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糸電話

作者: まえとら

私は心身ともに疲れ果てていた。これからどうしたものか。



ふと通りかかった街角を曲がると。古い洋館が目に留まった。子供の頃、アニメや漫画で目にしたような怪しい洋館だ。


紙コップに糸がついた糸電話。その古びた洋館のカーテンが揺れている窓から垂れ下がっている。

「もしも~し」

洋館を通り過ぎようとすると声が聞こえた。

私はこの紙コップの受話器を手に取るか取らないか躊躇していると。

「もしも~し」

再び声が聞こえた。

私は好奇心が勝りその受話器を手に取った。

「もしもし」

「こんにちは~」


それからというもの毎日のようにその声の主と他愛ない会話をして過ごし私は元気になっていった。



そんなある日。紙コップの受話器からの声は聞こえなくなった。

カーテンが揺れている窓からだらんと糸電話の受話器が垂れ下がっているだけだ。



私は洋館をあとにした。

ふと振り返ると窓は閉め切られていた。

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