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詩*卒業写真*

アオイ薔薇

作者: a i o

時間割に区切られた世界で

私、薔薇を隠し持ってる

つま先の真っ赤なペディキュア


個性的ね、なんて言いあう

無個性の中で

トイレの鏡を奪いあってる

微笑みの練習は必須科目で


一番綺麗な薔薇はどれ?

品評会には出したくないから

私、薔薇を隠し持ってる

光るローファー

お行儀のよいつま先

まるでそんなもの

持っちゃいないと振舞いながら


血を流したようなつま先は

誰の目にも触れぬまま

脈打つ赤い靴のように

チャイムの音で飛び立つ

群れに混じり踊り続けるわ

どうしたって

傷つき傷つけあってしまう

茨の群舞

見下ろした夏の空が笑う


肌を刺す陽射しに

うっすらと赤くなれば

守りたい守りたかったと

抱きしめる身体

己の棘に気づかぬまま


開かれてこそ

価値があるのなら

ずっと蕾のままでいたい

頑なな赤


一番綺麗な薔薇は私










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