EP40 「正しさは、交わらない」
本話では、ブレイズ王・レオノスが
なぜ他国と交わることができなかったのかが描かれます。
それぞれの国家には、それぞれの“正しさ”があり、
だからこそ簡単には分かり合えない――
そんなメモリスの現状が、少しだけ見えてくる回です。
記憶のかけらが降る星で___。
EP40 「正しさは、交わらない」
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「俺はな……何度か、他国と話し合いの場を設けてきた」
レオノスは、酒杯を傾けながら言った。
「そうだったんすね……!
さすがっす!」
素直に感心するカイに、レオノスは少しだけ苦く笑う。
「でもな……シンカー王は……」
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回想 ― THINKER国家
「お前たちの、その計画性のない言動。
感情に左右される能天気さ」
冷たい視線で、シンカー王は言い放った。
「到底、上手くやっていけるとは思えん」
「いいじゃねぇか!!
同じメモリス人として、一緒に――」
「話は終わりだ」
ぴしゃりと遮られる。
「これ以上は時間の無駄だからな」
言葉は論理的で、正しかった。
だがそこに、余地はなかった。
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「……ガーディアン王は……」
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回想 ― GUARDIAN国家
「き、君と話すことはない」
その声には、怯えにも似た拒絶が混じっていた。
「だから……!
この冷戦を、俺は止めようと……!」
「今まで、上手くやってこられなかったという事実がある」
ガーディアン王は、淡々と続ける。
「ガーディアン国家は鉄壁の国だ。
これからも国民を守り続ける」
「国民もまた、自分を守り続ける。
それで、数千年やってきた歴史がある」
「……」
積み上げられた“守り”の歴史は、
変化を拒む壁そのものだった。
「……はぁ……」
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「……ビリーバー王は……」
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回想 ― BELIEVER国家
「あなたは、祈りが足りぬ」
静かで、しかし揺るがぬ声。
「今、生きていることへの感謝を
神に伝えたことはあるのか」
「人を思い、自分を思う。
――君に、それができるのか?」
「で、できる……!」
必死に食い下がるレオノスに、
「……できていたら、
今、我々は仲良くしていることであろう」
「……!」
「我々は、神を信じ、仲間を信じ、自分を信じて生きている」
ビリーバー王は立ち上がる。
「もう祈りの時間だ。失礼する」
「まってぇ!!!」
叫びは、祈りの鐘にかき消された。
***
「……なるほど……」
話を聞き終えたカイは、ゆっくりと息を吐いた。
拒まれたのは、レオノスの“熱”そのもの。
けれどそれは――
(間違ってるわけじゃ、ねぇんだよな)
カイは、そう思っていた。
王たちは皆、
自分の国を守るために、正しい選択をしている。
ただ一つだけ――
同じ方向を向いていなかっただけで。
***
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
今回は、レオノスが他国から拒まれてきた理由を描きました。
どの王も間違っているわけではなく、
それぞれが自分の国を守るために“正しい選択”をしている――
だからこそ、交わらない。
この構造が、今のメモリスを作っています。
そしてその中で、カイがどう動いていくのか。
“違う正しさ”をどう繋げていくのかも、今後の見どころです。
引き続き、物語を見守っていただけたら嬉しいです!




