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記憶のかけらが降る星で___。  作者: 萩原 なちち
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EP40 「正しさは、交わらない」

本話では、ブレイズ王・レオノスが

なぜ他国と交わることができなかったのかが描かれます。


それぞれの国家には、それぞれの“正しさ”があり、

だからこそ簡単には分かり合えない――


そんなメモリスの現状が、少しだけ見えてくる回です。

記憶のかけらが降る星で___。

EP40 「正しさは、交わらない」


***


「俺はな……何度か、他国と話し合いの場を設けてきた」


 レオノスは、酒杯を傾けながら言った。


「そうだったんすね……!

 さすがっす!」


 素直に感心するカイに、レオノスは少しだけ苦く笑う。


「でもな……シンカー王は……」


***


回想 ― THINKER国家

「お前たちの、その計画性のない言動。

 感情に左右される能天気さ」


 冷たい視線で、シンカー王は言い放った。


「到底、上手くやっていけるとは思えん」


「いいじゃねぇか!!

 同じメモリス人として、一緒に――」


「話は終わりだ」


 ぴしゃりと遮られる。


「これ以上は時間の無駄だからな」


 言葉は論理的で、正しかった。

 だがそこに、余地はなかった。


***


「……ガーディアン王は……」


***


回想 ― GUARDIAN国家

「き、君と話すことはない」


 その声には、怯えにも似た拒絶が混じっていた。


「だから……!

 この冷戦を、俺は止めようと……!」


「今まで、上手くやってこられなかったという事実がある」


 ガーディアン王は、淡々と続ける。


「ガーディアン国家は鉄壁の国だ。

 これからも国民を守り続ける」


「国民もまた、自分を守り続ける。

 それで、数千年やってきた歴史がある」


「……」


 積み上げられた“守り”の歴史は、

 変化を拒む壁そのものだった。


「……はぁ……」


***


「……ビリーバー王は……」


***


回想 ― BELIEVER国家

「あなたは、祈りが足りぬ」


 静かで、しかし揺るがぬ声。


「今、生きていることへの感謝を

 神に伝えたことはあるのか」


「人を思い、自分を思う。

 ――君に、それができるのか?」


「で、できる……!」


 必死に食い下がるレオノスに、


「……できていたら、

 今、我々は仲良くしていることであろう」


「……!」


「我々は、神を信じ、仲間を信じ、自分を信じて生きている」


 ビリーバー王は立ち上がる。


「もう祈りの時間だ。失礼する」


「まってぇ!!!」


 叫びは、祈りの鐘にかき消された。


***


「……なるほど……」


 話を聞き終えたカイは、ゆっくりと息を吐いた。


 拒まれたのは、レオノスの“熱”そのもの。

 けれどそれは――


(間違ってるわけじゃ、ねぇんだよな)


 カイは、そう思っていた。


 王たちは皆、

 自分の国を守るために、正しい選択をしている。


 ただ一つだけ――

 同じ方向を向いていなかっただけで。


***

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


今回は、レオノスが他国から拒まれてきた理由を描きました。

どの王も間違っているわけではなく、

それぞれが自分の国を守るために“正しい選択”をしている――


だからこそ、交わらない。


この構造が、今のメモリスを作っています。


そしてその中で、カイがどう動いていくのか。

“違う正しさ”をどう繋げていくのかも、今後の見どころです。


引き続き、物語を見守っていただけたら嬉しいです!


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