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城出姫の旅  作者: のん
君が残した忘れ物
11/30

11.ずれた次元

暑いです・・・・。

あいすぅぅぅぅーーーー。

・・・・では、どぞー。


「ここが、西の・・・・森。」


神秘的な森に包まれ、エミィは立ち尽くす。

黒のフードを被り、人々から顔を隠した。

何度も見つかりそうになった。

でもその度に。

失った筈の記憶が一瞬だけ、少しだけ、甦るのだ。


「エミィ・モロガンね。」


後からあの高くて崩れてしまいそうな声が聞こえる。

振り返るとそこには。


「私の名は。メリー・ロリッタ。」


白いワンピースを来た可憐な女の子が立っていた。


ーーメリー・ロリッターー


何処かで聞いた覚えがある・・・・。

でも、分からない。


「彼方は、何者なの?この森に、何があるの?」

「私は・・・・云わば妖精ね。」

「妖精・・・・・・・・?」

「っそ。死んだ筈だけど、死んでない。」

「意味が判らない。」

「まぁ。その内判るわ。彼方の記憶が戻れば、ね。」

「記憶・・・?やっぱり私、7/28日に存在していたの?」

「えぇ。そうよ?別の次元でね。」


エミィは呆然とする。

メリーの言っている事の意味が、全く判らない。


「それじゃあ行くわよ。」

「え。何処に!?」

「本当の次元に。」


それだけ言うとメリーは。

エミィの手を取る。


2人は白い光に包まれ、一瞬にして消えた。



*** *



「何・・・・ここ。」

「ん?彼方が以前、存在していた次元。」

「・・・・・・・・・・・?」

「えとね。今日が7/29日よ。」

「え。でもさっきまで・・・・・」

「だぁから!次元の歪みでちょっとだけ時間がずれてんのよ。」


辺りを見渡すエミィは絶句した。


木々は枯れ果て、水は汚染され。

街は腐っている。


「こんなの・・・・アロネダじゃない。」


「残念ながら。アロネダよ。」


メリーはエミィの頭の上に乗っている葉を綺麗に落とす。

彼女の頬には涙が伝い、エミィを動揺させる。


「どうして泣いているの・・・・?」

「彼方に。この世界・・・・いえ。次元の全てを説明する時が来たようね・・・・。」


メリーは空に向かって手を翳す。

その姿はまるで。

太陽を鷲掴みにし、世界を暗闇へと突き落とす可憐な妖精の姿であった。

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