15.頬を伝う雫の正体は
サブタイトルは、てきとーですbb
そして、長らく更新できませんで、大変申し訳ございませんでしたm(_)m
今後とも、「城出姫の旅」をよろしくお願いいたします。
二人の少女は森を駆け抜け、荒れ果てた王宮へと忍び寄る。
以前、エミィ・モロガンが存在していた次元だと云うのに、全く違う。
この二日間で、何があったのか。
エミィ・モロガンは疑問を口にする事は出来なかった。
「・・・・此処ね。」
メリー・ロリッタが声を挙げる。
「此処、が。王宮・・・・?」
荒れ果てたこの屋敷には。
以前の様な輝かしい面影は何一つない。
空に広がっていた青空はいつしか濁り。
灰色に染まっている。
若々しい動植物たちは衰え、腐り始めている。
剣という剣には錆が生え、皆、汚い剣で醜い争いをしている。
この光景は正に。
戦争だ。
「何があったの・・・・?」
「恐らく次元の影響ね。」
「影響・・・・?」
「そう。二つの存在が再び交わった時、次元に歪みが生じる。
つまり、彼方とヘリィが同じ次元に存在してしまった事によって、今まで起こらなかった。
不可解な現象が起きようとしているのよ。
これはただの予兆ね。」
「私に、何が出来る?」
「何も出来る事はないわ。残念ながら、私には判らないの。
全てを知っているのはヘリィだから。
今はとにかく、ヘリィを救うしか、道はないの。」
「ヘリィ・・・・。逢ってみたいわ。」
「顔は全然違うわよ?」
「え。そなの?」
「全然・・・・ではないかな。まぁ。雰囲気が似てて、双子と思われる程度ね。」
「へぇー。」
牢獄への道は険しい。
ヘリィが閉じ込められているという部屋は、恐らく。
今までエミィを閉じ込めてきた、あの部屋だろう。
だが、堂々と王宮の扉を開く訳にはいかない。
ケニー・フォレアンに勘付かれてしまえば、元も子もないのだから。
「裏道に出ましょう。」
「裏道・・・・そんな物があるの?」
メリーは慎重にエミィの話に耳を傾ける。
「ええ。昔よく王宮から抜け出す時に使ったわ。さぁ。行きましょう。」
エミィはメリーの手を取り、牢獄へと向かう。
森を駆け抜け、馬を走らせ。進んでゆく。
風の囁きに耳を傾け。二人の少女は立ち止まった。
「ここが牢獄だわ。」
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。