【きおふる外伝3】「カイのとある休日__ルシアスと買い物へ」
今回の外伝では、
「休みの日のカイってどんな感じ?」というテーマで、
彼の日常をまるっと覗いてみました。
いつも明るく元気な彼ですが、
仕事のない日はどこか子犬みたいで、
それを見守るルシアスや仲間たちとの空気も含めて
“魔法局の日常感”が伝われば嬉しいです。
息抜き回として軽い気持ちで読んでください♡
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【外伝】カイのとある休日
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金曜の夜。仕事終わりのカイは、誰よりも浮かれていた。
「うひょー!!明日休みだぁぁ!!!」
寮の廊下に反響する叫び声。
カイは勢いのまま自室に飛び込み、布団へダイブする。
「夜更かししよ〜♡ 酒飲んで〜映画観よ〜〜……」
缶を開け、映画をつけ……三分後には寝落ちした。
***
「おい」
低い声に、カイは目をこすった。
「うにゃ……?」
「洗濯当番だろうが。回ってねぇ」
「ひぃっ!!す、すみません!!いますぐ!!」
「もうやった」
「す、すみませんでしたぁぁ!!」
「許さん」
「ひぃ!!」
カイが正座で震えていると、ルシアスはコートを羽織りながら言った。
「……買い物、付き合えよ」
「いきます!!!!」
***
昼の市場。
カイは子犬のようにきょろきょろしながら歩いた。
「何買おうかな〜♪」
「余計なもの買うなよ」
「あっ!!新作っ!!」
「……聞け」
「これ〜ほし〜!」
「……仕方ねぇな」
渋い顔のルシアスは、結局カイのお気に入りを全部カゴに入れていた。
「昼これ食べよー?」
「……みんなでな。(こいつと来ると出費が増える)」
「あと何買う〜?」
(……でも連れてきたの俺か)
ルシアスはため息をつきつつ、
「……サボテンパスタ」
「俺持ってくるー!!」
「……あぁ」
(ぴょこぴょこ走るな犬かよ……)
その背中を見送りながら、ふと考えてしまう。
(……俺、飼い主?)
気づいた瞬間、さらに眉をひそめた。
(……何考えてんだ俺)
「今日特売だったよぉ!!!」
「よかったな。レジ行くぞ」
***
袋詰め。
カイは勢いに任せて商品を押し込む。
ルシアスは無駄なく綺麗に詰める。
「もう少し綺麗に入れろよ」
「なんでもよくね?すぐ出すし」
「そういう問題ではない。持ちづらいだろ」
「俺もつよ?」
「いい。俺が持つ」
「重いよ?!」
「筋力はある」
「ありがとーー♡」
***
寮に戻ると――
「やっと帰ってきたか」
壁にもたれて待っていたのはリツ。
「腹へりすぎて死ぬ……」
ゼフィールは床に転がっていた。
「……お前ら何してんだよ」
ロランも呆れ気味に腕を組んでいた。
「おまたせぇ!!」
カイが手を振る。
「昼すぐ食えるもの買ってきた」
とルシアス。
「お、ナイス」
ロランがさっそく袋の中を覗く。
「てか、なんで2人で行動してんの?」
リツが目を細める。
「こいつが洗濯当番忘れたからな」
ルシアスが肩をすくめた。
「……またか」
ロランの眉がほんのり下がる。
(※怒らないけど呆れはするタイプ)
「罰としてパシリに連れてった」
「へぇ〜〜?♡」
ゼフィールのにやにやが始まる。
「なんだよその顔」
「別に〜〜?♡」
「ほら、飯にすんぞ」
リツがまとめた。
***
食事中。
「うめーー!!」
カイは幸せそうに頬張る。
「なぁそれ一口ちょうだいよ」
ゼフィールが手を伸ばす。
「あー!それ俺のお気に入り!じゃあゼフィのちょうだい!」
「いいよぉ?はい、あーん♡」
「あーーん!!」
「騒がしい……」
ルシアスは呆れつつ、どこか嬉しそうだ。
「元気なのが一番だよ」
ロランが柔らかく笑う。
(――魔法局に来て、不安もあったけど。
こうして笑っていられる毎日があるのは、
ルシアスやみんなのおかげだな)
(1人って……寂しいから)
「映画でも見よっかな〜」
「あとで行く」
ルシアスが即答。
「でた」
リツが吹き出す。
「すきだねぇ〜♡」
ゼフィールが肘でつつく。
「たまたまあいつが俺の観る予定のを持ってただけだ」
「へぇ〜“たまたま”ねぇ?笑」
ロランまで微笑む。
「なんだよお前ら」
カイは笑いながら、心の底でそっと思う。
(――これが、俺の休日。
休みなのに、結局みんなと一緒。)
(でも……そのほうが、ずっといい。)
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ここまで読んでいただきありがとうございます!
カイは本編だと任務で走り回ってばかりなので、
外伝ではこうして「普通の生活」を楽しんでいる姿も
読者さんに届けたいと思って書きました。
ルシアスとの距離感、
ゼフィールのからかい、
リツのツッコミ、
ロランの包容力――
魔法局メンバーって、騒がしくても帰ってくると落ち着く家族みたいですよね。
また気まぐれに、別キャラ視点の休日も書くかもです。
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