二章2話 蟷螂之斧なんて言わせない
追手たちは各々武器を取り出し、注意深く訓練所ににじり寄ってくる。朔たちは物陰に隠れて好機を伺う。タイミングはまだ。誰かの足が鈴に触れるまで。昴岩が足をつよく踏み込み、ものすごい音が鳴る。反響で位置を探っているのか。朔たちは声をあげそうになるのを堪える。荒くなる息を必死に殺す。四方から少し距離を詰めてくるのがわかる。まだだ。十分に引き付けて。つばさは口を必死で抑えている。まだだ。辛抱しろ。心臓バクバク。鼓動の音すら周りに聞こえているかと思われる静寂。永遠のような時間の中———
チリン。
途端、地を蹴り跳び上がったマリンが激しく発光。
全話の通り、この施設は基本薄暗い。そんな中強い光を浴びせられると、どの猛者も例外なく隙が生じる。
「ぐっ…」 「眩しっ」 「チィッ…!」 「なんと面妖な…」 「わお⭐︎派手だねぇ!」 「まずいな…」
三者三様ではなく六者六様に光に参ってくれたみたいである。ここをチャンスと捉えずしてどうする。
伐と雛の横から生えた手が2人を荒々しく掴む。そのまま彼らをぶん回し、重力加速度による失神を起こさせる。少々残酷だがそんなことは言っていられない。彼らを丁重に寝かせる。それを見てマリンはまだ目くらましから回復しない弥次郎に近づき首元に微弱電流を流し、気絶させる。そのうちにつばさが滑車の原理でフックから吊り下げられていた大きなマットレスを落とし、真下の昴岩を覆う。朔が急いで鎖をぐるぐるしばりつけ、無力化完了。しかしここで、もたつきすぎたようだ。
「あっぶなー…一気にやられるとこだったね…敵ながらあっぱれ!」
「んなこと言ってる場合じゃねぇだろぉが…戦況は一気に向こう有利に傾いてんだぞ…」
万里亜と一仁が復活した。焦ったマリンはもう一度発光したが…
「一度見た手は二度とは食わねぇよ。」
「どっちにしても振動である程度分かるんだよねー。」
効かない。完全に想定外である。一仁は短銃っぽい武器を片手に一丁ずつ構え、連射し始めた。
「BB弾だから、当たっても死にゃしねぇだろ。容赦しねぇぞ。」
「物陰に隠れてるねぇみんな。一仁、3時の方向に忍び足で移動してる子がいる。多分女の子。で、今まさに11時の方向から誰かが狙撃しようとしてる。」
両手を地面につけた万里亜はすべてが見えているかのように言い当てる。実際回り込んで叩こうとしたつばさも狙いを定めた輝登もこれ以上動けない。足元に突如大きな雷を打ち出したマリンがいなければ。
「振動をとらえてるんなら、そこ狂わせちゃうよ?ネタバレなんてしちゃだめなんだから。」
「へぇ…ちょっとは優秀なブレーンがいやがるのか。誰だぁ?」
(会話したらすぐ気づく。モールス信号も同様。ジェスチャーなんてして身を乗り出そうものならお陀仏だ。なんだ?何をしている?)
考え込んだ一仁の真下から手が出現。慌てて飛びのく。手はのたくりながら距離を詰めてくる。手を撃つ。つぶれてもすぐ再生する。避けるのに必死で、一仁は周囲の確認を怠った。障害物の隙間、射線上に躍り出る。しまったと思うのもつかの間、正確無比な射撃により飛び出した弾丸は一仁の頬をかすめる。
「おいおい実弾かよぉ…マジ勘弁しろよな…当たったら死ぬじゃぁねぇか…」
(ただ…今なら撃ち返せる!!射線が通る!)
