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アンダーグラウンドの憂鬱  作者: いかちゃん
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第一部 杉浦大志編 第一章 掃き溜めの楽園〜ヤナセハルカ〜 第一話

大学の講義が午前中で全て終わった平日、俺は三条河原町の商店街入り口付近にいる。今日は13時からTwitterのオフ会がある。初めて会う人だ。そろそろ相手が来てもいいなと思いながら待ってるとやたら胸が大きい生命体がこちらに向かって来た。おそらくあの人だなと思い最初なんて声かけようと考えようとしたが、胸の大きさしか頭に入ってこなかった。相手が挨拶をして話す。

「どうも、ヤナセハルカです。」

この短い自己紹介すらほとんど頭に入らず胸が大きいなと考えていた。

「どうも、ゆるふわシャイニングらずふぃーです。」

そう、俺の名は”ゆるふわシャイニングらずふぃー”と思いながら自己紹介をした。

取り敢えず俺たちは三条大橋の近くのスタバに入った。ハルカは京都女子大学の有名なビッチツイッタラーだ。まだ大学1年生の5月だと言うのに経験人数は40人を超える。容姿は平均的な18歳女子大生の平均値を大きく上回る訳ではないが、守ってあげたいと思わせる愛らしいオーラを持っていた。軽く自己紹介も兼ねて雑談した後、ハルカは自分の人生について、ビッチになった経緯も含めて語った。

「私は貧乏な自営業の家に生まれた。両親の仲は悪くていつも喧嘩してた。私にも当たりが強くて、ちょっと夜に騒いだりしたら引っ叩いたり、ゴミ袋に入れて夜に家の外に締め出されたりした。小学校でも触ったら菌がつくみたいなこと言われていじめられていた。当時の私には何処にも居場所がなかった。いつも死にたいと思いながら生きていた。」

ハルカは話を続ける。

「そんな私にも14歳になって転機がやってきた。ニコニコ動画の生主になった私は色んな男性のファンが出来た。ファンの男の人達が私を求めて争い合ってるのも観てて嬉しかった。私の初めての相手はチビでデブの26歳のファンだった。」

キモいでしょ?と言いながら俺に写真を見せてきた。写真を見るとハルカの言う通りの見た目をしてた。

「後悔はしてない?」

俺はハルカに聞いた。

「どうだろう?してないな。」

こう答えてハルカは続ける。

「あの時、初めて誰かに必要とされて、求められて人生で初めて生きてて良かったと思えた。私にとって、人生が始まった瞬間だった。」

ハルカは一息ついて

「そして、今に至る。」

と笑いながら言った。俺はハルカの暗い人生を背負ってきた割に快活に話す姿に好感を持った。

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