス>と呼ばれる鍛冶の生産スキルを極めた冒険者達が集まるトップコミュニティなのですが、私が憧れる『闘う鍛冶屋さん』をいつか実現したいなと。コミュニティのネーミングは鍛冶を英語で表しただけの単純なネーミングなんですけどね(笑)すいません、脱線しました。完全に個人的な妄想でした。
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●Q:この世界に訓練場や闘技場はあるのでしょうか?
A:これは現時点ではまとまっていませんが、構想としてはあります。訓練施設は愚かチュートリアルも無いのに、何故この世界の冒険者は自然とWAの仕組みや武器の使用方法を理解するのか不思議です。現状、冒険者達は各自創意工夫でフィールドに出て実戦やあるものは木の葉を的に矢を射たり、外壁に向かって魔法を放ったりしていると脳内補完して頂ければ助かります。いずれは冒険者達が自由に技や連携を試行できるスペース、前作で描いたオートマタと戦ったような宇宙空間の仮想フィールドで自らのシャドウ相手に実戦演習を出来るなど、魅力的な訓練スペースを導入したいですね。技の型を確認するのにPB上の操作で簡単にシャドウに実演して貰ったり。システム的にまとまれば面白い演出が出来そうです。闘技場についてはコロシアムという形で一対一の対人戦やパーティー戦を行える施設を提供しようと思ってます。季節によっては大きな大会を開いて、ARCADIAのNo1プレーヤーを追究するのも面白そうです。
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●Q:この世界ではゲーム内で実際に死ぬことは無いけれど、墓地つまりお墓はあるのでしょうか?
A:これは実は存在するんです。ただし、プレーヤー側には死という概念は存在しないので、これらの追悼意識はある特定の生物に限られます。それが何であるかは、ここまでの展開でご想像頂けるかとは思いますが、主に惑星の先住民ですね。彼らには復活という概念は無く(リポップはあくまで別の生命体として生まれ変わっています)、死が明確に訪れるので彼らの立場から考えるとこれらの事実は非常に残酷なんです。
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●Q:グリーンゴブリンが先住民ならば、神秘の洞窟のような場所が世界各地に存在している?
A:これは今後の物語で重要なご質問なのですが、別段もはや隠す必要も無いのでお答えしておきます。この世界の先住民として、今はグリーンゴブリンが登場していますが、実はこの事実は神秘の洞窟の信仰者達が彼らであるという結論には結びつかないんです。つまり、ここで何が言いたいか結論を申しますと、先住民がグリーンゴブリンだけであるとは限らないという事です。ここで、最初の質問にお答えさせて頂きますと、仮にグリーンゴブリンに信仰心があるならば、そうした崇拝を行う聖地がバスティア荒原の何処かに存在するかもしれませんね。ただ女神像にさえ刃を向ける連中ですから、僅かな信仰心でもあるかどうかは些か疑問です。
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●Q:宝探しで宝箱を見つけても鍵が掛かって開かなかったら壊したり、爆破したり、盗賊などのスキル例えばピッキング等で開けられるのでしょうか?
A:これは宝箱の型や仕組みによって定義分けされています。例えば木の箱のように脆い材質であるならば破壊も当然可能ですが、鉄や鋼の宝箱と為ればそうも行きません。また開錠が容易な単純な仕組みであれば、ピッキングも可能ですが高度な魔法術式によって結界が施された宝箱であればピッキングは不可能と為ります。
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●Q:鑑定屋は存在するのでしょうか? 宝探しとかで謎のアイテムを手に入れて使用方法が分からなかったら不便ですよね?
A:これは言われてみて、思わず成る程と頷きました。ARCADIAの世界ではマテリアライズのシステムからアイテムの総数は無限大に増えるので、確かに鑑定というシステムがあれば一体このアイテムにどんな使い道があるのか。生産レシピであったり、特定エリアで特殊な使用効果を齎すものであったりと、冒険者に優しい案内システムが生まれそうです。勿論、鑑定料はとりますけどね(笑)導入を検討させて頂きます。
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●Q:この世界に図書館はあるのでしょうか?
A:現状、冒険者が築き上げた町において本という媒体は存在しないんです。何故なら、PBや端末上でそのほとんどの情報を閲覧出来るからです。が、冒頭で述べました主語が変わればその存在は否定出来ません。例えば、先住民で文字で情報を共有する種族が居たとしたら、彼らは当然PBなどという通信手段は持ちませんし、文書という媒体を採るかもしれません。となると、彼らの町には書庫や図書館があってもおかしくはないです。
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●Q:この世界に博物館や展覧会はあるのでしょうか?
