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【この世界は死にました】  作者: もちきなこ
第1章 そして、終わりが幕を開ける。
14/35

秋色の回録【一】さよなら・中


「ただいまぁ~」

「……おかえり」


 紙袋を後ろ手に、素早く家に入ると自らの部屋に飛び込んだ。


「ねえ、話があるの。こっちに来て」


 しかし、どこか落ち着いた母親の声に、呼び出されてしまう。


 何の話だろうか……。ともかく隠すのは後でにしよう。

 せめて目立たない場所である、自分の勉強机と棚の間にある引っ掛けに紙袋を掛けて、模試ノートの入ったバックを持ったままリビングへ向かった。


「あ、お父さん、帰ってたんだ。……なに、話って」

「秋、お前……」


 眉を潜ませ、静かな怒りと呆れと悲しみを押さえ込んだ、落ち着いた表情。

 何となく嫌な予感がする。ギュッと心を引き締めて、次の言葉に備える。


「帰ってくるの、随分遅かったんだな」

「え、ま、まぁ……テスト、少し遅くなっちゃってさ」

「違うでしょ、テストは早く終わったよね」


 ――バレ、ている?

 言葉を詰まらせる。何故だ、何故知っている。しかし、ここでバレてしまうのは一番宜しくない。


 早くなる鼓動。息を詰めてソレを誤魔化し、表情だけは平然を装って言い放つ。


「ん? いや、早く終わってないよ。思ったよりも難しいテストでさ……行く前に言った時間より延長されちゃったんだよね」

「……先生からね、電話があったんだよ」

「は……電話……」

「そう、電話。テストが終わった直後にね」


 電話……でんわ?

 どうして電話なんか……いや、学校から電話が来るとしたら一つしかない。そう――


「模試の事について。……秋さ、模試の結果、隠してたんだね。全部見たよ」

「もし……」


 息を呑む。やっぱりか、と思った。

 最近のあの酷い模試の結果についての電話だ。恐らく面接をしようだとかそういった内容だろう。


 上から下へ、気持ちが一気に突き落とされる。先程まで楽しかった気分が嘘のようだ。心臓がヒヤッとして、まるでジェットコースターで上から真下に突き落とされたように、空中に浮いた胃が締め付けられて、吐き気と共に気持ち悪い痛みが襲う。


「ね、秋、随分と急に成績下がったのね。どうしてだろうね」

「え、それは……いや、それでも頑張って――」


 そう、頑張っている。

 彼らにはそう見えているハズだ。自分が遊んでいる事など――


「違うだろ。遊んでるからだろ」


 断ち切るように、静かに、しかし重い怒りを含んだ声調で言われる。


 遊んでいる、という言葉が酷く恐ろしい響きが体に突き刺さり、身体中を反響して駆け巡る。

 高鳴る動悸、込み上げる気持ち悪さ。全身から冷や汗が吹き出して、逃げ出したい気持ちが溢れる。


 バレていたのか……? 全て……


「あそ、んでる……って」

「知ってるよ。学校の帰りの遅い日も、自習室行くって言って家を出た後も、ゲームセンターに寄ったりフラフラしてるだけで……家でも勉強してるフリしてずっとスマホいじってるよね」

「……」


 言葉が積み重ねられる毎に、心臓に杭が突き刺さる。


 何も言えない。言える訳ない。

 ――事実だからだ。


「……ね、あのさ」

「な、に……」


 返事をするのが精一杯な震える声で呟く。

 もうこれ以上言わないでくれ。そう思ったが、言えない。言う権利すら自分にはないのかもしれない。


「……今日も帰ってくるまで、すごい時間かかったよね?」

「……っま、……ちがっ、今日は――」


 聞きたくない。ききたくない。ほとんど確信した予感。否定しないで欲しい。

 震える声で応戦しようにも、言葉が出てこない。


「また、遊んでたんでしょ?」


 急加速度的に感情が流れる。

 言われてしまったと思った。目が見開き、喉がカラカラに乾いて、……しかし先程とは打って変わって、流れるように次の言葉は吐き出された。


「違うッ! 遊んでないッ! 確かに今までは遊んじゃう日もたまーにあったけどっ、今日は違う!!」


 否定しなければ、ただただそれしか考えられない。

 お母さんの為にカーネーションを買ったのに。喜んで貰えると想像して、あんなに楽しかったのに。今日は遊んでなんかいない、否定されたくない!!