銃を構えた瞬間、一仁はふらつき倒れる。
「な…にをした…」
「実弾は実弾でも、睡眠剤を塗っておきました。マリンさんが医務室から取って来てくれたんです。盗んだのは謝りますが、今はそう言ってられないので…ついでにさっきから作戦を動かしていたのも僕です。人魂を使ってね。では、どうぞお眠りください。」
「マ…ジか…」
(や…やばいやばいやばい…!!煽りすぎちゃった…!どうしましょう起きたらあのチンピラ然とした人に詰められるんだぁ…)
悩む輝登の肩を叩く朔。
「グッジョブ、輝登。あと1人だ。」
「あれ?残り私だけ??やばいね…」
「降参とか考えてたり?」
余裕さを見せた朔たち。そこに…
「降参なんてしませんが?」
いるはずのない人が現れた。橙色の長髪。四角の銀縁メガネ。大迫力樹だ。
「いやー、すまんな!ボクはどーしても止めたんやけど、力樹の主張にも一理ある思てな。力樹が言うにはな、『こちらの想定としては正面から戦ってその様子を観察することだったのにこれじゃ実力がわからない』とのことらしい。ってわけで安心してやっちゃいな!ダイジョーブ!ほんまに死にそうな攻撃しようとしたらボクが2秒で鎮圧するさかい。」
後ろから凱羅もついてきた。
「ええ…?激しく気乗りしないんだけど…」
「マジそれな澪。デモ起こすか?」
「なになに?そんなにボクが信用でけへんの?」
そう言った凱羅が消えた…と思ったら力樹の首元に親指を突き立てている。30メートルほどの距離を一瞬で詰めたらしい。力樹もさすがに冷や汗をかいている。
「ああ―…もうやりましょう皆さん。これはやるしかないです。」
「お、奇遇だねぇ輝登。あたしも燃えてきたとこ。バケモンに挑むのってワクワクするよね!」
残り3人はしばし逡巡、マリンたちに賛成した。
息を整え、5人は背中合わせになる。襲来者は力樹ひとり。彼はどこにしまっていたのか幅の広い袖から得物を取り出す。持ち手はこぶし5つ分くらいの長さで、その両側には縦1メートル横50センチメートルほどの平行四辺形の刃がついたものだ。
「いきますよ。海杖さんは下がっていてください。」
放たれた言葉は手短に———
「!?」
朔をつぶしに来た。マリンが足元から取り出した『冥王の霊笏』で必死ではじく。距離をとる朔。物陰から輝登が盛んに狙撃するが当たらない。壁から手が生える。刹那の間に細断される。
「小間切れにしたのでしばらくの間は再生しないでしょう。」
「きゃっ…」
呻いて場所を知らせた澪に容赦なく牙が襲い掛かる。力樹はうなじに手刀を食らわせ昏倒させる。そして飛んできた輝登の銃弾をはじき返し、銃口の位置を特定、同じように昏倒させる。
「残り3人…たわいないですね。」
「お…大人げねぇ…」
「もし君がこの師団に所属するならそこは命を懸けた戦場です。そのときも同じような反応をするのですか?」
…ああもう。完っ全に頭にきた。いいさ。上官とか関係ない。やってやろうじゃないか。超越だ。
「マリン。この場を1分持たせられるか?」
「人使い荒いなぁ…。いいよ、やれるだけやってみる。つばさちゃん!」
「わかった。何するかわかんないけど、勝つよ!」
「ああ。もちろん。」
駆け出す朔。目標は医務室———。
「何かしに行きましたね。早いとこ終わらせましょうか。」
「さあどうかな?私は仮にも閻魔の娘。そんなにやすやすと…ってうわ!」
急に突っ込んでくる力樹。
「こらぁーー!!!話の途中でしょぉーがぁ!!」
なんだかこんな会話を最近したような。マリンは苦笑しながら一合二合と斬り結ぶ。
(速い…さすが副師団長…いやなところ攻めてくるな…)
