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触れれば死ぬと言われた王子に、なぜか平気で触れられる令嬢  作者:


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【14話】王家会議へ

王宮に滞在しているという事実は、私が思っていた以上に重かった。


この日、私は正式に「王家会議の参考人」として名を呼ばれた。

同席ではなく、発言権もない。ただ“話題の中心”としてそこにいる。


会議室に入ると、重厚な空気が肌にまとわりついた。


中央には国王陛下。

その隣に、柔らかながら鋭い眼差しを持つ女王陛下が座している。


そして向かいには重臣たち。

セリウスも、相変わらず気楽な様子で席に着いていた。


「なお」


国王陛下が告げる。


「本来この場にいるべき第1王子は、国境問題の対応で欠席している」


その一言が、この場の緊張をわずかに高めた。


――ここにいない、という事実。

それだけで、影の存在感を感じさせる。


会議は、呪いに関する古文書の説明から始まった。

王家と呪いの起源。

そして、“触れても無事だった存在”――私。


女王陛下の視線が、静かに私を捉える。

評価するようでいて、同時に案じるような、不思議な眼差し。


「……そこで」


空気を崩したのは、やはりセリウスだった。


「彼女、王宮で保護すればいいんじゃない?」


一瞬で、空気が凍る。


「兄上」


アルトリアが、即座に制した。


「何。合理的だろ?」


セリウスはつまらなそうな、呆れたような表情で言う。


「外に置いておくから問題になる。だったら最初から“内側”に入れちゃえばいい」


「それは、彼女の意思を無視しています」


アルトリアの声は、はっきりしていた。


「彼女は“鍵”ではない。一個人です」


女王陛下が、静かに口を開いた。


「アルトリア」


その声に、場が自然と静まる。


「お前は、この令嬢をどうしたいのです」


一瞬、息が詰まる。


アルトリア様は、深く一礼した。


「守りたいと、考えています」


迷いのない答えだった。


「個人としてではなく、王子として。彼女の立場と意思を尊重した形で」


女王陛下は、私へ視線を移す。


「リリア・エルヴァイン」


「……はい」


「あなたはどうしたいのですか?」


突然の問いに、言葉を失いかける。


けれど私は、正直に答えた。


「怖くない、と言えば嘘になります。ですが……ここに立たされるだけの存在で終わりたくはありません」


女王陛下は、わずかに微笑んだ。


「そう。なら、よいでしょう」


セリウスが、小さく口笛を吹く。


「やるねえ」


国王陛下が、重く頷いた。


「アルトリア。お前の申し出は、前向きに検討しよう」


その瞬間、私は理解した。


これはもう、偶然や例外ではない。

王家の意思として、私と彼の関係が動き出したのだと。


女王陛下の視線が、再び私に向けられる。


まるで、静かに問いかけるように。

――あなたは、それに応えられますか。

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