「じゃあ何してたの? 延長したって嘘をついてまで、バレちゃいけない大切な事?」

「……ッ、それは……」

「言えないじゃない」


 二人の酷く呆れた表情が体を締め付ける。

 焦燥感が体内に募る。信じてもらえない……いや、貰えるわけがない。今までの行いのツケだろう。だけど、今日、今日は、今日だけは、誤解されるのが悔しかった。


 母の日の事を話そうかと思ったが、やめた。それこと、自分の気持ちを自分で否定する事になりそうで嫌だった。


 理性よりも先に、言葉は自然と出てしまった。


「言えない……っけど、遊んでない! 信じてよ! 頼むから! 今日は遊んでないから!! 今日は――」

「……お前、いい加減にしろッッ!!」


 ――ガンッ!!


 机に拳が振り下ろされ、同時に発せられた怒鳴り声が弾丸の如く秋を突き抜けた。


「信じるも何も出来ないだろ!! 遊んでるってさ……何の為に働いて、学費も塾代も出してるっていうんだよ。これじゃ意味が無いじゃないか! 金を捨ててるも同然じゃないか……っ!!」

「――ぃ」

「仮に今日遊んでないとして、それなら一刻も早く家に帰って、ほんの一秒も無駄にせず勉強をするべきじゃないのか?! 何考えてんだお前、やる気あんのかよ?!」


 正論だ。自分が悪い、分かっている。だけど、そんな言い方はないじゃないか。

 父はいつもそうだ。極端過ぎるんだ言っている事が。言い方もキツくて、勉強に心の休息を置いてくれない。常に自分を追い詰める。


 ……だけど、そうか。感謝を本当に返すなら、カーネーションなどをプレゼントするのではなく、行動を起こすべきだった。考えてみれば当然だ。

 喜ぶと思ってやった行動が、こういった形で返って来た事に、心がしくしくと痛んだ。


 喜ぶと思って選んだのに、こんなんじゃ喜ぶ訳が無い。自分はバカだ。これじゃ、母の日のプレゼント買っただなんて言えないし、渡せないじゃないか……。


「ねぇ、秋」

「……」

「ずっと応援してたんだよ、出来なくても勉強してたから。今だって、隠れて勉強してるんだろうって、秋はちゃんとやってるって思ってたのに……」


 ふつふつと、抑圧でもない、沈鬱でもない、心の奥底から別の感情が湧き出るのを感じた。

 出来なくても勉強してた。それで、出来なかったんじゃないか。隠れて勉強してるも何も、今までの努力を認めてくれなかったのは、頑張っている姿を見てくれなかったのは誰だと言うのだ。


「努力しないで遊び呆けた上に、この結果(ザマ)かよ。頑張りもしないヤツに、もう金なんか出す価値はない」

「は……」


 頑張りもしない……? なにを言ってる。

 頑張ってただろ、今まで。知らないだけだろ、お前ら。


 激情が湧き上がる。この三年間ずっと感じてきたソレは、しかしいつもは理性が抑圧してくれるのに、今日は出来ない。


「信じられないよ、この時期にサボるだなんて。ね、勉強してれば、必ず出来るようになるから。勉強しないと成績は伸びないし、してなきゃ受験も受からないよ。分かってるでしょ? なのにそんな事、するような子だと思わなかった」

「――ッ?!」


 この時期にサボる? 勉強してれば伸びる? 人に勝手に期待して、そうさせたのは誰だってんだよ?!


 抑えきれない。抑えなくてもいい。

 今まで溜めてきたんだ。我慢して、我慢して、ひたすらに我慢して。……そうだ、元も今も根本は変わらない。ただ、今までの努力を認めて欲しかっただけなんだ。


「――ん、だよ」


 自分でも気が付かない内に言葉は漏れる。

 悪いのは自分。だけど、自分だけじゃない。周りがそうさせた。自分を追い込むから、結果の出ない頑張りを認めてくれないから、見てくれないからっ!! だから自分はこうなった!!


「……ッ、な、ん……だよ――ッ!!」

「……なに?」


 言葉が勝手に走る。なけなしの理性が止めにかかるが無駄である。

 体が震え、涙が溢れる。そう、今まで頑張った。努力したあの日々、叱られたあの日々。記憶の廻廊が交わり、結び付き、ぐちゃぐちゃになったコードの如く絡み合って解けなくて理解が追い付かなくて、感情だけが暴走して駆け巡り、巡って、巡るから、どっちが悪いとか関係なくて、ただ言いたい事を言うだけで、激情が渦となって喉を逆上し、外へ。

 もう、止められない。止めない。全てを、全てを、


「何だよ! 俺だって今まで頑張ってたッ! 限界なんだよこれが!! いくら頑張っても伸びないのに、頑張ったら伸びる、頑張ってないから伸びないってさ、実際に頑張ってたって事は誰も見てくれないじゃねーかよクソが! ふざっけんなよ!!」


 頑張った。頑張っていた(・・・・・・)。結果が出なくても頑張って、やり方が分からなくなって、辛くなって、でも拠り所なんてなくって、頑張って。ただただ、それを認めて欲しかった。見て欲しかった。

