表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

天才軍師、ゲラゲラコンテスト応募作を執筆する主君に駄目だしをするようです

作者: レブナント

ツッコミ「ここで最後に、『明日の天気どうでしょねーっ』っと。

 よし、一応書けたな、投稿すっかなー」

ボケ「主君よ! お止め下さい! その作品の投稿ボタンを押すのはお待ち下さい!」


ツッコミ「何だよー、何か文句でもあるの?」

ボケ「はぁ――っ! なってません。

 はぁぁ――っ! もうこれはダメダメです、とても見てられません。

 口出しする事をお許しいただきたい。

 はぁぁ――、くあぁぁぁ――っ!」


ツッコミ「うっざいなぁ。

 何かあるならはっきり言ってみろよ」

ボケ「ツッコミ殿は基本がなっておりません。

 コントという物は最後に必ずオチがあるのです。

 俳句や短歌で必ず季語が入ったり、韻を踏むという暗黙の決まりが有るのと同様、コントでは絶対に最後にオチて無ければなりませぬ。

 もっと書物を嗜んでください、ツッコミ殿はそれでも一国の盟主なのですから!」


ツッコミ「オチって言われてもなぁ。

 思いつかねぇんだよなぁ……。

 いや、それよりももっと聞きたい事が有るんだけど聞いて言い?」

ボケ「何なりと」


ツッコミ「『面白い』って何だろうね?

 俺よく分からなくなってきちゃってさ……」

ボケ「主君よ……今何と申されました?」


ツッコミ「いや、『面白い』って何か分からなくなっちゃってさ」

ボケ「何たること……私は失望致しました。

 これほどまでに主君の認識が浅いとは……これも傍にお仕えしながら正しくお導き出来なかった私の過ち、この命を持って責任を取らせて頂きます」


ツッコミ「待て待て待て! その短刀を鞘に納めろ! 自分の首を掻っ切ろうとするなっ!

 今教えてくれたらいいじゃないか! 早まるな」

ボケ「いえ! 私の罪は山よりも大きい、このまま引き下がる訳には参りません。

 しかし主君がそこまで懇願なさるならば、この短刀で私の首の代わりにこのロールケーキを切断する事で変わりと致します。

 えいっ!(ザクッ) トヤッ!(ザクッ、カチャッ、モグモグ……)」


ツッコミ「ケーキ食ってるんじゃねーよっ!」

ボケ「足りませぬか!? やはり追加で紅茶を注ぎまする!

 (チャリン、カキカキカキ……)

 ゴクゴクゴク」


ツッコミ「自分で飲んてるんじゃねーよ! 俺の分を出せ俺の分を。

 それが誠意だろっ!」

ボケ「ご理解いただけましたかな?」


ツッコミ「は?」

ボケ「このように元気いっぱいなボケに不条理で滑稽な事を行わせ、ツッコミが『ここ笑う所』と教えてあげるのが基本でございます。

 『面白い』と言うのは虐めでも無ければ、雑談でもございません。

 ましてや男の陰部をひたすら強調すればいいなんて浅はかな物でもございませぬ!」


ツッコミ「お前、この前『うんこちんちん』で書けとか言わなかったか?」

ボケ「はっはっは、お戯れを。

 良いですかな?

 コントと言うのはリズムが大切でございます。

 餅つきの様なものだとお考えいただければよろしいです」


ツッコミ「餅つき? どういう事だよ?」

ボケ「ボケが臼を持ち上げてバチコーンと餅の入った杵を叩き、臼を上げたら即座に突っこみが濡れた手で餅を整形して整える。

 これをリズムよく繰り返すのです」


ツッコミ「逆だよ! 逆! 臼と杵が逆! 重たい臼を持ち上げる馬鹿がどこに居るんだよっ!」

ボケ「我が家ではそうなんだよねー」


ツッコミ「……」

ボケ「……」


ツッコミ「……」

ボケ「お分かり頂けましたかな?

 これが悪い見本、ボケ殺しでございます。

 せっかくボケたのにそれを完全スルー、そのまま別の話題へと変わります。

 主君の書かれたコントにはこのボケ殺しが多数ございます。

 これではリズムが崩れるばかりか、場が冷え冷えですぞ。

 決してボケをスルーしてはなりませぬ!

 絶対にです!」


ツッコミ「そういやこの前の台風凄かったよね、俺が外に干していた布団が吹っ飛んだよ」

ボケ「他にはそうですねぇ――。

 ネタが難しすぎたりとか、話題の範囲が広すぎるのもいけません。

 きちんとテーマを絞り込まなければならないのです。

 そうしなければ話がぼやけてしまう上に、何だかよく分からなくなって読む気が無くなってしまいます」


ツッコミ「突っこめよ!」

ボケ「は? 何にです?」


ツッコミ「布団が吹っ飛ん……」

ボケ「こんなとこかな――。

 こんなとこだね――」


ツッコミ「……ちっ。もういいよ。

 それより軍師ボケ、お前今回は偉い乗り気だよな。普段もっと適当……」

ボケ「ほらっ! 主君よっ! 駄目では無いですか!

 私が主君のギャグを完全スルーするという『ボケ』をかましたのに、それをスルーしてしまうなど!

 決して漏らさずに突っ込まねばなりませぬと先ほど申しましたに!」


ツッコミ「……くっ、……コイツッ」

ボケ「そろそろ終わりが近い……お分かりですね?

 後が無いですよ!?」


ツッコミ「このコントを締めくくる一番重要な役割、オチだな。任せたぞ」

ボケ「そっ、それでは!」


ツッコミ「おうよ。来い」

ボケ「……」


ツッコミ「……」

ボケ「……」


ツッコミ「プレッシャーで頭真っ白になって黙り込んでるんじゃねーよっ!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白くてためになります [一言] 男の陰部を強調するのは最終手段にしたいですね ゴリ押しするのも嫌いじゃないですが
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