A:これについては、システム上組み込んであります。が、物語登場するのは後先になるかもしれません。何故ならこれらはプレイヤーズエリアにおいて町の発展と共に建設が許される建造物なんです。発展した町においては、レアアイテムをコレクションした冒険者が有料でその展示を行う場合も充分に考えられます。
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●Q:死亡時にレベルダウンした場合、装備出来る防具が存在しなかったら裸装備になるのでしょうか?
A:実はこれも今まで濁してはぐらかして来たグレーゾーンなのですが、モニターを通して操作キャラクターで間接的に世界を体験する従来のRPGと異なり、VRの世界では生身で直接世界を体験する訳ですから、死亡により装備が外れた状態で街中を歩くなんて状況は考え難いですよね。この問題に関しては現在、死亡時のこうした特殊な状況下においては弔束と呼ばれる白装束を支給する方針で考えています。装備が無い場合はこの弔束を着用して頂く形になります。ただこうして見るとやや効率が悪くも思えるんですよね。何か良案があればよいのですが。街中を歩くに当たって目立つという点も改善出来ていませんしね。基本的にはこうした事態を避ける為に現状ではプレイヤーサイドへの注意を呼び掛ける形となってしまうかもしれません。ちなみに弔束については当然、死亡時に無償で支給される衣服なので、金銭的価値は皆無です。
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●Q:宝クジはこの世界に在りますでしょうか?
A:宝くじについてですが、この抽選のくじ引きがある以上、充分に考えられるシステムなので、是非導入させて頂こうと思います。物語上、どんな演出が出来るかは未知数ですが、システムがまとまり次第公開させて頂きますね。賞品形式と賞金形式、もしくはその両方か。大陸規模の巨額の賞金が掛けられる宝クジもあれば、市街規模の小さな宝くじも。一発がでかいドリームクジから還元率の高い小銭稼ぎのクジまで。想像すると夢が広がりますね。
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●Q:エアボード、これまた汎用性高そうなアイテムですね。戦闘に組み込めるのかな? 弓、又は魔法で逃げ撃ちとか楽しそうなんですけどね。
A:エアボードは個人的願望の賜物です。以前から空中を滑空する移動用具は欲しかったのですが、箒という案もあったんです。ただハリー・ポッターの影響が多大なので止めました。箒だけで空飛ぶというのも本作では理屈で説明出来ませんしね。マジシャンなら魔法力と合わせて箒で空飛んでも世界観を崩しませんが、ソルジャーとかヘヴィウォーリアが箒に跨って空飛ぶ姿想像したらこれは無いなと(笑)汎用性という意味で箒は不適格だったんです。でも、使用方法を限定すれば箒で空飛ぶというシチュエーションも魅力的なんですけどね。なんとか方法はないかと今画策してます。このエアボードは戦闘に組み込めます。弓や魔法による逃げ撃ちも出来ます。ただし現時点ではバックが効かないという致命的な欠陥もあります。
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●Q:マテリアライズについて疑問なのですが、食材などカード化した場合、時間の経過に伴って痛んだり腐敗したりするのでしょうか?
A:実はARCADIAの多くの冒険者達は明確にこの当りの事を認識していないのですが。マイキーもその一人です。リアライズされた状態の食材・素材は当然腐敗や劣化が生じますが、それらはマテリアライズされた段階での保存状態が維持されます。つまり簡約するとマテリアライズされる直前の素材状態で時が停止します。なので、焼きたてのパンをマテリアライズすれば、ほくほくの出来立ての仕上がりの状態で保存する事が出来ます。
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●Q:並んでマテリアライズについて質問です。薪とか砂利などのように一つでは役に立たないものは、まとめてマテリアライズできるのでしょうか?
A:薪や砂利についてですが、これも質量単位でそれぞれ定義されており、薪が一本ならば薪の説明欄に重量が表示されます。砂利や液体についてはそのままでは保存する事はできないので、入れ物を用意する必要があります。この世界で一般的なのは空き瓶というアイテムですね。保存する素材に合わせて適した空き瓶や樽を用意して詰め込みマテリアライズする。そうする事で、細かな砂礫や液体を保存する事が可能です。
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●Q:パーティカルマテリアライズでは何回もアイテムを入手する事が出来るのでしょうか? また実際に切り取ってカード化したりその辺りの定義はどうなっていますでしょうか?