「って困ったふりして突然発光!!」
いきなり光ったマリン。しかし力樹は動じず攻撃を仕掛ける。横合いからなぎなたを持ったつばさが参戦。二対一だ。マリンの攻撃の隙間を刺し通すような攻撃にさすがの力樹もうんざりしたのか、刃ではなく面でつばさを叩こうとする。が。
力樹の顔の横をすごいスピードでボールがすり抜ける。朔の帰還だ。
「顔は駄目だぜ、せっかくの顔なのにもったいねーぜ?それよりさ。俺と玉遊びしよー、ぜ!」
また朔が蹴りだしたボールが惜しいところをかすめる。
「いやー、医務室向かってたんだけどさ、どこにあるかわっかんなくてさー!とりあえず一分っていうデッドラインもあるしこのボールかごだけ持って帰ってきた!」
「…デッドラインって『締め切り』って意味じゃない?」
「ノー!小森さん、そこへの言及はなしだって。とりあえず攻めに新たなピース入れといたからやっちゃってマリン!」
「そこで他人任せかい!ま、いいや。あたしも頑張っちゃうぞー!」
朔は宿霊剣を抜き放つ。が、例の倦怠感とそれに加え激痛が襲い来る。なぜだ。前よりも激しい。だがその場に刀を突きさし、頽れることは免れた。
「…。何をしてるんですか?隙だらけですが。」
マリンが一瞬で距離を詰めて縦に一閃するもよけられる。そこを横合いから突撃してきたつばさ。袴の裾になぎなたがかする。
「天原くんは…メンテナンス中!少々お待ちください!」
マリンとつばさが攻勢に出る。30秒ほどして朔は刀を構え、突撃。刀を左手に持ち右手でテニスボールを投げる。それを力樹が叩き斬った隙に懐へ。しかし振りぬいた一撃はたやすく片手で止められる。
「これが…格の差…」
細かく軽い斬撃が入り、全身に浅い切り傷が増える。
「落ち着け…落ち着くんだ…」
飛び退った朔は息を大きく吐き、目を見開く。つばさとマリンがまた斬り掛かる。その隙にかごからサッカーボールを取り出し朔は上に蹴り上げる。自然、皆の目は上へと吸い寄せられ———
朔は極限まで身を伏せ、力樹に肉薄。両手を地面につき、逆立ち+ドロップキックのような技を繰り出す。力樹は足で朔の両手を払い、空中で回転させる。しかしさっきのはブラフ。回されたまま、朔は空中でミートポイントを定め、全力で足を振り抜く。今度こそ意表を突かれた力樹は———
右腕を直角に曲げ、台パンの要領で朔を全力でその場に撃ち落とした。
「げうっ…」
「やりすぎじゃない今の!?」
マリンが雷を撃ち出すが当たらない。出し切って少し硬直したマリンをそのまま壁側まで吹っ飛ばす。
最後に力樹はつばさの前へ行き、武器を振りかざす。つばさにそれが届く前に、倒れていた朔が駆けつけ武器を両手で挟み込む。
「!!」
またしても真剣白刃取りだ。そのままつかんだ武器を体の左側に引き込み、肘を曲げる。そしてその姿勢のまま手を滑らせて肘で力樹の喉を狙う———
「ぁふっ…」
朔が仰向けに倒れる。
「脳震盪…かな…?思いっきり叩きつけてたし…。」
心底恐ろしそうにつばさが言う。
(強い…。わかってたけど、天原君たちと一緒なら勝てるかもって思ってた。私はいつも大事なところで体が動かない。どうす…)
「考え込んでるとこ悪いですが」
と力樹が凱羅を指さす。凱羅は手を挙げて宣言する。
「では、これにて入団試験終了!全員合格!休憩!はいみなさん倒れてる人たちをその人の部屋へ運んでくださーい!」
凱羅が指示すると周りから人がわらわらやってきて朔たちを連れて行った。
「あ、つばささんは付いて来てやー。あんま動いてないやろ。補習しよか。」
(……。勘弁してーー!!)
