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触れれば死ぬと言われた王子に、なぜか平気で触れられる令嬢  作者:


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【3話】王子と二人の時間

王都の朝は、いつも通りの喧騒に包まれていた。

だが、先日の夜会での出来事――「触れれば死ぬ第3王子に平気で触れた令嬢」――は、すでに王都の貴族たちの間で囁かれ始めていた。


「……聞いたか? 第3王子に触れた令嬢がいるらしいぞ」

「触れれば死ぬはずの王子に……? 冗談でしょう」

「いや、目撃した者が確かにいたそうだ……平気だったらしいぞ」


噂は広がり、リリアの存在は王都の注目を集めつつあった。

そんな中、私の元に一通の書簡が届く。差出人は――アルトリア王子。


『リリア・エルヴァイン殿、貴殿と話したことが、私にとって初めての心地よい時間となった。よろしければ、明日、王宮にて昼食を共にしてほしい。アルトリア・ヴァレンシュタイン』


――王子直々の招待状。


私の胸は高鳴った。

これは、夜会での出会いが、単なる偶然ではないことを示している。

そして、王宮に招かれることで、今後もアルトリア王子と接点を持てる――そう思った。


王宮の中庭に到着すると、アルトリア王子は整った姿で待っていた。

周囲には、使用人以外の者はいない。まるで二人だけの世界のようだ。


「リリア・エルヴァイン……来てくれたか」

アルトリア王子の声は低く、しかし前よりも柔らかい。


「はい。お招きいただき、ありがとうございます」


王子は少し微笑む。紫の瞳が揺れる。

「先日、貴殿と触れ合えたことは、私にとって初めての感覚だった。孤独だった私に、初めて温もりを感じさせてくれた」


私はその言葉に、自然と頬が熱くなる。

「……王子、私も不思議な気持ちでした」


その瞬間、王子の表情が少し和らぎ、肩の力が抜けたように見えた。

――孤独な王子の瞳に、初めて光が灯った瞬間だった。


王宮の静けさの中で、二人だけの昼食は始まる。

外の噂や貴族たちの目は届かない。

ここでは、王子も、私も――ただ、互いの存在を確かめ合うことができるのだ。

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