10/10
エピローグ
黒猫のぬいぐるみに、話しかける女が一人。
「いつだって、始まりも、終わりも劇的なものじゃあない。それでも、始まりも、終わりも忘れることはできないものであり――――――なにより君のこの夢には、大いに楽しませてもらったとも」
どこか満足気に笑う黒猫のぬいぐるみの頬を、ケラケラと笑いながらつつく。
「………最高に運がよかったのは、君じゃなくて私の方だったのかもしれないね」
女の呟きは、誰にも拾われることはなかった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!