◆ ◆ ◆
連行されたつばさは地べたに座らされ、凱羅は自分はビーチチェアらしきものに体を預け、話し出す。
「さーてと。さっきの模擬試合、重要なポイントがふたつと君の反省点がひとつあるんやけど。何かわかる?」
「———?———。…。わかりません!」
「まずはそこ一つ目。考えすぎ。たとえば君が戦争へ行ったとするで。ぼーっと考え込んで動かへん奴がおったら迷わず打つやろがな。反射でどう動くんか判断しぃ。で。」
いったん言葉を切り、凱羅はつばさを指さす。
「一回君は力樹の袴の裾切ったやろ。あんときはどういう風にしとったん?」
「あの瞬間、意図的かは知りませんがマリンちゃんが斬りかかったときにあの笏みたいなものが帯電してたんです。それに気づいた力樹さんが少し身をオーバーに引きました。その時足も普段よりずらしていたのでかすったのかも…?と思っています。」
「いい目や。君はそれを極めるとええわ。すごい武器になる。それがポイント1。」
「1…ですか。」
「そーや。ここからは超~~~内密な話や。力樹に知られたらまた厄介やねん。で、君、隠してる才能あるやろ?もしくは開花してないか。」
「!?いや…その…」
つばさはなぜ見抜かれているのか不思議に思いつつ、イタコの話をする。
「なーる。道理で。力樹がうるさく言うてたわけが分かったわ。全員霊と関連のある力で戦うんやなこの世代。めっちゃおもろいやん!」
いや、あんたが今見抜いたんとちゃうんかい!というツッコミは野暮なので控える。
「そーか。じゃあその能力、開花させてかなあかんなぁ。あ、これがポイント2な。」
「思考を止めずに、ぼーっとせずに、状況を読み続ける…か。頑張ってみます!」
「へいへい。レクチャー代はボーゲンダッツ1個で構わんで。今ちょっと金欠でなぁ。」
「今学校帰りに拉致されてるんで、お金ないです。ごめんなさい。」
「ぬおお~~!!!陽葉何してくれとんねん!!食べ損ねたやないか!」
さんざんぶちぶち文句を言ったあとで彼は振り返り、
「ついでに言っとくけど、拉致とか言わんとって?これでも警察にお世話になったことないねん。」
とこぼす。ほんとにこれが師団長なのだろうか?つばさはため息を一つつき、答える。
「わかりましたよ。後でお金取りに行けたらおごります。にしても大の大人が高校生にたかるなんて…」
「いやいやまだ22歳やしええやん。25歳からやろ完全な大人は。」 謎理論。
「てか何にそんな使ったんですか?」
「いやぁ?2か月ほど家に帰らず任務してたら空き巣に入られてすっからかんやぁ…」
「超切実だった…!ちょ…そんなんなら言ってくださいよ!みんな助けてくれますよ!」
「同乗してくれて悪いけど、全部嘘や。実はネットで買い物しすぎた。今家にあるのは大量の段ボール。怖すぎてよぉ帰られへんわ。」
「はぁ!?何なんです!?今の時間返してくださいよ!!」
つばさはなぎなたを取り出し斬りかかる。凱羅はよける。
「なんやなんや!動作のほうも補習か!?おもろいな、当ててみ!!」
早くも実践の機会がやってくる。苦しいけど、しんどいし休みたいけど、この感情は。
「最っ高!!」
◆ ◆ ◆
気絶した全員が動けるようになって、夜10時。遅めの晩餐兼歓迎会が行われた。
「いやー、おつかれっしたーみなさん。太るとかそういう理由は抜きにして好きなだけ飲食してやー!」
「「「「「うぇーい!!!」」」」」
「いやー☆負けた負けた!まさかあんな罠あると思わないじゃん?ねぇ一仁?」
