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初期ヤマト政権は豪族連合政権じゃない! 唐古鍵から纏向へb


 実はそこに「初期ヤマト政権は豪族連合だった」というミスリードも絡んで来ます。そういう考えの人たちが何をしたいかと言うと、松の木に梅の木を無理やり接ぎ木する様に、第10代崇神天皇や11代垂仁天皇の宮城があったとされる纏向遺跡と第7代孝霊天皇皇女の倭迹迹日百襲姫命の墓であるとされる箸墓古墳をそれぞれ邪馬台国と卑弥呼の墓に無理やりどうしてもしたい願望があって、魏志倭人伝には実力者である王達(=豪族?)が衆議して卑弥呼を擁立したと書いてあるのだから、初期のヤマト政権の代表者も話し合いで選ばれた権力が無いお飾りの存在だったとしたいという事だと思っています。


 でもこれを書いている本人は、魏志倭人伝の歴史とヤマト政権の歴史=記紀とは交わらないと思っています。あくまで倭国の邪馬台国卑弥呼は九州のごく一部の「九州倭国」であり、ヤマト政権はそれより東に存在した「倭種の地」の出来事と考えるのがとても素直な無理のない考えだと思っています。




 初期ヤマト政権成立には九州勢力は殆ど加担してない!

 ついでに出雲国譲り神話や饒速日の存在から、最初期のヤマト政権は九州や出雲の勢力が作ったとしたい人が多い様ですが、それらも間違いだと思っています。何回も同じ事を書いていますが、古代は新幹線も飛行機も無い時代なのですから、何か政権が出来るとするば、それは最初は当然その地元の人々によって作られると考えるのが自然で、わざわざどこか遠くからやって来て新たな政権を作り上げるなんて事は無いと思っています。


 だから九州や伊都国の邪馬台国が東遷して纏向に新たな都市を作ったとかだったら壮大かも知れませんが、そんな事はまずあり得ないです。


 そもそも論として纏向遺跡から全国各地の土器が出土すると言っても、外来系の土器も一番多くて約3割しか出て来ません。後は全て在地の土器なんです。その三割の外来系土器の中でも東海だとか吉備だとか各地の比率があって、それらの比率を考えれば外来の人々が纏向を主役として作ったと考えるのは難しいです。それに特に出雲が突出して多いという事もありません。


搬入土器の出身地割合wikipedia

伊勢・東海系   : 49%

北陸・山陰系   : 17%

河内系     : 10%

吉備系     : 7%

近江系     : 5%

関東系     : 5%

播磨系      : 3%

西部瀬戸内海系 : 3%

紀伊系     : 1%


 外来系の土器出土率が多い所で約3割で「その中」でのさらに比率で伊勢・東海が突出して多い事から、纏向遺跡は出雲よりも東海との関係が強い事が分かる。


 ちなみにさらに九州や朝鮮との交流を示す土器も今の所数が少ないらしい。


「九州由来もしくは朝鮮由来の土器は非常に少なく、魏志倭人伝に記載されている鉄器も僅かしか出土していないことから、この遺跡では大陸との交易は乏しかった[7][23]と類推されている。」wikipedia


 魏志倭人伝の卑弥呼が大陸との交渉を頻繁に行っていた事を考えれば、常識的に考えて纏向遺跡が卑弥呼の邪馬台国とは到底思えないでしょう。また九州から勢力がやって来て纏向を作った事もあり得ないです。(ナントカの鏡が大量に見つかっただから邪馬台国だという議論が多いのですが、そんな物日本で作った物かも知れないし、邪馬台国滅亡後にヤマト政権が手に入れただけかも知れない)


 つまり初期ヤマト政権は「唐子鍵遺跡」で成立し、強力な権力を持ったリーダーが代々跡を継ぎ、特に東海等の勢力と協力して遂に崇神天皇や垂仁天皇の時代に纏向遺跡に計画都市を作り上げ繁栄を遂げ、そこからさらに古墳時代にかけて外征期に入り最初の絶頂期に至った。その時に九州倭国の邪馬台国、卑弥呼の後継勢力とぶつかったと考えるのが凄く自然だと思っています。


 所が残念な事に武烈天皇の時代にはっきりと最初の衰退が始まり、その後に地方から跡を受け継いだ継体天皇の時代に少し盛り返すのですが、そこから飛鳥時代の豪族連合政権だった等と表現される時代に繋がって行く事になると思います。


 つまりそれまでの前史を全部ぶった切って、記紀に書かれてある事が纏向遺跡と符号する事があっても全部無視して、それで魏志倭人伝と無理やり接ぎ木して、ヤマト政権の歴史と卑弥呼邪馬台国を無理やり合体させたのが、纏向遺跡=邪馬台国説だと思っています。


 当然書いている人間は全くの間違いだと思っています。


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