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ある男の現在

作者: moo

初投稿です。よろしくお願いします。


「あーダルイ…」


世の中に必要と思えない会社


ブラックと言えばブラックだし、世間で言うホワイトだって他に比べればマシなだけで人によってはブラックだろ。


でも、仕事しないとお金に困る。


というか、なんで生きているだけでこんなにお金が必要なんだ?お金が有限だから世の中が乱れているんじゃないか?


疲れて回らない頭でそんな事をつらつら考えていた。


「はぁ…お金なんか無くなればいいのに…」


『それいいね』



思うだけなら自由だ、その考えに突然の声


気がつくと日常が初まっていた。



――――――――――――――



通勤途中のコンビニに入って、いつもの商品を探すが見つからず代わりの物を手に取りレジに持っていく。


「お願いします」

「はい、こちらで入れますか?ご自分でされますか?」

「…はい?」


こんな対応初めてだ。


驚いて二の句が継げないでいると、店員は商品を袋に入れていくが、バーコードで読み取らないのか?昨日の今日で新しいシステムに変わったのか?


「お待たせしました、お品物です。」

「あ、はい。お金は?」

「お金?そのままお持ち帰り下さい。」


そう、あり得ない言葉が返ってきた。


袋を持ちドアに向かう。外に出た瞬間呼び止められやしないかドキドキしたが、店員は「ありがとうございました」と、いつもの言葉を掛けられた。


外に出て携帯を取り出して【お金】と検索をかけた。



[該当する記事が見つかりませんでした。]




「は、ははっ」


今、現在、この世の中にはお金という概念が無いらしい。


夢でも見ているのか?それとも俺が異常なのか?


いつもと同じだと思っていたが、自動車が見当たらないせいかどこかゆったりとした時間が流れているように感じる。


取り敢えず急いで職場に向かうと、そこは子ども達が遊んでいる公園になっていた。


フラフラとベンチに座りこむ。



ドッドッドッ



しばらく何も考えられないでいると、隣りのベンチに座っているお母さん達の声が聞こえた。


「うちの人がまた趣味を増やして…」

「趣味で作ったお野菜が好評で…」

「あの子の趣味が楽しみで…」

「◯◯さんの趣味で書いた本が…」


趣味?他に何か聞こえやしないかと耳をすませていると、子ども達が寄って来た。


「お兄さんひまー?あそぼー」

「えっと、」


見ず知らずの子どもにそう言われてなんて返事をすれば良いのか…

そもそも、お母さん達になんて言われるか不安でそちらを見ると


「まぁ!よろしければ遊んでもらえますか?」


不安そうでも不審そうでも無く朗らかに言われた。


「は、はい」

「ありがとうございます〜!この辺では、子どもと遊んで下さる趣味の方が少なくてねー」

「(遊んでくれる趣味??)俺で良ければ…」


お願いしますねー、なんて言葉を聞きながら子ども達にあっちあっちと急かされた。


昔は保育士になりたかった。しかし、給料がどうしても少なくて泣く泣く諦めた。


それがいま、こうして…

趣味って言っていたよな。つまり、好きな事をして好きな物を手に入れて…しかし、そこにお金は発生しない?今までと同じ物もあれば無いものもあったような…


「ま、いっか」


お金が無いならどうにかなるだろう。


ありがとうございました!

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