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神と僕と②

「おはよう眞岸君に枝幸さん。今日も相変わらず楽しそうね。ところで眞岸君借りて行っていいかしら?」

校門をくぐるとなぜか出雲満神が仁王立ちしていた。

「僕はマナを拘束はしてないから聞かなくてもいいんだけどね。」

「じゃあ連れて行くわね。」

「おーい俺は無視ですか?」

「特に気にしなくていいね。」

「そうね。」

「保種はさっき友達云々をかっこよく語ってたのに残念だよ。」

でもってぼくを引きずるような形で校舎裏へと引きずっていく。無視したりして世界を滅ぼされるのも嫌なので仕方なくついて行くことにした。

 校舎裏といえば告白やら熱い喧嘩やらが日々行われている場所……ということもなくただ日陰で寒いしじめじめしてるし、用がなければ絶対に立ち寄りたくない場所の一つだ。そのせいか人目は無く、ざわざわとしている校門前とはうって変わって静かで少しさみしかった。それこそまるで別世界にいるような感覚を覚えるほどに。

 会派の主導権を握らせる気なんてさらさらないのか神様は突然話し出した。

 「やあ面白いくらい悩んでいるみたいだね。答えなんて一つだと思い込んでいるみたいだけどまあ無数にあるからね。別に隣の席に座っている男子を助けても問題はないんだし。まあ君はそんなことはしないだろうけど。」

「……。用はないのか?」

「んー、特にないかな。ってすぐに帰ろうとしないでよ。用はないけど君と話をしたら面白いのかなあと思ってさ。だって君どうして学校なんかに来てるんだい?あと29日で人類は滅んじゃうんだよ。こんなところで無駄に時間を食いつぶしていいのかい?一か月なんて私が言うのもなんだけどすぐに終わっちゃうよ。」

「神様って暇なの?」

「あーすごく暇。超暇。いやそもそも私の存在はラスボスみたいなもんだから世界が生まれてから消えちゃうまで基本することがないんだよね。って私の話はどうでもいいから質問に答えてよ。」

「そういえばあんたはどうなるんだ、人間と違ってこの世界に残ったりするの?」

「あっ忘れてた。そういえば私はどういう扱いになるんだろう?」

 「……………」

「まっいいか。いやだからさ私の質問に答えてよ。」

「それでも律儀に答えてくれるんだな。えっとなんで学校に来てるのかって?まああれだよ、ただの習慣。今を大事に生きてこその未来だからな。どちみち最初から有限だったんだから変わる方が変なんだよ。」

「やっぱりおもしろいね。理解したんだ?」

「納得はしていないけどな。というかこの取調べはこれからもつづくのか?」

「普段は放置主義なんだよね。その方が面白いじゃん?でも今回は君を観察するためにやってるんだからこう色々と揺さぶりをかけれた方が面白いというかね。」

途中から口調が変わってきているがそんな細かいことにつっこみを入れるほど僕も暇ではない。

「気を悪くしないでね『彼ら』は君のことを高く買っているみたいだから。」

「また『』つきの不穏ワードが出てきたぞ。」

「今日はこんなものでいいか。もうすぐチャイムもなるしね。じゃあ次は明日だね。」

「土曜日なのに学校に来いと?」

「ん?人間の暦ってめんどうだね。あと私をドジッ娘とか言うのはやめてね。」

自分で言うのかい。今まで見せた中で一番人間らしい顔をしていたのは気のせいだろうか。神様と言えども俗世に下りてきたらまあこんなものなのだろう。こうしてみると普通の女子高生に見えなくもないのだが(一人称が我でないあたりとかはほっとしたというか)本人にその自覚は全くないらしい。

 「仕方がない。月曜日で我慢するか。」

 土日なんて滅ぼしてやろうか何て物騒なことを呟く神様。

 「じゃあこのへんで。あと学校では私は『出雲満神』だからよろしく!」

右手を振りながら賑やかな校門前へと駆けてゆく。そこにいるのは神ではなく学校のアイドル的存在である出雲満神だった。どちらが本性とか猫かぶってるとかは心の隅に置いておくとしてまた面倒な日課が出来てしまった。もしこの選択肢を選ばなければ問答無用でバットエンドな日課である。ただ趣味はいたずらですを笑顔で言う出雲満神のことなので本当に何をされるかわかったものではない。ちなみにいたずらをされると幸せになるというありえない伝説が学校内にある。主に男子がその話題で盛り上がっていることを本人は知らないらしい。

 寂しい校舎裏に一人取り残されてしまった。寂しい。遅刻するのも嫌なのでとぼとぼと彼女の後を追う。また顔を合わせるのも嫌なのでゆっくりとだ。ナチュラルに会話をしているように見えて実はけっこう疲れていたりする。目に見えない圧というかオーラが違う。とにかくこの日課をどう切り抜けるのかが僕にとっての最重要課題になったことは確かだった。


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