 「頑張ったね」って、一言だけでも褒めて欲しかった。


「俺さ、頑張ってたよ。一年の時、勉強できなくてもさ……なのに、結果が出せないから、それじゃ意味が無いっていうから、だから――」

「意味が無いなんて言ってないだろ!! 勉強してればどこかで必ず伸びてるんだ、いつかは必ず出来るようになる。お前が勝手に限界を決めてるだけで、無駄なんかじゃないんだよ!!」


 続けて言う。


「一年の時に頑張ってたってんなら今はもっと頑張れよ。それこそ意味がないって言うんだ! だから勉強が出来なくなるんだろ。なあ、それに、だからといって遊んでいい理由になるのか? ならないだろ? お前こそふざけ――――」

「うるせぇな!!」


 まるで小さな子供のように叫ぶ。

 らしくもないソレに両親は目を丸く見開き――そして、怒りを顕に言い放つ。


「な、親に向かってその――」


「ありもしない能力を勝手に期待して! 必要以上に追い詰めて!! ……なに? 追い詰めれば追い詰めるほど勉強出来ると思ってんの? 甘やかしちゃダメとかそんな事思ってんの? 何だよそのクソみたいな感情論ッ! 一秒も無駄にするなとか言うけどさぁ、極端過ぎんだよ!! そんなんで精神が持つわけない、当たり前だよな。でも、俺、結構真に受けて頑張ってたんだよ。頑張って、頑張って、んで、その結果がこれだよ!!」


「でも今のお前には、精神を休める時間なんざ設ける必要がないだろ。遊んでるんだから」


「――っ、それも! 勉強して、限界を超えても勉強したら、やり方分からなくなっちゃったんだよ。いくらやっても頭に入らなくなっちゃったんだよ!! ……勉強しても出来ないなら勉強しないで出来ないのと同じなんだろ?! 同じだから先生に言われるんだよ「勉強してない」「努力しろ」って!! 努力したからこそ、今までの努力を蔑ろにされるくらいなら、いくら頑張っても誰も見てくれないならっ! だったらやりたくないッッ!!」


「お前……ッ!!」


 言っている事が滅茶苦茶なのは、自分でもよく分かった。

 涙に汚れたぐしゃぐしゃの顔と、言葉だけは強いが情けない表情。そうだ、もうやめた方がいい。口を噤んで、収束を待った方が良い。これ以上口を開けば、必要ない事まで言ってしまう。


 ――ただ認めて欲しいだけなのに、一言頑張ったねって言って欲しいだけなのに、どうしてこんなにも感情的になってしまっているのだろうか。

 どう考えても遊んでいるのは自分が悪い。だけど、謝りたくない。今までの事を認めてもらうまで絶対に謝らない。プライドが邪魔をして、どんどんエスカレートしてゆく。


「だからね、頑張るのは当たり前(・・・・)の事なの。今はその当たり前の事すら出来てない、それどころか親の金を無駄にして、遊んでるのがありえないって話をしているの」

「は……あたり、まえ…………」


 そうだ、当たり前。

 やはり、分かっていないのだ。その当たり前を自分がどれほど頑張ったのか。当たり前すら普通に出来なくなって、その当たり前の行動に、どれだけ精神が抑圧されてきたのか。


「はは……、は……。当たり前、ね……」


 乾いた笑い声が漏れ、理性よりも先に言葉が走ってゆく。

 駄目だ。次の台詞を言ってしまえば、もう取り返しがつかなくなる気がする。言ってはいけない、口を閉じろ。


「……何、言ってんの? 知らないだろ、俺がどれだけ、頑張ってきたかなんてさ……! その言葉にどれだけ抑圧されてきたかなんてさァ!!」


 涙が頬を伝う。

 やめろ、やめろ、これ以上は何も言うな。言うな。いう、な――


「知らないだろ、なあ、お父さん。いつも家にいないクセに、見てもないクセに説教垂れんなよ!! なあ、お母さん。挫折なんてした事もないクセに、勝手に分かった気になんなよ!! 言うなら同じ状況になってから言えよクソが!! そっちこそ、こっちの気持ちなんてわかりっこないクセに、知った被りやがってムカつくんだよ!!」


「――ッ、秋!!」


 父親が再び机を叩き付けながら、今度は勢いを付けて立ち上がる。

 震えていた。内包していた怒りを全て解き放ったような、真っ赤な表情で怒鳴りつける。


「言って良い事と悪い事があるだろ!!!! 何だよお前、ついさっきまで遊んで帰ってきたクセに何様のつもりだよ?! 俺達が、どれだけ心配して、応援して、お金も出して、ショックを受けか事か、お前こそこっちの気持ちなんて――」