「うるせぇ海杖。まだ薬残ってんのか知らんが頭がイテェ…」
「うぅ…それについては本当に申し訳ありません…」
「いやそれでいい暈嶽。誇っていいぞ。」
「なにもできずにマットレスの下敷きになってた人がなんか言ってら(笑)。」
「な!?天原お前…事実でも言っていいことと悪いことがあるぞ…」
「ドンマイ昴岩。次頑張ろうよ。」
「普通に寝かされた人は幸せだよ…私と伐なんかよくわからない手にぶん回されて気絶だよ?今でもなんか目がクワンクワンしてる…」
「右に同じく…」
「くぅー!この肉おいしー!地上に出てきた甲斐あったわこれ。」
「え…?それで満足しちゃうの…?」
少し離れて凱羅が力樹に話す。
「みんな打ち解けてんなぁ。よかったわ。で?力樹からみてあの子…朔くんはどうなん?」
「気に食わない…というのは個人の見解なので差し控えますが、なかなかいいリズム感を持っているようです。といっても彼が持つ剣と同じく未知数なところが多いですが。」
「そうか。彼らはきっとこの師団をもっと超越させる星になる。ボクはそう思うわ。」
「ええ。そうですね。今後に期待ってとこですかね。」
急に扉が開き、
「ああー!ちょっと私たち抜きで何楽しそうなことしてんのよ!もうほぼ料理ないじゃない!」
「ああ、歓迎会やねん。悪いな。」
「メロン優雅に食べながら言わないでもらえます?くっそー!出遅れた!」
「まあまあ。アタシはべつにめんどくさいから参加しなくてもいいぞー?」
「それな。そーだな。部屋で寝てこよう。」
「伐さん。あのうるさい人とサバサバ系の人とダウナー系の人は誰ですか?」
「なんて評価だ。彼らは僕と同じく君らの一つ上の世代。任務帰りだ。」
彼の説明したところによると…
うるさい人は十六夜美羽というらしい。ポニーテールの髪は臙脂色で目は黄緑色。つり目で気が強そうだ。白衣は青竹色、袴は深い紺色だ。背は低めである。
サバサバ系の人は奈倉真名。高身長で、出るとこが出きったグラマーな体つき。まろ眉でピンク色の垂れ目の柔和な顔つき。髪は落ち着いた水色で、黄色いカチューシャをつけて長い髪を下ろしている。白衣は白色、袴はうぐいす色。
ダウナー系の人は柳龍乃蒼だそうだ。ドイツと日本とのダブルらしく、白い髪を無造作にセットしている。赤い目の下にははっきりとしたクマがあるが、それを差し引いてもすごく美形である。白衣は若草色、袴は紺碧。すごいコントラストだ。引き立って見える。
「へぇー…いろんな人がいるんだなぁ…そういえば俺らはあの制服?的なのもらえないんですか?」
「それは明日通達するから今日はこれがすんだら寝ぇ。」
いつの間にか目の前まで来ていた凱羅が言う。
「はーい…」
「あ!そうだ!私バイオリン弾けるんだ。皆聞いてくれる?お気に召すかわからないけど。」
「おお!いよっ!雛!!いいよー!!」
弥治郎が叫ぶ。雛が弾き始める。本人は自信なさそうだったけど、めちゃくちゃ上手い。
その後も宴の席は盛り上がったのだった。
◆ ◆ ◆
皆が寝静まった後、マリンは起き上がり、本部から出ていく。雷がほとばしり、ほんの数分で大阪城までやってくる。彼女は赤松との激闘の跡地を見て回る。だいぶ復旧してきてはいるがまだ立ち入り禁止になっている。あらためて風野のすごさを思い知る。立ち入り禁止ロープを超え、マリンは赤松が最後に落ちた木造の橋の付近へついた。するとそこへ小さな祠ができているのを確認した。それが外部からのいかなる干渉も受け付けないのを確認すると、マリンはまた退霊師団本部へと帰っていったのだった。