表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

スーパーへ野菜を買いに行った帰り道に雨宿りをすると、アイツらに出会える

掲載日:2025/12/07

 しまったな……


 傘を持ってくればよかったな。


 歩いて10分ちょっとのスーパーマーケットまでキャベツだけ買いに行って、お店を出ると小雨が降り出していた。

 小走りで帰ってる間に雨が急に強くなって、潰れたたばこ屋さんの軒先に避難するしかなくなった。


 誰も通らない。

 自動車しか通らない。

 もぉ……っ。こんなうら若き乙女が一人、雨宿りしてるんだから、誰か傘の一本ぐらい持ってきなさいよ。


「フッ……。急な雨に、その身を濡らして帰る覚悟すらないのか?」


 急にそんな声が、すぐ隣から聞こえた。ベジ◯タによく似た声だなと思った。


 見るとほんとうにベジ◯タだった。腕を組んで、皮肉な笑いを浮かべて、横目で私を見ている。


「あの……。いつの間に、そこに?」


「戦闘力2……か。ゴミだな」


「よくわかんないけど……傘、持ってます?」


「傘などなくてもオレは雨に濡れずに帰ることができるぞ?」


「私は無理です。キャミソールがスケスケになっちゃう」


「ゴミめ」


「濡れずに帰るって、どうやるんですか? 私にもその方法、教えてください」


「金色になれ」


「金色に?」


「見ろ! こうだ! はあぁーーーッ!!」


 彼の全身が金色に輝き、髪が逆立ち、ものすごいパワーがそこに産まれたんです。

 えぇ、それは伝説にしか聞いたことのない、『スーパー野菜人』の姿でした。

 そうか──。私、スーパーに野菜を買いに行って、帰り道の雨宿りで人に出会ったから……

 だからスーパー野菜人に会うことになったんだな。

 そう思いましたけど、べつにそれで雨に濡れずに帰れるわけじゃないし──


 そんな『ですます調』の思考を巡らせていると、ふいに雨がやんだ。


「……あ、雨、やみましたよ?」


 ふんばるみたいな格好で金色に光っているそのひとに言うと、彼はなんだか『タイミング悪く、雨め、やみおって』みたいな顔をして、固まっている。


「じゃ、私、これで……」


 ぺこりとお辞儀をして、キャベツの入ったビニール袋を揺らして、私が歩きだしてもそのひとは固まったままだった。

 なんか悪いことしたかな──

 私、なんにもしてないけど──


 それにしてもいいことを知った。

 雨の日に、スーパーで野菜を買って、帰り道に雨宿りをすると、スーパー野菜人に会えるんだ。


 でも──


 孫のつくひとのほうがよかったな。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 帰ればフリーザーが待っているはず。(笑)
大好きです!これを思いつける方も好きです!スーパーで野菜買ったら期待したいです!(๑>◡<๑) キャミソールソールがぬれちゃう でブ○マを思いました。そこも計算されているかもなぁ……さすがですー!(ᵔ…
孫の付くヒトに会えるのを期待して同じシチュエーションを狙ったら、今度はナ○パが出て来るんだな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