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城出姫の旅  作者: のん
月明かりが消えるまで
3/30

03.鎖付いた旋律


ケニー・フォレアンは焦っていた。

(姫の逃亡の責任は僕にあるのではないか。だが、旦那様に報告しない訳にはいかない・・・・。)

迷った末、ケニーは旦那様、つまりエミィの父。ダズリン・モロガンに報告しようと心に決めた。


ーーーコンコンーーー


ダズリンの部屋をノックする。


「ハイ。どうぞお入りください。」

出てきたのはダズリンのメイド、マーリン・フレンナーだ。

「やぁマーリン。」

「あら、ケニーじゃぁりませんの。何か御用があって来たのでは?」

「旦那様はいらっしゃるかい?」

「旦那様は、たった今城を外出いたしましたが。緊急な御用でしょうか。」

「いや。何でも無いんだ。」

「そうですの。では。後ほど」


ケニーはマーリンと別れると直ぐにエミィの母。ナターシャ・モロガンに逢いに行く。


ーーーコンコンーーー


先ほどと同じ様にノックをする。


「ケニー・・・・?どうしましたの?」

「これはこれは陛下。」


出てきたのはナターシャ本人だった。


「実は。とても言いにくい事なのですが。」

「ハイ?」

「エミィ・モロガン様がお屋敷から逃亡いたしました。」

「エミィが?貴方が就いていたのでは?」

「私が舞踏会用のドレスを準備している間でございました。」

「鍵は?私は貴方にいつも、言っていますわよね。エミィの部屋には必ず、鍵を掛けろ、と。」

「掛けておりました。申し訳ございません。恐らく窓から飛び立ったご様子です。」

「キャァッ窓!?あの子がそんな野蛮な事をする筈ありませんわ。きっと何者かに誘拐されたのですね?」

「いぇ。決してそんな訳では・・・・・・」

「早くエミィを見つけ出しなさい!そして誘拐犯を罰するのです。」


ナターシャはケニーの言葉に耳を貸さない。エミィが誘拐されたと思い込み、顔を真っ赤にする。


「早く行きなさい!一刻の猶予も許しません。この屋敷の者を皆連れて、探すのです。」

ナターシャの迫力に、本当に誘拐なのではないか。と思い始めたケニーは急いで城を飛び出す。


馬を連れ出し、剣を手に。我らの姫、エミィ・モロガンを探す。


一方ナターシャ・モロガンはアロネダ。つまりこの国全体に。

エミィ・モロガンの捜索を命令した。


「皆の者。よく聞くのだ。我の娘、エミィ・モロガンが極悪犯によって、誘拐された。

 エミィ・モロガンを保護し、極悪犯を我に差し出す者には、相応の礼をしよう。さぁ、探すのだ。エミィを。

 そして、エミィを攫った輩を、撃ち殺しにするのだ。」




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