表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

第二項 登場人物紹介:ネタにされた人々(四)

〇小ティベリウス(BC10-AD54)

<名前>

 Tiberius Claudius Drusus Germanicus

 ティベリウス・クラウディウス・ドゥルースス・ゲルマニクス。

<こんな人>

 第四代目皇帝クラウディウスである。

 大ドゥルーススの次男。幼い頃から病弱で、熱病の後遺症で足・言葉などに不自由があったため、周囲から侮られ、もっぱら解放奴隷たちを相手に育った。だがその目立たなさが幸いしてか周囲の人々がバタバタと死ぬのを横目に一人生き残り、カリギュラ暗殺後のどさくさに皇帝にまつりあげられた。その生涯で二度婚約して失敗し、その後四度結婚するが、四人がそろいもそろって悪妻であったことで有名。最後は妻に毒殺された。

<私見・偏見>

 彼を「小ティベリウス」と呼ぶのは一般的ではないはずだ。………というか見たことがない。「クラウディウス」と呼んでも悪くはないのかもしれないが、実際皆にそう呼ばれていたかというと疑問に思えたので、敢えてこの名称にした。


〇ゲルマニクス(BC15-AD19)

<名前>

 Gaius Claudius Drusus Germanicus(Gaius Julius Caesar Germanicus)

 ガイウス・クラウディウス・ドゥルースス・ゲルマニクス。後にアウグストゥスの養子となったティベリウスの養子となり、ガイウス・ユリウス・カエサル・ゲルマニクスとなる。

<こんな人>

 大ドゥルーススの長男。才気煥発・容姿端麗・明朗快活と、その血筋のよさもあって周囲の人気は抜群だった。ティベリウスがアウグストゥスの後継者に抜擢された時、ティベリウスの後継者として彼の養子に迎えられた。だが、この養父とはあまりしっくりいかなかったようだ。

<私見・偏見>

 古代の歴史家の評価は高いが、現代のそれはイマイチ。深川の印象でも、実力以上に評価が高かったのでは? という印象がある。やっていることが結構ウケ狙いというか、はっきり言って無茶苦茶という気がする。「「冷徹なプロフェッショナル」であろうとしたティベリウスが、「熱意溢れるディレッタント」であるゲルマニクスを好きになれなかったのも理解できる」という言葉があった。なるほど。


〇ウィプサーニア(BC36-AD20)

<名前>

 Vipsania Agrippina

<こんな人>

 アグリッパ将軍の娘なので、アグリッピナとも書かれる。母は文筆家キケロの親友で、出版業を営んでいたアッティクスの娘。また、第一次三頭政治のメンバーの一人で、スパルタクスの乱を鎮圧した、クラッススの血を引く。

 ティベリウスの最初の妻で、彼女の生んだ子供ドゥルーススが、ティベリウスの唯一の成人した実子となった。父の死によって後ろ盾を失い、ティベリウスを娘のユリアの夫にと望むアウグストゥスによって離婚を強制された。当時妊娠していた彼女は、そのショックで流産してしまったらしい。その後アウグストゥスの友人アシニウス・ポッリオの息子、アシニウス・ガッルスと再婚、彼との間に多くの子をもうけた。

<私見・偏見>

 由緒正しい平民である彼女に対し、ティベリウスは由緒正しい生粋の貴族。格式高い名門貴族の家に嫁入りし、しかも長男で家長でもある夫は誇り高く偏屈で閉鎖的、となると、結婚当初はさぞかし苦労も多かったのでは、と推察される。後妻のユリアとの関係がうまくいかなかったティベリウスは、街で彼女の姿を見かけて目に涙を浮かべたといわれるので、愛されていたことは確かなのだろう。とはいえ、彼女がティベリウスを愛していたかどうかはまた別の話である(酷)。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