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触れれば死ぬと言われた王子に、なぜか平気で触れられる令嬢  作者:


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34/45

【34話】両親の前でも、隣にいるのはアルトリア様

昼下がり、王宮の客室で静かに過ごしていた私の前に、執事が静かに告げた。


「リリア・エルヴァイン様、お客様です。」


「……はい」


ドアの向こうから聞こえる、慣れた声。

そう、両親だ。


父が一歩前に出て、深々と頭を下げる。


「リリア・エルヴァインの父、エドガー・エルヴァインです。本日はお時間をいただき、ありがとうございます」


「お父様……」


母も微笑みながら一歩近づき、優雅に名乗る。


「リリア・エルヴァインの母、セリーナ・エルヴァインと申します。娘の婚約に際し、心より感謝申し上げます」


「……ありがとうございます」


胸がぎゅっと熱くなる。

私の婚約、王子との婚約を両親がきちんと認めてくれている。

嬉しい――と同時に、少しだけ背筋が伸びる。


隣にいたアルトリアが、こちらを見つめる。


「リリア嬢のご両親、初めまして。第3王子、アルトリア・ヴァレンシュタインです」


声はいつもより少し柔らかい。


「はじめまして、アルトリア様……」


母が少し緊張しながらも、丁寧に頭を下げる。


「王子様と婚約させていただいたこと、心より感謝しております」


父も、私の手を軽く握りながら、きちんと頭を下げる。


「我が娘をよろしくお願いします」


その言葉に、私は胸が熱くなった。

嬉しい――と同時に、少しだけ緊張も混ざる。


アルトリアは微笑みを絶やさず、父母に向かって一歩前へ。


「もちろんです。リリア嬢を、大切に守り、共に歩む所存です」


その真剣な瞳に、両親は安心したのか、ほっとしたように微笑む。


「……ありがとうございます」


母が、私の手を握り返してくれる。

あたたかい、懐かしい感覚。

でも、その温もりとは別に、胸の奥でそわそわする気持ちもある。


(アルトリア……私のこと、守るって言ってくれたけれど……)


私を見つめる彼の瞳は、昼の光を受けてやわらかく輝いていた。


……リリア、落ち着け

小さく心の中でつぶやく。

でも、自然に頬が緩んでしまう。


こうして、私の両親との対面は無事終わった。

けれど、心の奥では、アルトリアとのこれからの日々に思いを馳せ、胸が高鳴り続けていた。

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