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第100話 エルフの里 三人で温泉

 異空間から元のエルフの里に戻ると、ルトルスとペトラが支給された浴衣に着替えて温泉施設から出てきた。


「なかなか気持ちよかったぞ。マッサージも受けられて身体が軽くなったような気分だ」

「肌が綺麗になるツボも押してもらって、最高でしたよ。シェーナさん達も是非試してみて下さい」


 どうやら温泉の評価は上々のようだ。

 ルトルスは腕を伸ばしたり、足を強く蹴って高くジャンプする。

 ジャンプしたルトルスをシェーナは受け止めてあげると、お互いに顔を赤く染める。

 ペトラは美肌になるツボを押してもらったことにより、テンションが高い。


「急にジャンプする奴があるか……着地に失敗して怪我でもしたらどうするんだ」

「……ありがとう。身体が軽くなったから、つい本気になってしまった」


 シェーナはルトルスの浴衣を軽く掃うと、周囲の視線が二人を祝福するような雰囲気になっている。

 グラナも真似をして高くジャンプすると、空中で一回転して無事に着地する。

 周囲からは歓声と拍手の声が上がると、ペトラは呆れた顔をして自制心を保つように促した。


「じゃあ俺達も温泉に行って来るよ。ペトラと少し待っていてくれ」

「ああ、ゆっくり温泉に浸かってくるといい」


 シェーナはルトルスに手を振って女湯に入ると、ルトルスは労いの言葉を掛けて見送る。

 キシャナとグラナも続いていくと、脱衣場でキシャナがニヤついた顔でシェーナに近付く。


「本当は夫婦で温泉に入りたかったんじゃないのか?」

「な……何のことだよ!?」

「シェーナ君、とぼけなくてもいいよ。ルトルスと温泉に仲良く入りたかったって顔に出ているよ」

「ば……馬鹿!? お前は急にどうしてそんな……」


 キシャナは図星をつかれて言葉を詰まらせるシェーナをからかう。

 シェーナ達以外にも女性客がそれなりに入っているので、目のやり場に困っていたシェーナはたじろいでいた。

 グラナは平然と衣服を脱いで二人のやりとりを見ていると、シェーナの耳元で囁く。


「シェーナが望むなら、この場だけルトルスに変身してもいいぞ」

「そんな気遣いはいいから、早く体を洗って温泉に入るぞ!」


 シェーナは足早になって掛け湯を済ませると、温泉に浸かって気持ちを落ち着かせる。

 二人も続いて掛け湯を済ませて温泉に浸かり始めると、シェーナの傍に寄って周囲を眺める。


「前世だったら間違いなく逮捕される案件だけど、今は私やシェーナも立派なおっぱいもあるし、誰も気にしないよ」

「そうそう。神界もこの事で別にシェーナを咎めたりしないし、堂々と覗くといいよ」


 グラナは周囲の女性客に目を移しながら、温泉に浸かっている。

 あんな鋼の精神があれば、色々と苦労することもなかったのにとシェーナは思う。

 キシャナの言う通り、合理的に考えればシェーナを咎めたりする人物はいないのだから堂々と入浴すればいいのだが、前世の理性がブレーキをかける。


「まあ……シェーナは前世から優しい性格の持ち主だからな。グラナのようになるのは勘弁だけど、親友の裸ぐらいはそろそろ慣れてもらいたいね」


 キシャナは胸をシェーナの肩に当てると、妖艶なダークエルフを演じて誘い込む。

 するとシェーナは恥ずかしさの頂点に達したのか、温泉に潜ってしまった。


「やれやれ……世話の掛かる親友だ。グラナとシェーナを足して割りたいぐらいだぜ」


 キシャナはシェーナを引き上げると、その横でグラナは別の意味で温泉の堪能を続けていた。

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