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ラクーシュ戦記  作者: 墺離
序章
1/26

変動a


「何が光神(こうしん)か!何が守り神か!」


 トリスは外を守る機獣(グランディ)に気を送りつつ、ラクーシュの守り神である光神ライツオーネの像の前でそう叫び続けた。


「貴様が真の守り神ならば今こそ動け!わが国を守ってみよ!」


 しかし、いくらわめこうが叫ぼうが石像は石像のままだ。


「どうした動かぬか!?何のための守り神かっ、ただの木偶の坊ではないか!それとも伝承通り金の使徒がおらねば動けぬというのかっ」


(『御主(マスター)―‥!!』)


 脳裏にグランディの苦しい声が聞こえてくる、と同時に嫌な音を立てて口から鮮血が溢れでた。


(くっ、グランディ…)


「ほぅ、このような所におられたか」


「!?」


 入り口に寄りかかるように立った全身黒ずくめの男がこちらを冷たく見下ろしている。


「カルジっ、貴様ぁ!!」


「貴公の機獣、対して役には立たなかったようですが?」


「黙れ!!貴様っ…この裏切り者!!ここから生きて帰れると思うな!」


 喋るうちに口から漏れ出る鮮血が、トリスの紅い服を更に赤く染めていく。

 剣に重心を置き、それを支えに立ち上がると軋む体を叱咤して地を蹴った。


「まだ立つと、その傷でこの私に勝てるとでも?くくっ」


「!?」


 カルジの剣がトリスの剣をなぎ払う。

 カン高い音があたりに響きそして鳩尾に来る衝撃、無様にもバランスをとることができず仰向けで体を冷たい石の床に滑らした。力が入らない、跳ね上がる体、頭を打ち付け軽い脳震盪をおこした。

 ちらつく視界に影が差す、カルジが乗りかかり剣を高く振り上げているのが見える。


「さらばだ、紅姫」


 いっそ折れてしまわぬものかと、その剣先を鋭く睨みつけた。


 死ぬ。


(姉上)


 それが振り下ろされようとした瞬間。



 部屋が光に包まれた…






自サイトで掲載しているものです(^^)

ちょっと手直しがてらこちらに掲載してみます。

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