「物にあたって怒鳴り散らせば聞くとでも?! ハッ、ふざけんなし。心配してた? だったらもっと褒めてくれたって良かったじゃん、頑張ってるねって。……本当は、これっぽっちも心配なんがしてないクセに!! 自分の期待を押し付けないだけのクセにッ!! 本当に心配してたならさ、一言くらい「頑張ったね」とか言ってくれても良かっただろ?! なぁ、だから俺、頑張ってたから……っ。心配、してたならさぁ、俺…………」


「秋! いい加減にしなさい!!」


 今度は凛とした声が大気を貫く。

 母親の声だ。睨み付けるように、勢いよく秋が振り向いて――一瞬、固まる。


 彼女は、泣いていた。


「心配じゃなかったらこんなに怒ってないからっ! だって自分じゃない、他人の受験だもの。勝手にすればいい。それならお金だって出してないし、とっくに呆れて見捨ててる!! 分かる? 心配だから、心配だからこそ言ってるの!! 全部秋の事を思って……。なのに、そんな事言わないでよ。秋こそ何も分かってないクセに。……ねぇ、まずは遊んでた事について、そっちから言う事があるんじゃないの? 秋……」


 心配していた――それは、彼らにとって当然の事だった。

 自分の大切な息子の受験なのだから、心配するに決まっている。そこに一切の打算はない。文字通り、無償の愛というやつだ。

 一緒に大学を探したのも、大金を払って塾に通わせたのも、全て彼を思っての事だった。出来れば怒りたくなんてないのに、彼の為を思って、心を鬼にしていた。


 それなのに、裏切られた。

 折角お金を出してあげた参考書も使っていない。塾の自習室に行くと言って、実際は遊んでいる。模試にだって大金が掛かるというのに、まともに勉強をせず、活用しようともしない。

 ただただ悔しかった。今までは勉強していたのに。しっかりと“頑張って”いたのに。これではお金をドブに捨てているようなものだ。


 勉強すれば伸びるとは言っても、本当は秋の出来る範囲内で良かったんだ。確かに、秋はやればもっと出来ると思っていた節はあるのだが、それ以上に目標は高く目指した方が伸びると思ったから、そう言っていた。

 頑張っているのも分かっていたが、それを言ってしまうと秋が気を抜いてしまうと思ったし、自分達もそんな秋を甘やかしてしまうと思った。だからそこ、受験の結果がどうであれ、全てが終わった最後にはいっぱいいっぱい褒めてあげようと、そう思っていた。


 ――秋も、彼の両親も、ヘタクソだった。

 お互いにお互いの気持ちが伝わらない。頭で理解はしても、納得はできない。言わなければ、理解することすら難しいのかもしれない。


「……ッ!! 何だよ、じゃあいいだろ関係ないなら……っ! 勝手に心配されて口出しされても迷惑なんだよ、もう俺が勝手に自分でやるから関わらないでくれ! 認めてくれないなら、もう勉強に口出ししないでくれ!!」


 特に、今の秋には両親の気持ちは分かり辛かったのだろう。彼が単純に親の立場を経験した事がないのと、彼にとっては「認めてくれる」事が最重要項目だったのだから。


「はぁ?! ……ッ、なんだよ、お前……ッ!! 遊んで帰った上に、とんでもない事を口走っておきながら、反省の一つもないのかよ。……もう、いいよ。呆れた。関わりたくないんだろ? もう知らん! もう、お前なんか……!!」


 秋の吐き出した言葉に、彼の父親も理性を失う。

 彼に対する過信と自らの過去との相違は、秋の気持ちを理解するのには難しい。しかし、秋の為を思ってやったのに、全て裏切られて貶された事と、何より遊んで帰ってきた(・・・・・・・・)クセにとんでもない態度を取る秋が、許せなかった。


「出てけ! お前なんか!!」


 言ってからヤバイと思ったが、感情がその言葉を引っ込めようとしない。

 怒りと悲しみを綯い交ぜた感情が心を締め付ける。


「んな、出てけって……ッ」

「知らない。秋なんて知らない!!」

「――ッ! ……あっそう、もういいよ! もう、いいよ!!」


 今一度思い切り睨み付けて歯を食いしばり、腹の底からせり上がるような思いを足取りに乗せて廊下を突き抜け、コートを来てバックを持って、玄関を出る。


「じゃあね、さようなら」


 もう、カーネーションの事など頭になかった。

 玄関の扉を蹴破るように勢いよく開けて外に出て、扉が勝手に閉じてゆく。

 ドアの隙間のその奥から、どこか悲しそうに秋を睨み付ける視線が覗くのが見えて、秋も睨み返す。


 一閃の視線の交錯。

 しかしそれが見えなくなるよりも前に。


 何だかとても嫌になって、ドアが閉じきるよりも前にそこを立ち去ってしまった――。


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