A:シーフのスキル名としてパーティカルマテリアライズという機能を挙げましたが、実はこの単語は部分的変換を示す総称でもあるんです。大まかに言えば、実際に切り取ってマテリアライズする行為もパーティカルマテリアライズに含まれます。これを踏まえた上で、このパーティカルマテリアライズという大まかな概念は対象一部位に付き一つまでと制限されています。シーフのスキルではマテリアライズに成功した場合も当該箇所には部位が残りますが、実際に切り取りに失敗した場合は再生しない限りマテリアライズは不可となります。基本的に当該する箇所が残っている場合に限り、制限として一部位につき一つまで、がこのパーティカルマテリアライズの定義となります。ただし、ドロップ品はまた別です。
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●Q:このゲームでは露天売り、街とかにシートを広げて販売とか出来ないのですか?
A:露店売りの可否については結構、頭を悩ませていたんですが、現状では出来るシステムを採用しております。実際に街にシートを広げてアイテムを並べて販売する事も可能です。ただし、この露店売りの場合ですが、プレイヤーの手から離れたカードは十分後に自動的に所有権が失われリアライズ化し、また同時に所有権から離れた場合の存在時間を過ぎたアイテム・カードは自動的に消滅します。基本的なこの設定時間は最低一日は振られているので、充分管理に余裕はあると思います。故に自然と露店売りはリアライズ化されたアイテムが前提となりますね。まぁ、カードを並べて販売したら現物を手に取って眺められる露店売りのメリットが消えるので、これも問題ないかとは思います。土地を所有する事が出来ないプレーヤーにとっては有効な手段に為りえますよね。現状では実行しているプレーヤーは少ないですが、スティアルーフの中央広場とかいいスペースになりそうですね。デトリックは市場が未発達な分、可能性は秘めていますが現状プレイヤーの人口密度が余りにも過疎なのが残念な点でしょうか。
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●Q:パーティーの有効範囲について教えて下さい。
A:これについては現状定義としてパーティーの有効範囲がエリア単位、つまり街やフィールド毎とかなり広範囲に定義しております。ただし経験値の入手範囲については討伐したプレーヤーから半径五十メートル以内と定めています。
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●Q:装備していない武器、道具をリアライズして敵に投擲出来るのでしょうか?
A:投擲については可能です。装備外のアイテムをリアライズして実戦で用いる事はこれは有効なテクニックですね。ただこれを安易に許してしまうと、例えばリアライズによる武器の二刀流や、装備制限以上の武器を用いる事が可能になってしまいますので、基本的に投擲によるダメージが見込める武器は投擲専用アイテムのみとし、それ以外に装備外の武器やアイテムをリアライズして実戦で使用した場合は基本ノーダメージとなります。
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●Q:という事はこの世界に二刀流は存在しないのでしょうか?
A:前述が紛らわしい表現で申し訳ありません。これは存在します。例えば両手に武器を取るという意味では武器種『双剣』などもこれに値します。加えて、GR4の認定クエストによって解放になる『ニンジャ』というクラスでは実際に種別の異なる刀剣を装備する事が可能です。これらの説明の通り、双剣や二刀流といった装備やスキルは特定のクラスにのみ許された特権で有り、これに習い許されざるクラスにおける装備や二刀流のルールを禁止するという意味で上段に置けるノーダメージルールを採用しています。余談ですが、GR5以上の未知のクラスにおいては二刀流を超えた脅威の能力を備えたクラスも存在するかもしれません。歯を使って三刀流というオチは無いのでご安心下さい(笑)
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●Q:女神像が破壊された際、そこにHPを指定していたプレイヤーが死亡した場合どこへ向うのでしょうか?
