表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/7

 月末、二度目の浦原先生の診察に臨んだ。


「その後、お変わりは?」


「はい、おかげ様でこれといったトラブルは起きていません」


「それは良かった」


「先生に出して頂いたお薬も合っているみたいで。助かっています」


「薬?そう、薬を出しましたね……」


 先生はカルテを軽く眺めると、「あれはブドウ糖ですよ」と言った。


「ブドウ糖!?それって……」


「いわゆる偽薬です。プラセボ効果というのを知っていますか?効くと信じて飲めば何だって効くものなんです」


「だからって、さすがに……」


 反論を手でそっと遮り、切り返す。


「あなたの症状に直接合う薬は残念ながらありません。なら、気休めでも良いではないですか?」


 私は待合室の赤ずきんを思い出した。


 お婆さんの耳は何でそんなにとがっているの?お前の話を聴くためだよ。


 今となっては、先生がお婆さんに化けた狼に思えて仕方ない。心から信じていただけに、消沈した。


「正直に言います。私にはあなたの病気の見当がついています」


「ええ!?今すぐ、どうか今すぐ教えて下さい!」


「それはできません。私の判断では、あなたはまだ病気に向き合う段階ではない。今日からは精神安定剤を飲んで頂きます。偽薬の効果ではもう足りない」


 そんなに重い病気なのか。でも、先生は私の病気を知った上で判断している。今は任せてみよう。


 その意志を伝えると、先生は満足気に微笑んでみせた。


読んでいただきありがとうございます。




よろしければ、☆☆☆☆☆を★★★★★にして応援頂けると嬉しいです。




何卒よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