第六話 とある休日
ダンジョン演習の次の日冒険者学校は休みとなった。
そんなある日マナとレイは朝食をとっていた。
「そういえばレイ、ダンジョン探索が昨日終わったがレベルはどれほどになったんだ?」
そう言われ昨日確認もせず寝てしまったためレイはステータスを開く。
名前 レイ・シルベスター lv17
ステータス HP83/83 mp91/91
力83 魔法力81
防御力85 素早さ91
器用さ95
固有スキル 増大 「解放必要ポイント100ポイント」
通常スキル 再生lv2
解析鑑定lv1
mp回復速度アップlv2
脳内補助自律知能lv1
ポイント残り48
(スキルのレベルが上がったのと、この脳内補助自律知能ってなんだ?)
(ようやく気づきましたか?)
(え、しゃべるの?)
(当たり前です。だって脳内補助自律知能ですから。)
(そんなことより早く返事しなくていいのですか。)
そういえばマナに質問されていたことを思い出し急いで返答する。
「レベル17まで上がった。」
「lv17か今日は休みだし手合わせでもしてみるか?」
「そんないきなり、けどせっかくの休みだしダンジョンでレベルアップもしたし色々魔法とかを試しに行くか!」
2人は準備をと整え草原へ向かう。
(そういえばあの脳内で話しかけてきたやつなんなんだ?)
(私は脳内補助自律知能です。)
(名前とかないのか?)
(名前なんてありませんあくまで私は自律知能なので。)
(けど名前がないと不便だな。)
(うーむ、ミアとかどうだ?)
(ミアですかそんな名前もらってよろしいのですか?)
(ああもちろんそれじゃあ名前はミアで決定だな。)
そう脳内で会話をしレイは疑問に思っていたことをミアに質問にする。
(そういえばなんで急にこのスキルを得たんだ?)
(スキルというのは基本獲得条件が存在します。)
(例えばmp回復速度アップは魔法を短期間に何十回と使い続けると獲得できたりします。)
(そして脳内補助自律知能を獲得する条件はレベル10以下でBランク以上のボスモンスターを倒すことです。)
(なら俺以外の3人もミアみたいなのが脳内にいるのか?)
(いえ討伐するのに一番貢献度の高い人だけが倒したということになるのでクリアすることになるのでレイだけです。)
(実際レイはヴァイオレットウルフの前足を切断したりダメージを与えて瀕死まで傷つけていたので貢献度が一番高いのです。)
そうミアは説明をしてくれたことを感謝し考えをまとめる。
(だから最後の攻撃だけしてスキルを得ることなどは不可ということか。)
(結構よくできているんだな。)
(そもそも大体の人はレベル10以下でBランク以上のボスモンスターに挑むと何もできずに死ぬことしかできないのです。)
(正直何回も攻撃に当たりかけて死を覚悟したしな。)
ミアと脳内で会話をしているとマナに声をかけられる。
「ここらへんでいいか。」
そう言いマナは木刀を渡してくる。
「ルールは攻撃魔法はDランク魔法だけその他は自由、どちらかが戦闘不能または降参で終了だ。」
その説明を聞きレイは頷き構えをとる。
それを見たマナも構えを取り両者は走り出す。
(身体強化をかけて様子見だな。)
魔法をかけるといきなりマナが水平に斬撃を放ってくる。
(早っ!?)
なんとか間に木刀を入れ防御するが1メートルほど吹っ飛んでしまう。
(見切れないほどではないけどいかんせん早すぎる。)
こう考えたレイは氷魔法を放つ。
【氷弾!!】
mpが4消費されました。
拳ほどの大きさの氷を飛ばす。
マナはどれを全て受け流し次の攻撃に備えようとした。
ただその考えは甘くレイはすでに目の前におり剣を振るう。
すかさずレイは
「風斬!!」
mpが5消費されました。
6つの風の刃を放ち追撃する。
砂ぼこりがたちマナの姿が見えなくなり砂ぼこりを凝視する。
「なかなかやるな」
そう言いフェイントを入れつつこちらに向かってくる。
(受けようとしても力負けする。)
(なら受け流すか避けることに集中しろ!)
マナの右からの一閃を受け流しすかさず放たれた2連撃を避ける。
さらに追撃の振り下ろしを風魔法でずらしすかさず反撃する。
「かはっ!」
「くっ!」
マナの攻撃を逸らしきれておらずレイもマナも相打ちとなった。
「ここまでとしようか。」
「剣術だけでそれかよ。ゼェゼェ」
「これでも手加減はしたのだがな。」
「まじかよ。」
「手合わせも終わったしお前はどうする?」
「もう少し訓練したら帰るよ」
マナを見送ったあと魔法を試す。
「そろそろBランク魔法ぐらい使えるかな?」
「風砲!!」
mpが12消費されました。
そう詠唱すると空気の塊が飛んでいき直径1mほどのクレーターができる。
「あんま連発はできないし使い所は考えないとな。」
「ただBランク魔法でもべつの魔法なら使えそうだな。」
「そういえば光属性とか使ってないな」
光属性魔法は光る魔力の玉いわゆる気弾を飛ばしたり転移をしたりすることができる。
「試しに打ってみるか。」
そう決めて魔力を込める。
「疾風連弾!」
mpが24消費されました。
そう詠唱すると十数個の気弾が放たれる。
「ちゃんと打ててるな」
「正直モンスター相手に使うことはないし使うとしたら魔族とかになるかな。」
その後1時間ほど鍛錬をして街に戻る。
(そういえば主様装備品などはつけないのですか?)