A:この設定で話を進めていく時、私もその点について悩みました。街のシンボルでもあり、セーブポイントでもある女神像が破壊された時、今回で言えばデトリックにホームポイントを設定したプレイヤー達が死亡した場合どこへ向うのか。これについては、物語中でも一部妙な表記を載せておいたのですが、死亡したプレイヤーの多くがスティアルーフに現在位置しているという一文が在ったと思います。これは指定していた女神像が破壊された場合に限り、特例としてプレーヤーは今までに赴いた事がある女神像を指定して飛ぶ事が出来ます。設定に特例を作り過ぎると物語上、困惑の原因となるので控えたかったのですが、この際は致し方ありません。
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●Q:インディビジュアルシステムについて質問です。イルカ島ではインディビジュアルシステムが作動して、プレイヤーが別々の位相に分かれてプレイしていましたよね。大陸に渡った以降は、このインディビジュアルシステムはどの程度作動しているのですか? 宿屋など特定の施設内はもちろん作動していると思いますが、街規模での作動はしていますか? もし作動しているとしたら、別の位相に移動した場合街の状態はどうなっていますか?
A:インディビジュアルシステムについては紛らわしくて大変申し訳ありません。位相という考え方についてですが、本作ではここに多義を持たせています。本作での基本的な位相の考え方についてですが、広範囲に渡る土地から順に分岐という方式を採っています。分かり易く例を挙げさせて頂きますと、まず大前提として惑星ARCADIA。ここから各種フィールド。続いてダンジョンや街といったエリア。末尾として宿屋やギルドといった建物ですね。構想としてはプラネット>フィールド>エリア>ビルディングとなるのですが。プラネットは揺ぎ無い一つの位相として置くとして、それ以降の三項目は人数の過多に合わせて当然分岐します。例えば百万人という絶対数を持つプラネット内で許容量一万人のフィールドに十万人が押し寄せたら十の位相に分岐し、そのフィールド内で許容量千人のエリアに五千人が押し寄せたら五つの位相に分岐し、そのエリア内で許容量百人の建物に三百人が押し寄せたら三つの位相に分岐するといった具合です。これが基本的な位相の考え方なのですが、実はこの世界ではこれ以外の特例も多く存在します。たとえば、今回のバスティア地方<フィールド>を例に挙げると、実はこのフィールドはエリアであるデトリックや荒野に存在するグリーンゴブリン達の野営地と連動しています。つまりフィールド=エリアという位相の関係が成立しているんです。こうしたフィールドとエリア、またはエリアと建物との連動した関係を母体に合わせて連立フィールド、連立エリアという呼称をします。今回で云えばバスティアというフィールドが母体なので連立フィールドですね。現状、このフィールド内におけるプレイヤー人数が許容量に収まっている為、現在の位相は一つですが、今後この地方のプレイヤー人口が高まれば当然フィールド位相が分岐します。この際のそれぞれの位相の関係性ですが、これは独立と為ります。当然エリアの分子であるプレイヤーズフィールドも位相ごとに所有権が発生、つまり所持者が変わります。侵略戦においても位相によって、壊滅的被害を受けた街と、防衛線に成功した街が同時に存続する可能性が有ります。また特殊な位相例として宿屋のように、振り分けられたそれぞれの位相から冒険者達が同じ窓の外の風景を眺める。つまり、ここで一見エリア=ビルディングの関係が成立しているように思えるのですが、実はこれは特殊な例で必ずしも位相が一致しているとは限らないんです。これはそれぞれの分子が同じ母体を映し出している特殊な例で、特例として位相を分けながらも同じ空間に存在する事を許しています。デトリックへの侵略の際に敵のストーンブリッツがマイキーの額をすり抜けたのはこの為です。
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●Q:マイキーたちの現実世界について語られてませんが、いずれ現実世界に帰り、たまっていた郵便物をとることができるのでしょうか?
A:現実設定については、ここは本作の鬼門です。VRMMOという異世界を分離して描いている事から、現実に戻れば二十一世紀の現代が待ち構えていると思いがちなのですが、実は本作設定では現実世界は2548年なんです。理由については明言は避けますが、別段深意が含まれてない事だけは確かです。話を戻しますが、なので現実世界を描くと本作は基本的にSFになります。比較的差し障りの無い表現を用いて現実描写に踏み切る予定では居ますが、この五世紀間って相当な技術革新が見込めますよね。もしかしたら郵便物って概念自体存在しないかもしれません。時空弛緩技術一つ採っても当然、ゲームに適用される以前に用途は無限大ですし、恐らくは現代の価値観って何一つ通用しない可能性も有ります。こうなると何でも有り、というドツボに嵌るのですがこれを避ける為に現実世界とある程度共通点を作って、悪設定を前向きに転換できればとは考えています。