第8話
第7話は10月18日に上げる予定の話でしたが、私の不手際により上げられませんでした。本当に申し訳ありませんでした。これからは今回のことがないように活動していきますのでこれからもダンジョンの生活をよろしくお願いします。
誤字脱字の報告や感想などもらえるととても喜ぶので、お願いします。
2日に1話投稿の予定ですので手が空いた時にでも読んでください。
「丁寧に言ってもあまり詳しいことは言えないぞ。前にその本を使っていたやつが拓斗って名前だっただけだ。今お前がその本を使っているんだから拓斗は死んで新しくお前が召喚されたってことだ。」
「なんで死んだって分かるんだ?」
「通信機さ。この通信機は無線機じゃなくて電話に近いからな。本と通信機のアドレスは対応して振られている、だから通信にお前が出た時点で死んだってことだ。死ぬと本は元あった場所に戻って次に召喚する人を待つ。死んでも新しく呼ばれるからダンジョンの数は減らないようになっている。」
「ありがとう。後は自分で考えてくよ。どうやって連絡を取ればいい?」
「表示されているアドレスに繋いで呼びかけてくれ。」
「分かった、本当にありがとう。」
「あぁ」
そう言って通信は切れたがこれ以上にないほどの情報をもらえた。渋い声をしていたが優しい人だったな。そういえばゴブリンはどうしたんだ?ずっと静かにしているが。振り返ると心配そうにこちらを見ているゴブリンたちがいた。
「俺は大丈夫だぞ。向こうで遊んで来い。」
「ギー!」
元気だなぁ。
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時間は少し戻り衡平が寝始めた頃、街では1人の少年が冒険を始めようとしていた。
俺はシャーフ。元はスラム街に住んでいたがここの宿屋の裏で倒れていたら女将さんがご飯をくれた。そんな優しい女将さんかと思っていたらそのお代としてこき使われるようになった。ここの宿は冒険者がよく使っていてご飯がおいしく、宿代も安いちょっとした穴場らしい。今はちょうど食堂で昼食の時間が終わったところだ。時間帯のこともありあまり冒険者はいないが今起きてきたであろう冒険者が1人いた。
「シャーフ、食器を下げたら机を拭いてこっちに来な。昼飯にするよ。」
「はい、おばさん。」
「坊主、また叱られるぞ。それ以上はやめときな。」
「にひひ、俺もおっさん達のように冒険者になるんだ。おばさんなんかこわくなんかないやい。」
「シャーフ!早くしな!」
「はーい。俺もう行かなきゃ。おじさんも仕事頑張ってね。」
「ああ。坊主も早く冒険者になれよ。」
食器を下げ、机を拭いて従業員が使っている狭い部屋で昼食を食べ始めた。
「おばさん、冒険者になるためのお金そろそろ貯まったんじゃないか?」
「あんたもしつこいねぇ。これで何度目だい。分かった、あんたが薬草を取ってこれたら冒険者になることを許そう。正門から出てまっすぐ行くと片道1時間半ぐらいの場所に薬草の群生地があるんだ。そこまで無事に行ってこれたら最初の資金は全部あたしが工面しようじゃないか。いいね?」
「分かった。行ってくる。」
そう言うと一気に昼食を流し込んで走って外に出ていった。
「ふぅ、あの子にも困ったもんだよ。そこの冒険者さんちょっと頼まれてくれない?」
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