(うーんちょうどダンジョンの攻略で金も25000万ゴールドくらいあるし探してみるか。)
(あと主様って言うのは辞めてくれ普通にレイとよんでくれればいい。)
(そうですかではこれからレイとお呼びします。)
こんな会話を交わし適当な防具屋に入る。
(ただ正直具つけると動きにくくなって嫌なんだよな。)
(ならみかわしの服などの動きやすい防具を選んでみては?)
そう言われ動きやすそうな装備を探す。
(これとか良さそうだが。)
【解析鑑定】
絹の服 上級品 防御力プラス4
この服を装備すると魔法から受けるダメージを減らす。
(そういえば解析鑑定で階級みたいなのあるけどどれくらい上まであるんだ?)
こう質問するとミアが解説してくれた。
ミア曰く上から順に
神話級
伝説級
国宝級
職人級
上級品
標準品
粗悪品
(この絹の服は上級品か)
(金額も4000ゴールドくらいでそこらの標準品とあまり変わらないし。)
(買ってもいいと思いますよ。)
(こういうエンチャントされた装備はそこそこレアですから。)
(え、エンチャントってなんだよ。)
(エンチャントとは装備を作るときに魔法をかけ続けると付く付属効果です。)
(この装備で言うと魔法ダメージを減らすってやつです。)
(しかもこれを作るのに腕の立つ鍛冶師とそこそこの魔術師が共同で作るので結構高くなるんです。)
(多分この装備は解析鑑定がされておらず気づかれていないと思われます。)
(そっかじゃあさっさと会計済ませてくるわ。)
そう会話をして会計を済ませたあとアクセサリー店も寄ることにした。
(アクセサリーでいいのってどんなのがあるんだろ。)
(そうですねレイなら俊敏性の上がるアクセとかどうですか?)
(俊敏性ってステータスにないけどなんでなんだ?)
(俊敏性は鍛えたらちゃんと上がりますよ。)
(簡単に言ったら裏ステータスのようなものです。)
(ギルドのステータス確認推奨や解析鑑定したら見えますよ。)
(なんならいま自分を解析鑑定してみたらどうです?)
こう助言され自身を解析鑑定で調べる。
【解析鑑定】
名前 レイ・シルベスター lv17
ステータス HP83/83 mp91/91
力83 魔法力81
防御力85 素早さ91
器用さ95 俊敏性101
固有スキル 増大 「解放必要ポイント100ポイント」
通常スキル 再生lv2
解析鑑定lv1
mp回復速度アップlv2
脳内補助自律知能lv1
ポイント残り48
(実際これ以外にもステータスはありますが解析鑑定のレベルが足りないので見えませんね。)
(まあとりあえずさっき言ったアクセサリーを探してみたらどうですか。)
助言されたとおりに解析鑑定をして調べてみる。
【解析鑑定】
風のペンダント 標準品
風のように体が動きやすくなり俊敏性が少し上がる。
(これいいですね)
(あんま俊敏性が上がるのないな。)
(そもそも俊敏性はあまり重要視されてませんから。)
(主に冒険者が戦うのはモンスターです。)
(なので俊敏性より力でゴリ押したほうが楽なのです。)
(しかも俊敏性はレベルが上がると自然と上がるので放置されがちなんです。)
(そういう理由があるのか。)
(まあこのアクセでいいかな。)
(さて一体いくらするかな。)
表札を見るとそこには1万ゴールドという文字があった。
(高っけぇぇぇ!!)
(そりゃそうですそもそもアクセは高くつくので正直これはあまり需要がないので安い方です。)
(まじかよ、まあとりあえず買ってくるわ。)
会計を終わらせ装備をしステータスを解析鑑定で見てみる。
【解析鑑定】
名前 レイ・シルベスター lv17
ステータス HP83/83 mp91/91
力83 魔法力81
防御力85 素早さ91
器用さ95 俊敏性125
固有スキル 増大 「解放必要ポイント100ポイント」
通常スキル 再生lv2
解析鑑定lv1
mp回復速度アップlv2
脳内補助自律知能lv1
ポイント残り48
(お、だいぶ上がったな)
(そうですね)
(そろそろ暗くなってきたし帰るか。)
(休日は楽しめましたか?。)
(もちろん!)
そう会話をして帰路についたのだった。