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16年後・・・
「よぉ、久しぶりだな。」
そう掛けられた一言に振り返った。
ソコに居たのは仮面を被った男だった。
(誰だ、こいつは?)
眉間にしわを寄せながら考える。
ここは公園のようだが、俺と男しか居ない。
それに、公園に来た記憶が無い。
「どうした?変な顔して。」
男はそう言って俺の肩に手を置く。
「お前は誰だ?」
男の手を払いのけ、ようやく口にした言葉をぶつける。
「俺が誰か? 覚えている筈だろ。」
男はそう言うと仮面に手を伸ばす。
取り払われた仮面の下の顔を見て言葉を失った。
「だって俺を殺したのは・・・」
はっ!
ソコで眼が覚めて飛び起きた。
そして夢に出てきた公園に向った。
あの男はまだ俺を恨んでいる。事件から16年経った今でも・・・
この作品は「何処だ?」と関係のある作品です。
16年後の理由は、時効が過ぎて1年という記憶が風化し始めるだろう時期を考えて設定しました。